クリスマスデート♡⑤〜ましろ&よしの 水族館デート〜
「すんっ…! さっ、では、そろそろ時間ですので、ましろさんを迎えに行きましょうか?」
よしのは鼻を一かみし、ベンチの席を立つも、すっきりした笑顔を俺に向けて来て、逆に俺が戸惑う位だった。
「あ、ああ……。そう…だな」
衝動のままによしのに気持ちを伝えてしまったが本当にこれでよかったのだろうか?という俺の悩みを吹き飛ばす程の彼女の潔さと強さを前に、俺もしっかりしなければと立ち上がったところ……。
「あっ。お兄様、忘れ物です」
「えっ」
チュッ♡
振り向くと、よしのが間近に迫っており、頬にキスをされていた。
「!!! よ、よしのっ!///」
柔らかく湿った感触に、思わず頬を押さえると、妹はしてやったりというようないたずらっぽい笑顔を浮かべた。
「エヘヘ///最後に、一回だけ! これぐらいなら、ましろさんも許してくれるんじゃないでしょうかね?」
✽
「あっ…。義隆先輩、よしのさ…、!! 」
俺とよしのがシアターに着くと、映画は既に終わっていて、シアターの出口近くのソファにポツンと座っていた彼女は俺達と目が合うと一瞬大きく目を見開いた。
よしのの目元にまだ残る涙の跡、気持ちを伝え合った俺とよしのの空気に、何か感じるところがあったかもしれないが、次の瞬間にはいつもの態度に戻っていた。
「もう、おっそーい! 映画とっくに終わっちゃったわよ? 次は水族館! 予定が詰まってるんだから、さっさと行くわよ〜?」
「えへへ。ごめんなさーい!次は水族館へ行きましょ、行きましょ!」
「お、おい。待てよ。二人共」
ざかざかと水族館方面へ歩き出すましろに、よしのは駆け寄り、そんな二人の後を俺は慌てて追いかけた。
✽
いもうと水族館にてー。
ポウッ♡ ポウッ♡
「なんでしょう? この小さく平たいこの可愛らしいクラゲちゃん、何かに似ているんですよね……。あっ。二匹重なって……、ハッ!」
ボウンッ♡ ボウンッ♡
「何かしら?この大きくて丸っこいこの憎たらしいクラゲ、何かに似ているのよね……。あっ。二匹重なって……、ハッ!」
クラゲのコーナーで、何やら険悪な空気になりそうな事に気付いたらしいよしのとましろに、俺は急いで後ろの電光掲示板を指差した。
「あっ。二人共、ベルーガ見たいって言ってなかったかぁっ? 10分後に、『ハッピー♡バブルリング』ってショーをやるみたいだぞぉ!!」
✽
『シロイルカは、頭の上に鼻があるんです。今から、シロイルカのマロちゃんヨノちゃんが、ここから空気を出して、バブルリングを作ってくれますよ?よく見てて下さいね〜? せーのっ!』
ボフッ…! ◎
ボフッ…! ◎
「「わあっ……! すごい(です)✧✧」」
「おおっ……!」
スタッフのお姉さんの掛け声と共に、シロイルカ(ベルーガ)は、空気で出来た大きなリングを水の中で作り、俺達は歓声を上げた。
「いもうと動物園」に隣接するここ、「いもうと水族館」は、ましろは俺と初めてデートをした場所だった。
あの時は、ましろが楽しみにしていたペンギンのお散歩イベントが見られず、デートの後半、彼女はずっと不機嫌だったのだが、今、よしのと共に楽しんでいるましろの姿に俺はホッとする思いだった。
『皆様に幸せをお届けするシロイルカのバブルリング、いかがでしたでしょうか〜?これにて、『ハッピー♡バブルリング』ショーは終了となります』
「はーっ! 面白かったわ。ベルーガってバブル作れるのも凄いし、とても愛嬌のある顔してるわよね?」
「ええ! 私、好きになっちゃいましたぁ!」
「ハハッ、確かに可愛い顔していたよなぁ。あっ」
ましろとよしのが興奮気味に感想を言い合っているのに頷きながら三人で移動していると、水族館のシアターが道の先にある事に気付いた。
「ああ、この先にシアターがありますね?映画が始まる時間ももうすぐみたいですし、私はここで『ウミガメ物語』を観ています。
ましろさんとお兄様は、二人でゆっくりしていらして下さいね?」
「え、ええ……。」
「あ、ああ……。」
よしのに笑顔で持ちかけられ、俺とましろはぎこちなく顔を見合わせたのだった……。
✽あとがき✽
読んで下さりありがとうございます!
よしのに対して答えを出した義隆。来週は義隆&ましろの話をお届けしていきたいと思います。
ましろの最後の心残りと義隆の出す答えを見守って下さると有難いです。
今後ともどうかよろしくお願いしますm(_ _)m




