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世間は狭いとはよく言われるが、まさかまたも会うとは思わなかった。
通りかかった公園で、小さい子たちがわいわいやっている中、
一人だけ明らかに等身が違うやつがいる。
日差しを浴びて、ただでさえ明るくて目立つ頭髪がさらに眩しく輝いていた。
そいつは大きい滑り台のてっぺんから、紙飛行機を飛ばしていた。
それを捕まえようと小さい子達が右往左往している。
子供たちの両親がこれを見たら、怒られるんじゃないだろうか。
目に紙飛行機の先端が当たるかもしれないとか、
こんなに走り回らせたらぶつかっちゃうでしょとか、
高校生が小学生と何してるの?とか…
現代では受け入れられない光景だと思う。
しかも、高木先輩はお世辞でも優等生とはいえない。
ハッキリ言って不良なんだと思う。
子供が苦手で、あまり懐いてももらえない私からすると
少し、羨ましく、妬ましく思えた。
足に根が張ったかのように立ち尽くし、ボーっと子供たちと戯れる先輩を見ていた。
なんとなく、先輩が私に気づいた気がした。
「おーーーい!かーづーきーちゃーーーん」
馬鹿でかい声で、滑り台の上から手を振ってくる。
なんで私ってわかったんだろう。
やっぱり野生なのかしら…、と戸惑いつつ、控えめに手を振っておいた。
「あのオネーサンだれー?カノジョー?」
周りにいた子供たちが一斉にこちらに注目する。逃げたい。
「リンタローカノジョいんのー?」「ケッコン!ケッコン!」
「はいはい、ケッコン、ケッコン。お前は、ユリちゃんと結婚できるように頑張れよ」
高木先輩がニヤニヤと、一番はやし立てていた男の子をからかった。
「うるせー!好きじゃない!!」
男の子はムキになって喚いている。
顔が真っ赤になっているところを見ると、ユリちゃんが好きなんだろう。
甘酸っぱいなぁ、とすこし懐かしい気持ちになった。




