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16 夜の狩り

”建造物生成/強化”は解放されたが、避難所に入るのは明日の朝に決めた。


まず、避難所近くで魔法矢をぶっぱなす訳には行かないというのが1つ。

ここからは接近戦でちまちまダンジョンを広げていかなくては。



それから、避難所内部なダンジョン化には、人間が居ない場所を狙う必要がある。

店を置くところを見られないようにするためにも、夜間、人々が寝静まった頃に──もっとも、まず間違いなく見張りが巡回しているだろうが──動くのが1番だ。


今日中に中に入って1度抜けだすことも考えたが、避難所内の大量の人の目とスキルのことを考慮して明日にした。



(ステータスのおかげでちょっとの徹夜なら大丈夫。問題は暗闇で見える目と静かな移動と攻撃…………【夜目】と【隠密】あたりか?装備も一新する必要があるな)



避難所の人間が外で活動するとしたら、それは食料と資材の調達かモンスター退治だ。



念の為、彼らが求めるものは何もなさそうな小さな一軒家に潜り込んで雨をしのぎ、夜を待つ。


道中建てた”迷宮倉庫”に本屋に放置されていた大量の漫画や小説が入っているため、暇つぶしは簡単だ。



「【迷宮管理】、侵入警報Ⅰ。召喚、イリエウサギ×10、何か近づいてきたら起こしてくれ」



異変が起こったのは明方の頃だった。


電気をつけていた家は少なく、暗闇の中で明かりが漏れていればかなり目立つ。

暗くなってきたので電気は消して、完全に日が落ちるまで仮眠をとることにした。



「【夜目】、【隠密】、【危機察知】」



【探知】だけ残して、残りを夜戦モードに切り替える。

起きたら【危機察知】を【暗殺術】に変えて動くつもりだ。






【探知】にも【危機察知】にも、侵入警報にも反応がないまま寝ていた。

起きてスマホを起動すると、時刻は23時26分。


5月の日の出、日の入りがそれぞれ5時頃と18時半頃だから、その真ん中くらい?いい時間だ。



「【暗殺術】」



既に倉庫に送った『無限弓』の代わりに100万程度の『闇魔鉄の忍び刀』を買って腰に吊るす。

近接戦用に持ってきた『魔黒鋼の剣』と軍服一式を倉庫に保管し、『忍びの装束』を購入。



着るとテンションが上がる。

闇によく溶ける黒だった。



「よし……行こう」



忍者刀を抜いて、くるくると弄ぶ。

隠密を使い、闇夜に溶け込んだ。


雨は既に止んでいた。






夜。

それは魔物の世界である。

夜にしか姿を表さないモンスターがいる。

夜にだけ人を襲うものがいる。



【夜目】は、”暗くても見える”スキルでは無い。

”暗いとより見える”スキルだ。

【夜目】の類を持たずとも、デフォルトで夜目が効くモンスターは多いらしい。


それに対して人間は夜も見える目を持たないので、夜間は引き篭もるのが、はやくも一般常識になっている。


この短期間でそこまで周知されているということは、色々なところで被害があったのだろう。


それこそ、夜間の避難所にモンスターが襲撃したとか。


塀に囲まれた建物ならともかく、オープンな防災公園なんかだと十分に有り得てしまう話だ。



夜目が効くモンスターと言っても昼間以上に見えるわけでもなければ、こちらには【探知】がある為、高確率で先手を取れる。


【隠密】でそっと近づいて、【暗殺術】で最適な攻撃を加える。

狙うのはだいたい首だ。

口を抑えて喉を掻っ切るか、ステータス任せの握力で握りつぶす。



ダンジョン化の為に何度も往復するのは面倒だが、万一のことを考えるとここで眷属召喚は避けたい。


既に、避難所の小学校が視認できるほどの距離まで近づいているのだ。


斥候系職業の探知範囲に入らないとも限らないし、眷属軍団から逃げるモンスターが避難所に向かったら目も当てられない。




「─────ィ!!」




1m程のヤモリのモンスターの首をへし折り、死亡と同時に倉庫へ転送。

倉庫内の死体は勝手に売却されないが、食肉にするには新鮮なうちに適切な処理をしないといけない。

そんな余裕は無いので、今回は全部売却だ。


できる限り血を出さないように殺しているのに、食べれるモンスターだからと血抜きを試みるなんて狂気の沙汰だからな。



【探知】で捉えたモンスターを、1匹ずつ、静かに処理していく。

屋内で寝ているモンスターもいるし、昼には見ないモンスターもわんさかいる。


昼の間はどこに隠れていたのか疑問に感じるほどに。

日中は、モンスターが一匹もいないブロックが4つに1つくらいはある。

今はそれがない。



《モンスターの発生は、モンスター同士の生殖と魔法儀式による召喚、魔素凝集による自然発生の3つに分類されます。また、魔素凝集によって発生した低位のモンスターは、生息地の環境変化に耐えきれず消滅する場合があります》



そもそも”魔素”っていう存在が地球にダンジョンとモンスターをもたらしたんだったな、ログによると。


要するに、どっかから流れてきた魔素が地球に溜まって、そいつらがモンスターになっていると。

モンスターはダンジョン内に発生しないのなら、周辺のモンスター発生率が上がるのだろうか?


これはおいおい検証、だな。例えばの話だが、日本の9割をダンジョン化すれば残る1割に10倍のモンスターが発生するかもしれないのだ。



《海中、海上、空中にもモンスターは発生します》


(ダンジョン領空は?)


《発生します》



はい、懸念事項がひとつ増えました……。



どうしようか…………

飛行型モンスターを召喚して配置する?

死体が落ちたらどうするんだ。結界とか?


コストが心配だな……



「キギッ……!」



背後から近づいて首を狩る。


今はそれの繰り返しだ。





さっさと無双するお話を書きたい。あと、もうちょっとサクサク進めたい……

とりあえず、今日はもう1回投稿すると思います。


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