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入れ替わりパニック!!


お互いを指差して、「私がもう一人いる」とパニックになっているよしの(?)とましろ(?)を見て、俺はある一つの仮説が立った俺は彼女達を順番に指差し、恐る恐る事実を告げた。


「あの、二人共、落ち着いて聞いてくれ。今、お前はよしの、お前はましろの外見に俺には見えているんだが…。」


「「!!?」」


 よしの(?)もましろ(?)もその言葉に衝撃を受け、お互い顔を見合わせ、自分の顔、体をペタペタ触り、確認した。


「わ、私がド天然妹の外見?!そ、そう言えば、さっきから、声も変だし、髪に覚えのない三つ編みの編み込みが…身体つきも丸いし、肩がすごく重い…?ハッ。何この大っきいボールみたいなのっ!」


 よしの(?)は信じられないという表情でたぷんっと大きな胸を両手で鷲掴みにした。


「わ、私がましろさんの外見?!そ、そう言えば、さっきから、声も変だし、髪型もツインテールに…身体つきもが直線的だし、肩がすごく軽い…?ハッ。この北海道の大平原を思わせるこのなだらかで可愛らしいものはなんでしょうかっ!」


 ましろ(?)は信じられないという表情で、ぷにっと小さな胸を両手で摘んだ。


 かなり直接的に身体の確認をしている二人から目を逸らし、俺は咳払いをした。


「と、とにかく、二人共今までの自分と違うという自覚があるんだな。よしのに見えているお前は、一体誰だ?」


()()()よ!あんたの元カノ!」


 人差し指を突き付けて問うと、よしのの姿の彼女は、不機嫌そうに腕組みをしてそう叫んだ。


 仮説通りの答えに俺は重々しく頷いた。


「なるほど…! では、ましろに見えているお前は、一体誰だ?」


()()()です!お兄様の妹の…。」


 ましろの姿の彼女は、両手を組み合わせ、おずおずと答えた。


「なるほど…!今、よしのの姿に見えているのはましろ、ましろの姿に見えているのはよしの。つまり、()()()()()()()()()()()()()と、そういう事でいいか…?」


「そういう事…」

「なんでしょうか…?」


 よしの(中身はましろ)とましろ(中身はよしの)はお互いを不安そうに見て、顔を引き攣らせた。


「入れ替わりなんて、アニメや漫画でしか聞いたことがないような現象が、まさか本当に起ころうとはな…!さっき、二人が階段から落ちて、衝突したショックによるものだろうか…。」


 俺は顎に指をかけて目の前の事実を衝撃と共に受け止め、考察していると…。


「衝突…そう言えば、さっきからおでこが痛いと思ったわ。」

「私もですぅ…。」


 二人は前髪をあげ、それぞれに出来たたんこぶを見せ合っていた。


「ハッ。もしかして、もう一度ぶつかれば、元に戻れるんじゃないの?」


「えっ。本当ですか?ひゃっ?!」

「えいっ!」


 よしの(ましろ)の言葉に、ましろ(よしの)は顔を輝かせたが、次の瞬間、勢いをつけたよしの(ましろ)の顔が間近に迫っていた。


 ゴチッ!


「「いったーい!!」」


 再びおでこをぶつけて、二人は痛がって涙目になり、俺は慌ててその間に割って入った。


「おい。大丈夫か!?」


「くうっ。まだ妹のままみたい。コブが増えただけだったわ…。」


「ええ。まだましろさんのままみたいですぅ。」


 2つ目のコブをさすりつつ、残念そうな二人に、俺は呆れて言った。


「まだ、詳しい事が分かってない内に安易にそんな事試すなよ!」


「そんな事言ったって、この状況、どうするのよ!?このままじゃ、私、ド天然妹として過ごさなきゃいけなくなるじゃない!」


「じゃあ、私は、これから、ましろさんとして過ごす事になるのでしょうか…?」


 ……!! ||||||||


 そうだ!キレ気味のよしの(ましろ)と、戸惑うましろ(よしの)の言葉に、俺は蒼白になった。


 入れ替わった事だけでもカオスな状況だが、それ以前の状況が最悪過ぎた。


 俺はNTRビデオレターを送られ、生徒会メンバー、風紀委員を交えた訊問会でそれがAV動画を加工した偽物だった事を暴き、ましろを先生の元へ連行する直前だった…。


 という事は、このままでは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 ピンコン!ピンコン!

「……!!」


 そこへ、携帯にメールの着信音が立て続けに響いた。


『風紀委員で見回ったところに、虎田さんはいませんでした。鷹宮くんはどう?』

『俺らも回ったところに虎田さん見つけられませんでした。会長はどうですか?

 』


 風紀委員と空から連絡が入っており、画面に表示されたメール内容に俺は頭を抱えた。


「ああ、くそっ。どうしたらいいんだ…!」


 ましろが見つかったと連絡すれば、中身がよしのの彼女を引き渡す事になり、ましろの罪をよしのが背負う事になってしまう。


 かと言って、このままという訳にも…。


「お兄様……?」


 クイッ。


()()()??」


 悩む俺の袖を()()()が指で引っ張って来た。


「やっと、今、ぼんやりしていた記憶が全部戻りまして、お兄様が心配している事が分かりました。私にいい考えがありますよ?」


 ツインテールの元カノの姿をした妹は、そう言って天使のような笑顔を見せたのだった。

*あとがき*


読んで頂きまして、本当にありがとうございます

m(_ _)m


入れ替わり後のちびましろ&ちびよしのをイメージしたAIイラストをみてみんに投稿予定ですので、よければご覧下さいね。


今後ともどうかよろしくお願いします。

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