不穏な噂
「これは、他校の風紀委員から小耳に挟んだ情報なんだが、オフレコでお願いできるか?」
「ああ。皆、他言無用で頼むな?」
風紀委員長、上原の神妙な表情で念を押してくるのに俺は同意し、他の生徒会メンバーに視線を送ると、皆、雰囲気を察して神妙な表情でコクコクと頷いてくれた。
「すまんな。学校側にバレると、締め付けが厳しくなるという理由で、皆話したがらないのを何とか聞き出したようでな。いずれは、先生方から話があるかもしれないが……」
上原は重い口調で話し出した。
「今はクリスマスも近いし、人の集まる機会が多い時期だろう?クリスマスイベントを開催した際、合法ハーブを売り付けようとした奴がいたらしくってな」
「「「「「「合法ハーブ?!」」」」」」
俺達生徒会メンバーが目を剥くと、上原は眉間に皺を寄せて頷いた。
「ああ。複数のイベントで確認されていて、数人程の売り手がいるらしい。中には、女生徒を別のイベントに強引に勧誘しようとする事もあったとか……。」
「「ひっ!||||」」
「「怖っ!||||」」
「やり口が悪質ですね……!」
「ああ。許せんな……!」
よしの&ましろ、空&海が青褪め、黒崎と俺が眉を顰め顔を見合わせた。
「今のところは、決定的な被害はないようだが、風紀委員会としても、登下校時の見回りを強化して、クリスマス交流会のイベントでは、全員で厳重に警戒していこうと思う。そちらも、何かあればすぐに知らせてくれ。」
「ああ、分かった。生徒会としても、警戒しておくよ。それと……。」
上原に頼まれ、俺はすぐに了承し、ついでに少し気になっている事を聞いてみた。
「寝取の事なんだが、訊問会以来しばらく姿を見ないのだが、何か問題起こしたりしてないと心配でな……。上原、何か聞いていないか?」
「ああ!寝取の事なら俺も心配していて、あれから、毎日奴の家に様子を見に行っているぞ?」
「毎日?!」
目を剥く俺に、上原は爽やかな笑顔を浮かべた。
「ああ。プリントを届けたり、体がなまるだろうと、柔道の組手の相手になってやったりしている。途中からは、りーちゃん……、ゴホン!//ふ、副委員長の荒木も心配して一緒に来てくれていて、
寝取の奴、「もう来なくていいから、二人でデートでも何でも行ってくれ!」なんて、こちらを気遣うような事も言ってくれるようになったんだ。」
「ほ、ほほぅ……?」
上原は、不良が更生して来た風に考えて頬を綻ばせているだが、寝取の今の
境遇で、付き合い出したばかりの副委員長の荒木との仲を毎日見せ付けられるのが、単純に辛かったんじゃなかろうか……?
「「「「「(うわ〜。御愁傷様 (です)……||||)」」」」」
他の生徒会メンバーの顔を窺うと、皆引き攣り笑いをしていた。
「気遣いは有難いが、今の半端な状態のあいつを放っておいて、それこそ、今問題になっているハーブを売り捌くような連中みたいになってしまうと困るからな。
見回りがてら、家庭訪問は続けようと思うぞ?」
「そそ、そうか……。」
バチンとウインクをして、親指を立てる上原に、逆効果にならなければいいがと不安を抱きつつ、それ以上強くは言えない俺だった……。
*あとがき*
読んで頂きまして、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございます
m(_ _)m
他作品ですが、「8回目の嘘コク」誕生日編のおまけ話を以下のように投稿する予定です。
今日3/25(火)〜3/28(金)
12:00 おまけ話・誕生日編 毎日投稿
ご興味ある方はこちらもお願いします。
今後とも各作品どうかよろしくお願いしますm(_ _)m




