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「ナツマツリ?」
「そう!夏祭り!!」
夏休みももう目前まで迫っている、蒸し暑い朝に隣の席のサナちゃんがはしゃいだ声で提案してきた。
「クラスの中で行ける子同士で集まろうってなってるの」
「行ける子同士…」
「行けるよね?」
「…、考えとくね」
「それ、行かないやつだよね!?行こうよ~!!」
蝉時雨に負けんばかりの声を張り上げる。
甲高いそれはとても耳に刺さった。
ちょっとうんざりしてしまう。
そもそも、クラスに溶け込めてない子を誘うなんて、サナちゃんもなかなかの強者だ。
周りの子もさぞかし迷惑するだろう。
だから、私は行かないことにしよう。
「屋台があってね、近くの小学校の子が出し物もするんだよ~!
去年は最後に大きい花火が…」
「こら!そこ!自習とはいえ授業中だからね」
「あっ…、すみません」
どうやら隣のクラスまで声が響いていたようだ。
うちのクラスは自習中だけど、隣は絶賛授業中のようで、先生が注意しに来た。
私のせいではないけれど、謝るサナちゃんにあわせて、少しだけ頭を下げた。
目立ちたくなかったのに…、言わんこっちゃない。
そこで憎めないのが彼女なのだけれども。
「だから、絶対来てね。一緒に浴衣着よう?」
少し声を潜めたサナちゃんが、めげずに声をかけてくる。
テキトーにあしらって、ひとまず、二度と怒られないようにしておいた。




