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そして始まった夏休み。
全然ありがたくはない。
家に居場所はないし、図書館に行くにしても勉強する気にはならない。
どこに行こうかな…
「かづ〜、ちょっとオツカイ頼まれてくれない?」
お母さんが部屋に聞こえる声で一階から呼んでいる。
正直めんどくさいし、暑い外に出たくはないけど、することもないし…
「何買うといい?」
「あら、行ってくれるの?えーっと、お豆腐とネギと…、トマトでしょ?あと…」
「メモ書いて」
「そうよね、それが早いわ」
「帰りにアイス買ってもいい?」
「…、アイス代も入れとくわね」
「うん。じゃ、行ってくる」
よろしくね、と母はメモとお金を渡すと、キッチンの方は駆けて行ってしまった。
きっと、今日は父が早く帰ってくるのだろう。
新しい父は仕事が忙しいらしく、あまり早く帰宅できないようだ。
父が早く帰る日は、母が張り切ってご飯を作る。
とても不本意だけど、本気の母の料理が食べれるのはすごくありがたい。
ひとまず、早く家を出ないと永遠に出れない気がしたから、サンダルをつっかけて外に出た。
ジワジワとアスファルトから熱気が漂っていて、今すぐにでも涼しい室内に戻りたい。
アイスを買うことだけを目標にスーパーへ向かった。




