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第55話「ぶつかり合う意思」

 あれから数日、魔王には残念なことだが王はアリスの行動に心を打たれたのか無事生還した兵士たちの告発で動き出した国民により王の座を失い捕まった。


 アリー、ラリー、マーチ、リルの四人は変わらずそれぞれの店で働いている。


 そして魔王は照明のついた玉座の間で木刀を持ったアリスと向かい合っていた。二人から数メートル離れたところでメイは息を切らしながら大の字に倒れている。


「来い! 」


「はああああああ! 」


 魔王の言葉を合図にアリスが駆け出し右斜め上から木刀を振るう。魔王はそれを防ぐべく木刀を軌道に差し込む。


 カァン! という音とともに彼女の攻撃は防がれた。しかし、彼女はめげることもなく方角を変えて左横から斬り込もうとする。


 カァン!


 再び木刀がぶつかり彼女の攻撃が防がれる。


「頭が隙だらけだぞ『ウィンド』! 」


 魔王が片手を隙だらけの彼女の頭に翳して魔法を放つ。それを見た彼女はニヤリと笑いながら片手を翳した。


「『プロテクト』」


 彼女の透明な盾の魔法により魔王の呪文は防がれる。


「ほう」


 それをみた魔王は感嘆の声を漏らす。彼が自らのアリスの王への復讐という試みが失敗したにも関わらずこうして彼女と戦っているのには理由があった。

 彼は王への復讐でも彼女に一線を越えさせることができないということには頭を悩ませたが新たな楽しみを見出したのだ。


 もっと強くなれ、勇者の娘よ。魔王は木刀を強く握る。


 そう、彼は驚くべきことに彼女自身をいつか自分と並ぶ実力にまで育て上げようとしているのである。限界まで成長した彼女と本気で剣を交える。それが今の彼の望みであった。


「はあっ! 」


 魔王は力を込めるとアリスの木刀を掃い返した。


「今度はこちらからいくぞ! 」


 その言葉を合図に魔王は木刀を振るった。左横から彼女の身体目掛けて木刀を振るう。アリスはそれに見事対応し、一撃を防ぐべく木刀を振るった。


 カァン!


 二人の木刀が再びぶつかり音を奏でた。





これにて完結にしたいと思います。ここまでご覧くださり本当にありがとうございました!

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