第5話 俺と灰色の魔王の鬼ごっこ!? 前編
皆さんいよいよ第5話です
しっかりと楽しめる内容になってると思いますのでしっかり楽しんでいってください。
それでははじまり
俺は今、魔王に追われている。
「うぉぉ〜こっちに来るんじゃねぇぇ〜」
とそう叫びながら全力で逃げていた。
遡ること30分前…
俺とルーエは精霊の街ニームファーを目指して森の中を歩いていた。
「なあ、ルーエ」
「なんでしょうか?ご主人様」
「精霊の街ってどんなところかな? イメージでは自然豊かな感じの街だと思っているんだが。」
「そうですね 私も行ったことがないのでわからないですが、知識としてあるのはとても綺麗な所で精霊たちは木の上で暮らしているとのことです。」
「へぇ〜そうなのか ちょっと楽しみだな。」
俺は内心とてもワクワクしていた。
何を隠そう俺は生前、こういう精霊やら妖精やらのファンタジー物が大好きで本を買い漁ってたぐらいだ。
しかし、そのせいで妹の世話が疎かになってしまい妹の月奈に怒られてさっぱりと封印していたのだ。あの時の月奈の顔といったらそれはもう言葉では表現出来ないくらい恐ろしかった…
「ご主人様!? 大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?休憩致しましょうか?」
「い、いや大丈夫 も、問題ないよ」
「本当に大丈夫ですか?無理しないでくださいね。
それはそうと、ご主人様 見えて来ましたよ。あれが精霊の街です‼」
ルーエが指を指した先にはとても大きな木々たちが連なっておりその上には確かに家やら木と木を繋ぐ橋が見えていてそれは俺の思った通りとても現代では見ることの出来ない幻想的な光景だった。
「すごいな あれが精霊の街かぁ〜やっぱり自然豊かなだな〜 いやもうあれは自然と共に生きてるって言っても過言じゃあない気がするな。」
「ええ そうですね〜とっても素敵なところです。」
「じゃあそろそろ行こうか。」
そう言って俺らは10分ぐらい歩き、精霊の街ニームファーの門まで来た。するとそこには門番の人なのか一人の女性がいた
「あらあら ようこそニームファーへ。
今日はなにの目的でこの街へ?」
その人は店長にとても似ている方だった。それも双子と言ってもいいくらいに似ていた。
だから俺は言ってしまった
「店長?」と
「あら?あなたは? それに、私は店長?じゃあ無いわよ?
私は、セーニャ・キニスよ。セーニャと呼んでね。」
セーニャさんはそう言うと俺の頭を撫でた。
「す、すみません 人違いでした。
俺はあなたによく似てる人にあったことがあったので間違えました。」
俺は人違いだと知ってセーニャさんにすぐに誤った。しかしセーニャさんは頬に手を当てて
「あらら?あなたは女の子でしょう?そんな乱暴な言葉遣いをしたらダメじゃない」
と俺に向かって良い笑顔でそう言った。
「いや、これであってますよ」
と俺はすかさずセーニャさんに言った。
その瞬間、セーニャさんが纏っていたのんびりとしたオーラが消え伏せた。
そして、獲物を見つけた魔王ような笑顔で俺にこう言った。
「あらあら、聞こえなかったかしら?
女の子がそんな言葉遣いしたらダメと言ったのよ? 直さないなら私が矯正してあげましょうか?」
俺はそれを聞いた瞬間、ルーエの手を掴み脱兎の如く元来た道を全速力で駆け抜けた。
「ご主人様?どうして逃げているのですか?」
「あの人に捕まったら俺はヤられる‼
だから俺は全速力であの人から逃げる。だからルーエは俺を守ってくれ」
「了解です つまりはご主人様を脅かすあの者を止めればいいんですね 簡単なことです」
そう言ってルーエはセーニャさんに突っ込んでいった。
「あらあら、邪魔をしないで貰えるかしら?
私はあの子兎ちゃんを捕まえるのに忙しいの、だから気絶してて」
セーニャさんがそう言うと向かっていったルーエは何をされたのか気絶した。
「えっ? ルーエ!?」
俺はあまりの出来事に思考を止めてしまった。
そしてセーニャさんがこちらを見た瞬間、もう1度、駆け抜けた。
そして冒頭に戻るのであった。
皆さんいかがだったでしょうか?
存分に楽しんでくれましたか?
この第5話と第6話で鬼ごっこがはじまり、終わるところまで持っていきます。
主人公はどうなっちゃうんでしょ?
次回もお楽しみに〜
さてここらで締めさせていただきます
ありがとうございました。
作者 水月鏡花