国有地売却
外国にも資産持ってるらしいですけどこれ売ったら日本はおしまいだ見たいな・・・。
「国有地の話ですけど何とか10兆円分売却しました。借金返済に充てますか?」と聞く部下。
「勿論だ。俺は古い人間だからな。借金は必ず返済するよ」そして国費としてこの10兆円を合わせた60兆円が見せ金として国庫にしまわれているが、そのうち借金の返済に注ぎ込まれる予定であるので国有地の売却で次の予算審議の前に出来るだけ借金を返済しないといけないが。
「節約は出来んのか?今年の予算はかなり悲惨な事になるから増額はなしだぞ」予算は減らさないと約束はしたけど増やす事も出来ないので取り合えず箱モノで作った国有地を売却している。
「あのう。相続で土地分割したんですけどやっぱり金が欲しいので買い取ってもらえませんか」
提示した額は6千万だが我々が売れば8千万円にはなるなと農水省の役人は思った。
「要求通りの値段で買う訳にも行きませんよ?俺ら転売して儲けるつもりなんですから」
「分かっている。だが分け前の計算が面倒なんだ。6千万で買ってくれ。他の不動産屋は足元見て2千万などと値段を付けた奴もいたが柚木さんとこは話が分かるからなぁ」
「柚木さん滝の村で雪に閉じ込められて動けないかなぁ。俺達が代わりに取引するけど」
「6千万じゃ駄目なのか?お前らどうせ直ぐに転売して1億とか儲けるんだろ?相続税廃止したから2千万円が俺の物だ。借金も返済出来るし所得税も支払える。でも借金多いから国の利益は少ないかもな」「分かった。6千万円で買い取ろう」交渉は成立して土地は国の物になった。
そんな土地が関東地方のあちこちに誕生したが、売れないと困るなぁ。
「オリンピックは絶望的だし首都圏の土地価格は暴落してるし買い手も少ないんだよなぁ」
それでも買う日本人はいるがノンビリと1億出しても良いと言う客を待とう。
「あのこの土地売地なんですか?2億出しても良いから家ごと譲ってもらえませんかね?」
この土地の重要性に気付いた顧客が家ごと土地を買い取ろうとやって来たのだ。
「お兄ちゃん達士族のトラウマ家の出身なんですよ。私の代で家潰す訳には行かないので」
従兄妹だから直接相続権はないが売地になったのなら祖父の財産を受け継いだ虎子家の妹たる私の財産でどうとでもなるから、トラウマ家を受け継ぐ気がないなら私が再興する。
2億円を小切手で渡しその場で商談を決めてしまう虎命が本名のこの女の子は請け負った。
「ふふっ。この虎命が受け継ぐんだからトラウマ家を大企業にして見せるわ」と勢い付く。
野心に燃える虎命だが財産の1部である20億円を寄付する事にして実行したのだ。
「このお金は日本全国の恵まれない人に分けてください。虎子姉さんは企業の社長になったから私は家を継ぐ事にして道楽で養護施設に寄付していますが一応プロレスラーです」
仮面の王ゴブリンキラーとして高額なファイトマネーで16歳の若さでチャンピオンになる。
「私の年収30億円ですから。株を含めると3兆円分位はある富豪ですよ」
最も私の財産は祖父が管理しています。生前贈与だと相続税が安くなる時代でしたし。
相続税廃止に踏み切ると知っていたら多分贈与はなかっただろうと思われるのだが・・・。
「虎命さん。感謝する。国有地を売却してるんだが買ってくれるなら誰にでも売るぞ」
「分かりました。公式発表してくだされば買いましょう。政府の土地は貴重ですから」
虎命は取り敢えず自分の邸宅を増やすべく田舎に別荘を建てて村の住人を雇っていた。
そのせいか虎村の人口はこの少子高齢化と過疎化の時代にもめげずに出生率1.8を維持だ。
そして2月1日、国有地の売却は進み100兆円もの国有財産が売られていたのだ。
日本人限定だが日本国籍を持った外国人も国有財産は買えるので森林だけは売らない。
「日本の借金が1085兆円まで激減した。見たかぁ。外国に持ってる資産も引き上げるぞ」
「それは止めといた方が。金利収入とかで日本の貿易が程々を維持してますので。
外国に持ってる資産を売り飛ばせば日本の信用が地に落ち、貿易で負けますよとヘンゲラ。
失業者を無理矢理コネでねじ込み、就職させて貧困層に絶大な人気を得たヘンゲラだ。
的場は失脚させないが、的場が倒れたら総理候補に挙がっているヘンゲラである。
今現在禿山党の議員250名、フサフサ党は90名なので総理に就任する事は可能である。
「的場さん。そろそろ柚木ちゃんを救出に行かないと。そろそろ食料が尽きるでしょうから」
アポニスはヘンゲラを倒して総理の座を手に入れようと考えていたがヘンゲラ派は強い。
まあ的場に借金を全額返済させて日本が豊かになったら的場を倒そうと計画していた。
日本を救った英雄として的場の名は残るだろうが的場の次はこのヘンゲラだ。
「お前らなあ。謀反の相談は本人のいない時にやれよ。俺が4年勤めあげたらヘンゲラさんを後継者に指名するよ。4年勤めあげれば年金も貰えるし財産も出来るだろうからな」
そして柚木を救出する為にヘリを送り込むが柚木はトンネルを掘って自力で脱出してきた。
「雪が溶けるまで救出に来ない予定だったんですか?孤立して見捨てられた司令官の気分ってこういう事言うんですね。まあ犠牲者は0ですけど本気で春になるまで待つ気だったんですか?」
「喜べ。日本の借金が1085兆円にまで減った。お前の努力のおかげだ」と褒める。
「おめでとうございます。私は兎も角部下と村民は苦労したんですよ」何か食べ物寄越せ。
死人は出ていないけど衰弱してる者や栄養失調の者が数百人いるから。
「おおすまん。お前なら自力で脱出できると思ったし15万人をヘリで運ぶ訳には・・・」
「見捨てられて食料が不足し始めたら脱出しない訳に行きません。私見捨てたら日本の名家の協力が得られなくなりますよ?それでも良いんですか?」的場総理に背中向けないようにしよう。
いらなくなったら容赦なく見捨てられそうであるから役に立つ事をアピールしないと。
「的場さん。疲れました。食事を下さい。責任問題の糾弾は今日は止めておきましょう」
この一件で的場総理の支持率は一気に急上昇して28%に上昇して不支持率72%になった。
身内だからって甘やかさないと言う態度が冷酷に見えても好感が持たれたらしい。
「私が悪いのですか?優。車屋から雪上車を買って。道を切り開いて滝の村へ戻るから」
私が中央で指揮を執る限りあんたらを見捨てたりはしないぞと思うが的場さんは血迷ったか?
「御免現場で指揮を執りたいけど、私がいないと的場さんに意見する者がいなくなるから」
「ですねぇ。私も現場に戻りたいですがもう暫く植林部隊で働く事にしましょう」
テイラーとアルタイナは農水省のお役人として残る事にして七瀬は財務省に勤務である。
「財務省はポイントの私物化を認めてくれないんだよ。まあ5億ポイントは稼いだけどな」
しかも七瀬の真似をして国の私物や食料をネット通販で手に入れるようになってしまった。
そして七瀬の部下30名は東京で借りた家賃15万円の借家で共同生活をする事になる。
「借金残り1085兆円。株を売って残り1075兆円と」株が残り5兆円だが国有企業を売りに出して大儲けしようと考えて見せ金60兆円を借金返済にぶっこんだ。
そして借金は1015兆円に減るが、取り敢えず今年分の借金返済は先払いで支払ってしまったので国債を発行する必要はなさそうだがどうせ予算編成は悲惨な事になりそうだ。
「的場総理。うちの企業を公的資金で救ってください」などと言うので手あたり次第株を買う。
「はぁ。我々は北海道に林業部隊を向かわせましょう。軍資金を蓄えないといけませんし」
車屋の株5兆円分を増資により7兆円分に増やし資産を蓄えていたが新たに30兆円分の国債を発行して借金を1045兆円として中小企業の株を買い漁ったのだ。
株を買い占めれば確実に株価が上がるので会社を立て直し優良企業に変えてから売りに出す。
「優さん。リーンさん。北海道の森を間伐して財力を蓄えて。それとさぁ。農業だけど」
林業も落ち着いてきた事だし農業を行わないといけないけど今年の4月までに耕作放棄地を開墾して食料の大幅増産にこぎつけてTPP諸国に売る予定であるのだ。
多分3兆円位は黒字が出るだろうと思われるが、農業は株と違って儲けるのに時間がかかる。
「農家の諸君。我々はTPP諸国に売れば確実に儲けられる。安心して増産に励んで下さい」
柚木は食料自給率70%越えをノルマにした、大増産計画を立ち上げたのだ。
今年の秋ごろには食料の自給率70%を超え、日本の国力を倍増させて農業を復興させる。
「だけど当面はこの下がり切った株を買い叩いて中小企業を救って日本も儲けるんです」
そして北海道の間伐を2月7日攻略した林業部隊は、5千億円を手に入れ農水省の軍資金とすると的場はTPP諸国に泣きついて10兆円無利子で借りて来たので大恥をかいた。
「TPPに泣きついてって。世界第4位の経済大国の誇りはないんですか?」呆れる柚木。
「そんなものは捨てた。これで1035兆円だ。無利子なんだから何時かえしても良い」
金を貸す条件に幾つかの技術を売り渡す約束をさせられたが借金はそのうち返済するのだ。
「困るんですよ。まあ融資に成功して今日の株価は上がりましたけど」
最近財政会改革が上手く行って各省庁はお金がだぶついていたが表向きは貧乏だ。
金があると思われると予算の増額はありえなくなるから皆用心しているがダイエットに励み更に1兆円無駄を削減してガウガウポイントは大繁盛していたが100億もポイントを貯め込まれたので多分換金されたら倒産だろうと思われるが当面は大企業に伸し上がりウハウハだ。
そして疫病の感染者を2名に抑えた日本政府は、経営の立て直しの為採算の合わない事業は売り飛ばし、その金で負債を返済して株価をあげたのだ。
そして2月10日、的場配下の企業は一生懸命負債を返済して早急に負債の半分を叩き返したが流石にそれ以上は返済出来ず、上げ潮に乗った的場政権は苦境に立たされることになったのだ。
停滞前線の予定です。