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12/24

12 人間の配下が増えました

「ほう……侵略とは穏やかでないのう。一体どういうことかな?」


「服従か排斥か選べ……ということですね」



ヤバい、コイツらが思ったより強かったから謎の虚勢を張ろうとしている。



「ほぉぉぉぉぉ……へぇぇぇぇ……」



そして逆効果だった。



「それはやはり、儂らの抵抗も考えに入れておるんじゃろうな?」



御影泰介が首筋を掻くフリして手を持ち上げた。

懐に匕首忍ばせてるの分かってるからね。


【剣術】を【体術】に変更。

ステータスを信じれば遅れをとることは無いだろう。

80万に比べれば数千数万程度、誤差でしかない。



「勿論。そういった諸々の()()含め、全て想定していますよ」



そうじゃない!



「ほーん、誤差のー、ふーん……」



じいさんが語彙力を失うまでにキレていた。


さすがにちょっと言い過ぎだわ。


しかし何故歯向かう……あ、あ、メリットの話をし忘れてた!



「……俺に服従した際のメリット、聞きますか?」



こめかみをピクピクさせ眼を血走らせる正三老人を押し退けて、平静を保っていそうな綾子おばあちゃんが「聞かせてちょうだい」と仰った。天使。



「モンスターの突然の発生をなくします。ダンジョン化含めて」



ピク、と眉を上げて正三老人が大人しくなる。

若干殺気立っていた他の面々も、半信半疑ながら殺気をおさめてくれた。



「電気や水道、ガスが途絶えても風呂、トイレ、冷蔵庫、キッチンが使えるようになります」


「…………」


「物資の購入もできますよ。食料もね」



今のところ、俺が購入して配布するしかないのが面倒だが。


おそるおそる、慎吾が聞いた。



「……それが、本当だという証拠を見せていただきたい……と言ったら?」


「全て見せろと?」



ダンジョン化前に使えるのはショップだけだ。



「それから、先程言った全ては俺の一存で解除も出来ますので。俺の善性に賭けて配下になりますか?それとも、ダメ元で戦いますか?」



さあ、もう答えは決まっているだろう。

戦うという選択肢は無い。だろう?



武力で勝る相手との交渉だ。


苦肉の策だが様子見で服従。

何かあれば立ち向かおう、何かあれば逃げようとでも考えていることだろう。



だが、1度俺の恩恵を受け入れたが最後、彼等は俺に依存する。


さあ、言え!


服従すると!



明日には俺のダンジョンなしでは生きていけない体にしてやろう。



「……分かりました、黒木様。降伏いたします」


「はい、了解」



誰も異論を挟まなかった。



その後、しばらく色んな話を──どうやって生き延びたとか、どんなモンスターがいたかとか──して、だいぶ時間が経ってしまった。


話を切り上げて部屋を出ると、地上のモンスターを殲滅したのなら、と皆も一緒に上へ上がることに。



「あら、ホントに居ないわね」


「道場にものすごく強い鬼が居ませんでしたか?」


「覚えてないけど、全部死んでるはず」



ホントか!と狂喜乱舞し、刀を取りに行くんじゃーと走り出したジジイに刀1本遥香さんの部屋に置いてきたぞって教えてやった。


そのタイミングでダンジョンを攻略した、と報告が来たので、牧野、御影一家の面々に少し待っているよう伝えてスケルトンたちを呼び戻した。



「うおっ!?なんじゃ!」



事前に言っておいたにもかかわらず、驚きを隠せない様子だった。

多分、200体ものスケルトンが整然と整列し一糸乱れぬ動きで進んでくるからだろう。

ジェネラルの統率のなせる技である。



「ご苦労。ジェネラル、戦闘職の者を率いてこの人達と家を守れ。その他生産職の者は着いてこい。帰還する」



ピシッと敬礼するジェネラルの後から5体のスケルトンが進んできた。

この部隊にはスケルトンが30体ほど居たはずだから、生産職の割合は6分の1か?

他も見てみないと分からないが、思ったより低くなさそうで安心だ。



「とりあえずいくらか食料を置いていく」



ショップで肉、野菜、米、うどんなどを、余裕を持たせて100食分ほど購入した。

11人だから3日は持つだろう。



「それから、一応クーラーボックスと氷な」


「何から何までありがとうございます」


「後々利子付きで返してもらうから大丈夫」



うーん、見てる限りだとやはり不安が拭えないようだ。


まぁこの辺りは一朝一夕で変わるようなものじゃないから、じっくり見極めて貰えばいと思う。


こちらも危険人物、不穏分子の見極めが必要だが、俺の方はいずれ解放される各種機能や魔法が助けとなってくれるだろう。



「じゃ、俺はこれで。また来るよ」



錆びたフライパンを持つ”料理人”、鍬を担いだ”農夫”、何も持っていない”錬金術士”、小さなハンマーを持った”鍛冶師”にラッパを振り回す”演奏家”のスケルトンを連れて、家に戻った。



(ラッパ、吹けるのか……?)



スケルトンのスカスカの胸腔と密着性の低そうな歯を見ながらそんなことを思うと、



「プォッ」



自信満々な出来ますアピール。


なんだかあるはずもない表情が分かるようになってきた気がしてステータスを見ると、【意思疎通】がⅣに上がっていた。




読んでくださって有難うございます!

あと、ブクマと評価ま有難うございます!

おかげさまで日間ローファンタジーの5位になってました(°口°๑)

\\\マジ\( °Д° )/感\(°Д°  )/謝///



とりあえずいつもの。

「ブクマ、評価お願いします!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 今のところこの作品で一番の癒しはスケルトンではなかろうか(錯乱
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