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カギ Sxlosiloj
鍵の製作を多数依頼され、四苦八苦した末になんとか納品した。
数は多かったが形式は一種類のみだったので、短期間ですべて作ることができたのである。
仲介業者に密かに訊いてみたところ、とても偉い立場の方々が近く自国民の心の錠前を開けるのに使うのだそうだ。
どこの国かは知らないが、たった一種類の鍵で心をすべて開けられてしまうなんて、よほど単純な人たちばかりが住んでいるのだろう。
きっとふだんから似たような鍵穴になるよう念入りに整えられているに違いない。
わたしは胸をさすり、当の国の人々を心から憐れんだ。
Fino




