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プロローグ
とある天才が、人体の一部を機械に変える技術を発明した。
その発明によって、人類は異常なほどに発展した。
例えば、視覚が強化されたことによって10km先の物ですら鮮明に見えるようになった。
例えば、感覚を鋭敏にすることで攻撃を察知できたり、逆に鈍くすることで怯まずに戦えるようになった。
例えば、手足を頑丈なものに換装することで簡単に高い攻撃力を手に入れた。
そして、強くなった人類はより大きな発展を求め、他種族の領域を侵略し始めた。
何がそこまで突き動かすのか、人体を改造していない存在はゴミのような扱いを受けた。
戦争が狂わせたのか、はたまた機械化の影響か、その狂気はかつての同族にさえ向けられた。
同族にすら恐れられ、機械化した人類は、別の種族――機械人と呼ばれ化け物扱いされた。
彼らは、国を滅ぼし、略奪の限りを尽くし続け、機械化しない存在を狩り始めた。
そんな戦乱の時代に――一人の旅人がいた。