俺は妹への猛烈な愛に目覚める
風紀委員長、上原の情報により、ましろだけでなく、寝取も根都玲頭町で位置情報を確認されていた。
ましろの失踪に寝取が関わっているとしたら、奴もましろと同じ場所にいる可能性が高い。
黒崎に調べてもらうと、ましろのいる場所は町外れにある廃屋らしく、上原と共に俺もすぐその辺りへ向かう事にすると伝えた。
『会長。向こうが何人いるかは分かりませんし、彼らは自称合法ドラックを売り捌く半グレ集団の可能性が非常に高いです。会長も上原先輩も武道を習得しているとはいえ、一介の高校生が相手にするには危険過ぎます。
非情なようですが、僕は警察にお任せした方がいいと思いますよ?』
黒崎にはそう言って止められた。
理性では、彼の言う事が確かに尤もだと思う。寝取はともかく、半グレ集団相手に、俺にどこまでの事がやれるのかは自信がない。
でも俺は……。
『本当にデリカシーのないしょうのない……お兄様……』
ツインテールの黒髪を揺らして偉そうに文句を言ってくる彼女―。
『うっうっ。私の体が勝手に寝取られっ、元カレがアホ妹に寝取られっ、こんなW・NTRな悲劇あるぅっ?わああぁっ!!』
赤い目から大粒の涙を零す彼女―。
『よ、義隆先輩が寂しがるなら、仕方ないわねっ。ビデオレターを送り付けた元カノと訊問会で断罪した元カレという関係だけど、入れ替わり解消後も友達やってあげるわよ』
減らず口を叩きながらも、顔を赤くしながら笑顔を見せてくる彼女―。
その全てが、今、危険に晒され失われようとしているのだとしたら……。
俺は今、俺は妹への猛烈な愛に目覚め、堪らない気持ちになった……!
「黒崎。心配してもらってすまないが、それでも俺は行くよ。
邪な目的の奴らにましろが拐われて捕らいるとしたら、警察に任せていては手遅れになる可能性がある。
ましろを無事な状態で助け出してやりたいんだ。俺の何に変えてでも!」
『会長……! 分かりました。ましろさんは、会長にとって、それ程大切な存在なんですね?』
「ああ。そうだと思う。空、海。警察と両親への連絡を頼むな?」
『『わ、分かったよ……。鷹宮くん。どうか、皆無事に帰って来てね?』』
黒崎、空、海に後の事を頼み、ZO◯Mを終えると、留守を頼もうと辺りを見回したがさっきまで隣にいた筈のよしのがいない。
ドスッドスッ!ガシャンガシャン!
「お、お兄様! よしのも連れて行って下さい!! ましろさんは、今や私の妹も同然!私も彼女を助けたいのです!!」
「……!」
姿はまだ見えないが、けたたましい音と共に、二階を駆け下りて来ているらしいよしのを、俺は驚いて拒否した。
「駄目だ! お前まで危険な目に遭ったらどうするんだっ!?」
「大丈夫です! 催涙スプレーにスタンガン! フル装備で行きますからぁっ!!」
ガチャッ!
「駄目だったら! お前は女だろ! 家で俺達の無事を祈っておいてくれ……。?!!||||||||」
リビングを出て、階段前で降りてくる彼女に文句を言おうとして俺は絶句した。
ドスドスドスッ!ガシャンガシャンガシャンガシャンッ!
「ハアハアッ!お兄様! 物置きにあったお父様の趣味の品を引っ張り出して来ました! これなら女に見えないから大丈夫でしょうっ?✧✧」
「よよよ、よしの……か……???」
息を切らして階段を下りて来た、黒い兜と鎧に身を包んだ、昔の武士そのものの(恐らく)妹の姿に、俺は愕然としたのだった……。
✽あとがき✽
皆さんご愛読ありがとうございました。
ましろの危機に、目覚める義隆とよしの(武者Ver.)の妹への愛。
俺達のラブコメ(戦い)はこれからだっ!!(2回目)
打ち切りエンドではありませんので、来週も見守って下さると有難いです。
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m




