第8話 「王都入り」
ひとまず戦闘面で心配はなくなり本体が移動するのにも体力があるので困らなくなった。いきなり何者かに襲われてもまず問題ないだろう。なので、次に人類と魔族の問題を片付ける事にした。チート能力でもあれば1人で魔族を殲滅して終わりなんだが、あの変な言葉使いの管理者は俺に戦闘面での能力は寄越さなかったので他の冒険者を育てるしか選択肢がない。戦闘能力を与えなかった事を考慮すると魔族討伐自体は、管理者の満足の内容とは無関係かもしれない。だが人類が滅んでは満足という答えが達成出来なくなり詰む可能性の方があるので、やはり対処しておくほうが安全だろう。
自分の身を守るため冒険者となり強さを手に入れたが、その最中に実際に出会った冒険者は生活するだけに狩りをしている者がほとんどで、魔族と戦う戦力にはならない。だが、条件を整えれば強くなって魔族と戦えるような冒険者は沢山居た。今は冒険者とは無関係な職業をしている者にも、冒険者として活躍できる素質を持った奴も居るかもしれない。それを考慮すると強制的な大改革が必要になってくる。
翌朝になり、朝目覚めるとアーリアスはそこに居なかった。また、枕の横には手紙が置かれていた。内容としては、昨日の話と同じで、アーリアスは前線で頑張るので、俺には政治を頑張ってほしいという内容だった。同じ部屋で眠って顔を合わせるのが恥ずかしかったんだろうな。
「さて、まずは王都に行くとするか」
宿を出ると王都の門に向かい歩き始める。王都は大きな壁で囲んであり、その壁の外に5つの都市が存在する。そして各都市に最も近い壁に通行用の門があり、合計5箇所存在する。
門まで移動したので、近くにいる守衛に話しかける。
「王都の通行証を発行してほしいんだが頼めるか?」
「通行証の発行はそれぞれの職業を管理してる場所でしか発行できないぞ」
「そうなのか。冒険者だと冒険者ギルドに行けばいいのか?」
「そういうことだ」
往復するのが面倒だが、仕方がない。
俺は再度セロガルトへ戻り、冒険者ギルドで王都の通行証の発行を頼んだ。
「冒険者はランクによって金額が決まっているのでブレスレットを見せて貰えるか」
俺は手に着けたダイヤモンドランクのブレスレットをギルド職員に見せた。
「よし、ダイヤモンドランクのブレスレットを確認した。ダイヤモンドの通行料は100万ペラだ」
俺は百万ペラをギルド職員に手渡した。
「百万ペラだ。確認してくれ」
ギルド職員は若干変な顔をしたが、俺は気づかないフリをした。ギルド職員は黙って金額を確認しだした。
この世界のお金は最低が一ペラという紙幣で、百ペラ、千ペラ、一万ペラ、五十万ペラ、百万ペラで紙幣が変わる。俺は一万ペラ紙幣を多く持っていてかさばって邪魔だったので、あえて一万ペラを百枚出した。
「うむ。丁度百万ペラを確認した。今通行証を発行するのでしばらく待っていてくれ」
しばらく待つと、ギルド職員がやってきて通行証を渡された。これで王都に入る事が出来る。俺は再度、門へ向かった。
「通行証を持ってきたぞ」
さっきの守衛に通行証を渡し、守衛が通行証を確認した。
「よし、通っていいぞ」
通行証を返してもらい、やっと王都へ入る事が出来た。五つの街の中枢というだけあって、建物や人々の賑わいの違いが一目で分った。人の往来が激しく、色々な店が所狭しと並んでいる。
「入ったはいいものの、王都の事は一切何も分からないからな。とりあえず、王都の政治形態や人物関係を調べるか。政治を行う側を受ける側では状況や考えが違うかもしれないし住民の状況を先に調べるとするか」
今は昼時でお腹も空いてくる時間なので、食事のできる所を探した。情報集めを後回しにした訳では無い。王都の一般人は基本は弁当や自宅で食事をするはず。逆に、お金を持っているであろう国の中心に近い人物や、あちこち移動しなければならない仕事をしてる人は外で食事をするだろう。なので情報も手に入るかもしれない。まぁ行けば分かるか。