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地元のそんなに大きく無いお祭りなので、ある程度歩き回ると全体を見ることができた。
「ここが最後!なんか気になった屋台ある?」
「うーん…、オススメは?」
「えっとね、結構並んでたけど、クロワッサンたい焼きとかどう?」
「食べたことない」
「サナ的に超オススメだよ、行こ!」
またもサナちゃんに先導してもらう。
やはり、彼女はよくこういうお祭りに来ているんだなと思う。
2〜3種類、屋台を回ってお腹も膨れて来た。
「次、アトラクション系の屋台行こうか」
「アトラクション?」
「射的とかくじ引きとか、金魚すくいとか」
「へぇ〜」
「確か、階段の途中にすごく面白そうなやつあった気がする」
サナちゃんには階段を駆け出した。
が、サナちゃんは大きく転倒してしまった。
「いったぁ……」
サナちゃんは階段に蹲っている。
「だ、大丈夫?」
サナちゃんの前に回りこむ。
「膝…、すごい血が出てる。鼻緒も切れちゃってる…」
「はしゃぎすぎちゃった」
へへへ…、と苦笑いしているけど、相当痛そうだ。
階段は石でできているし、膝の傷もズタズタだろうと思う。
「一旦、休めるところに行こう」
サナちゃんに肩を貸そうとしていると、
「あれ〜、カヅキちゃんじゃん…、と、お友だち?」
「た、高木先輩」
助かった。いくら小柄なサナちゃんでも、女子の力では移動させるのは骨が折れるだろう。
「あれ?船の子じゃん」
後ろから、タダノ先輩が現れた。
「お兄ちゃん!?」
「佐奈!?お前、ケガ…」
驚いた。
サナちゃんの名字を知らなかったということもあるけど、兄妹だったとは…
「タダノ先輩、サナちゃんと兄妹だったんですね…」
「そうそう。ってか、その状態じゃ祭りどころじゃないな。俺、家まで連れて帰るわ」
「ごめんね、香月ちゃん」
申し訳なさそうにサナちゃんが言う。
「いいよ。確かに寂しいけど、足、凄いことになってるもん」
「また、連絡するね」
タダノ先輩におんぶされて、サナちゃんは帰っていった。




