妹(よしの)への愛
その後、二家族合同の宴は盛り上がりまくり、俺とましろ、よしのはその関係を両親達にいじられっ放しだった。
11時を回る頃、やっと宴が終わり、ついさっき、新年にも二家族で初詣に行く約束をして、ましろとましろの両親はハンドルキーパーだった母親に車で家まで送られて行った。
飲み過ぎた父は、一階リビングのソファで寝てしまった。
「全く、凄い騒ぎだったな……」
宴の熱気を冷ますように、自室からベランダに出て、冷たい空気に当たり、ましろ一家が帰って行った方向を見遣り苦笑いしていると……。
「ふふっ。宴、皆さん盛り上がってましたね……」
「よしの……!」
いつの間にか、部屋着に上着を羽織ったよしのもベランダに出ており、サンダルをカコッと言わせて俺の側に寄って来た。
「お父さん達はベロベロだし、ましろはノンアルコールビールで雰囲気酔いしてしまうし介抱が大変でした!」
「ああ。あいつは、本当に危なっかしいよなぁ!」
よしのに言われて、宴の最中に、リンゴジュースと誤ってノンアルコールビールを飲んでしまい、しばらくフラフラしていたましろを思い出し、俺がクックッと笑っていると、よしのがほんの少し頬を膨らませた。
「まぁ、ましろが危ういところもある可愛い妹なのは私も認めますが、妹歴16年の私の事も忘れないで下さいね?」
「よしの! 何言ってるんだ、当たり前だろう。お前は俺の大事な妹で、それから……」
そう言った時、青い瞳を煌めかせて、上目遣いでこちらを見上げてくるよしのがあまりに綺麗で言葉が続かなくなった。
「それから……、何ですか?
ましろはお兄様にキスしました。
私もお兄様にキスしました。
では、お兄様は誰にキスするんでしょうか?」
「……!」
静かに……、だが、真っ直ぐに問いかけてくるよしのに、俺はたじろいだ。
「それは、えーと……」
「それは……?」
俺はよしのから一瞬目を逸らし……、観念して、咳払いした。
「よしの、目を閉じてくれるか……?」
「はい!」
嬉しそうに頬を染めたよしのの頬に手をかけ、俺はゆっくり顔を近付けて行った……。
チュッ。
柔らかな唇の感触と共に、小さなリップ音が響き……。
目を開けると、よしのは恥ずかしそうに目を伏せていた。
その頬は赤く染まっている。
冷えた外気がちょうどよく感じるぐらい体が芯から熱く火照っている。俺の頬も真っ赤になっている事だろう。
「今のは予約な?血が繋がっていないとはいえ、お前とは16年間兄妹だったんだ。いくらうちの両親が緩くとも、世間からは色々言われるだろう。
お前が18になるまで俺を待てるなら、その時に恋人同士になろう。
それまでは今まで通り俺の妹でいてくれるか?」
「はい。いくらでも待てますよ? もう私、16年間も待っているんですから……」
俺の問いかけによしのは輝く笑顔でそう答えたのだった。




