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「趣味…、ではない。作りたくないし。どちらかというと、仕事かな?義務でやってる」
「義務?さっぱり分からないです」
「うん。そういうこと」
先輩が異次元すぎて、私には分からない…。
あと10隻くらい残っている真っ白な船を見る。
本当に精巧な作りだし、紙製とは思えない。
「先輩、これ、一個ください」
「え?これ?いや、欲しいなら、もっとちゃんとした色紙とかで作るよ」
「白がいいです。それに、水に浮かないと意味がないので」
「え?…、まあ、これがいいなら別にいいけど」
「ありがとうございます」
1隻をそっとかばんにしまう。
「俺が言うのもなんだけど、かづきちゃんって変わってるよね」
「ほんと、心外です」
先輩に対して失礼かな、とは思ったけど、私は紙飛行機を公園で飛ばしたり、
紙の船を川に流したりしない。
プールに勝手に入って泳いだりもしない。
いたって真面目な優等生だ。
先輩の発言にちょっとムッとしていた時だった。
「お~い、高木~!船、終わった?」
下流の方から、青年が大量の紙の船が入った袋を担いで走ってきた。
「あ、ごめん。まだあった」
「なんだよ、流れてこなくなったから来て見れば、
女の子とよろしくやってんじゃねーか!!!」
「いや、ごめんって」
「てか、お前、なんでびしょびしょなの?」
「あ、ああ…、この子に転ばされた」
先輩は私を指差す。
本当に心外である。勝手にびっくりして転んだくせに。
「君が?高木を?やるね~」
とたんにニヤニヤし始める。
ああ、やっぱり先輩のお友達だ。
類は友を呼ぶって。




