クリスマス交流会④ 黒崎&よしの&ましろ 〜マジックショー 二人の入れ替えイリュージョン〜
空&海のダンスの後、聖夜幼稚園の劇、図書委員の読み聞かせ&サンタのお菓子配布と順調にプログラムは進行し、いよいよ黒崎&よしの&ましろの出番がやって来た。
「次の出し物は、生徒会副会長にして、マジック研究会部員の黒崎直也、生徒会書記、庶務にして、校内屈指の、び、美少女と名高い花二輪///、鷹宮よしの、虎田ましろによる マジックショー 二人の入れ替えイリュージョンです。」
出し物紹介文には、妹と元カノを「校内屈指の美少女」「花二輪」と歯の浮くようなセリフで表現されていて、俺は読み上げる時思わず噛んでしまった。
紹介文は黒崎が考案したものと知っているだろうが、よしのとましろもこれを聞いているのかと思うと、面映ゆい気持ちになった。
「では、三人共どうぞ!」
「「「は〜い!」」」
なんとか気持ちを立て直して声をかけると、黒崎とよしの、ましろはステージへの一歩を大きく踏み出した筈が……。
ツルッ。べシャッ!!
「きゃうんっ!!///」
「「!!||||」」
「ぶふうっ…!」
ザワッ!!
(ましろの姿の)よしのだけ踏み外してしまい、盛大にコケ、スカートの中身=赤いフリルのついた布地を丸出しにしてしまい、俺は吹いてしまい、会場内は大きく騒然となった。
「キャーーッ!(人の体で)何やってるのよーっっ!?しかも、またこんな派手なパンツ穿いて!!」
自分の姿でスカートの中身を丸出しにされてしまったましろが、よしののスカートを直して食ってかかると、よしのは、涙目で弁解した。
「ごごっ、ごめんなさい!でも、(この間の失敗を生かして、)見せパン!見せパン穿いてましたからセーフですっ!!ホラッ!!」
チラッ!
「だぁっ!!また見せんでいいっ!!///こんの天然がぁっ!!」
「アハハッ。おっかしー!!」
「何だ、アレ?コントか〜?」
再びスカートを捲ろうとするよしのに、ましろががなり、会場は笑いの渦に包まれていた。
もしかして、仕込みかと黒崎を見遣ると……。
「(いや、仕込みじゃありません……。けど、何とかします!)」
目が合った黒崎は、俺に苦笑いで首を振った後、笑顔で大声を出した。
「ハーイ!ちょっと派手な登場でしたが、彼女達は聖夜高校で世紀のマジシャンと謳われたこの僕、黒崎直也の助手、ましろちゃんとのよしのちゃんです〜。」
「「!!//」」
ワアァーッ!
会場は湧き、ましろとよしのはハッと我に帰り観客席にペコリと頭を下げていた。
「見ての通り、天然キャラのましろちゃん、ツンデレキャラのよしのちゃんなんですが、今から彼女達の性格を入れ替えてご覧に入れましょう〜!」
「え」
「ん〜ハイッ!入れ替わりスイッチオン!」
黒崎は一体何を言っているのかと俺がフリーズしている中、彼はよしのとましろに向かって手にしていたステッキを振った。
すると、ましろの姿のよしのはガラリとキツイ表情に変わり、よしのの姿のましろに人差し指を突きつけ詰め寄った。
「よしのさんっ!あなただって、天然ドジっ子キャラじゃない!この間、一緒にお菓子作った時、10個連続で卵割るの失敗して、全部殻入りにした上、カルシウムが取れていいとか宣っていたわよねっ?全く信じらんない!!」
「ぎゃふっ……!ましろさん、それは言わない約束じゃないですかぁっ!/// 栄養に関心があるのはいい事でしょうっ!?」
対するましろも気弱そうな表情に変化し、涙目でよしのの指摘に言い返していた。
「何だよ、今度はこっちが天然かよ!」
「ぎゃははっ!立場逆転してんのっ。」
その様子はあたかも、性格が入れ替わった如く見え、観客席からは再び笑いが起こった。
「〜〜〜〜!!|||||||| 」
会場の空気はすっかり温まったが、こんな事をして、二人の入れ替わりがバレやしないか、俺はヒヤヒヤものだった。
黒崎は、青褪めている俺と目が合うと苦笑いで小さくゴメンポーズを取って来た。
いや、ゴメンじゃないぞ、本当に!
二人の転身の鮮やさといい、即興のアドリブではなく相当練習して来た事が見て取れた。
俺に内緒で、こんな趣向を考えていた企黒崎、よしの、ましろにも後で一言言ってやらなきゃならないと拳を握り締めた。
「ん〜ハイッ!入れ替わりスイッチオフ!」
「ま、まぁ?ましろさんがこれからマジック頑張るなら、認めてあげないこともないんだけどねっ!」
「え〜ん。頑張りますぅ!よしのさん
見捨てないで下さい〜!」
黒崎が再びステッキを振ると、よしのの姿のましろはツンデレキャラ、ましろの姿のよしのは天然キャラに戻っていた。
「ハイ!まずは、美少女性格入れ替えマジックでした〜!お次は……」
会場から大きな拍手が起こる中、その後はマジックショーが順調に進行して行った。
「ジャジャーン!ステッキから綺麗なお花が出てきましたぁ!」
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「水が一杯のコップに水を注いでも、ホラッ!溢れないっ!不思議でしょう?」
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「今から、では、この長〜い剣を飲んで行きたいと思います!」
あの後、よしのがステッキから花を出すマジック、ましろがコップの水が一杯になっても溢れないマジック、黒崎が剣を飲むマジックを披露した後、最も大掛かりなマジックに挑む事になる……。
「いよいよ次でラスト!最後は……、美少女二人の脱出入れ替わりマジックになります!!」
黒崎は、スタッフの人が運び入れてくれた、カーテンレーンに金属板と鎖が取り付けられた大道具の前で観客に高らかに宣言した。
「では、ツンデレよしのちゃん、天然ましろちゃんを鎖で繋いでもらえますか?」
「ハーイ♡」
「きゃ〜ん!」
黒崎の指示に従い、ましろは鎖で大道具の金属板部分によしのを拘束した。
「ハーイ。このようにツンデレましろちゃんによってガッチリ固定されて、天然ましろちゃんは動く事ができません。」
「助けて下さい〜!」
黒崎が解説しながら、鎖が固定されているところを手で確認し、ましろの姿のよしのは助けを求めていた。
「ふっふっふっ……」
よしのの姿のましろは、悪い笑みを浮かべてましろの姿のよしのの周りにカーテンレールについたカーテンを閉め、そのまま後ろに回り込んだ次の瞬間……!
シャッ!
「脱出成功ですぅ!!」
カーテンが開き、中から元気なましろの姿のよしのが飛び出して来て……。
「あれ?何でぇっ!?」
さっきよしのが固定されていた金属板には逆によしのの姿のましろが鎖で拘束されていた。
「ハーイ!天然ましろちゃんとツンデレよしのちゃんが入れ替わってしまいました!」
わああーーーっ!!
黒崎の言葉に観客席から歓声と大きな拍手が沸き起こった。
「いやぁ、特に最後の入れ替えマジック、本当に驚きでましたね!素晴らしいショーをありがとうございました!!」
舞台袖から見ていたので、ああ、そこがそうなるのか……と、タネは分かってしまったのだが、このマジックを素早くこなす為に、よしのとましろがどれだけ練習し、黒崎が指導していたか知っている俺は他に色々言いたい事はあれども、感慨深い思いで称賛の声を上げたのだった……。
✽あとがき✽
読んで下さりありがとうございます!
来週からはクリスマス交流会が終わり悲喜こもごもの成果を噛みしめる生徒会メンバーと、いよいよラストを暗示するようなよしの&ましろのハプニングの話をお届けしていきたいと思います。
今後ともどうかよろしくお願いしますm(_ _)m




