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教室の前までくると、丁度先生が教室から出てくるところだった。
「あ、先生っ」
「あぁ、井上さん。体調良くなった?次の授業からは出られるかしら?」
「え?あ、はい。次の授業からは出ます」
「そう。無理しないでね」
そう言って微笑むと、前の授業担当の先生は横を通り過ぎていった。
私がプールに入っていたことはバレていないんだろうか?
「3-A、高木くん。今すぐ、生徒指導室、太田まで来なさい」
校内放送で生徒が呼び出されている。
聞き慣れたその名前。
高木 倫太郎。
ほぼ毎日、校内放送で呼び出されている気がする。
今思えば、私がさっきまで一緒にいた先輩は、高木倫太郎なのではないだろうか?
だとすれば、放送の数だけ彼は問題行動をしていたことになる。
よく停学にならないな、と不本意ながら感心せざるを得なかった。
あの先輩、高木先輩は今頃、どこに行って何をしてるんだろうか?




