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「そういう、君はどうなの?なんか、俺ばかり一方的に知られてて不公平なんだけど」


「目立たないように、普通に、が私のモットーなので」


「名前は?」


「井上 香月です」



「カズキちゃん?なんか男っぽい名前」


「思っていること全部を相手に伝えることは必ずしもよいことではないと思います。

香りに空の月でカヅキです」


「あ、ああ…、そういうことか」




「ちゃんとかわいい名前ですから」


「その、カヅキちゃんは、ピアノかなんかやってたの?」


「まぁ…、中学くらいまでは。才能がないと思って止めちゃいましたけど」


「才能ね…」


「一緒に通ってた子が…、親友なんですけど、とっても上手で…、

それを見て止めちゃいました。

そのきっかけになったのが、人形の夢と目覚めなんです」


「その子には弾けて、カヅキちゃんには弾けなかった」


「ええ、まあ…。今思えば、あの程度のつまずきで、

どうして辞めちゃったんだろうって思います」




「その時のカヅキちゃんには凄く辛かったんじゃない?

弾きたかったらまた始めればいいんじゃないの」


「先輩はなんでも簡単そうに言いますよね」


「簡単なことじゃない?」


なんでこんなこと、この先輩に言ってしまったんだろう。

簡単なこと…、なんだと思う。

でも、やめてしまった手前、戻ることが恥ずかしい。

自分でももどかしくなるくらい、変なところでプライドが邪魔しているのかもしれない。



「掃除、終わってないんで」


すくっと立ち上がり、軽くスカートのほこりを払うと、私はゴミ箱を持って歩き始めた。

また、クラシックの鼻歌が後ろで再開されるのを聞きながら、私は"日常"に戻っていった。



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