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中卒の俺がいつの間にか精霊に!?  作者: 水月 鏡花
二章 精霊の神玉
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三十五話 セラと海と太陽の神玉

「皆さん、どうもありがとうございました。皆様のおかげで石化が解けました」


「いえいえ、私たちの知りたい情報も教えてもらったし、お互い様です」


まさか精霊の神玉の事実がこんなにも大きなことだとは思わなかったしね。それにしてもそれなら搭の頂上にあるとされている神玉はいったい何があるんだろ? 精霊の神玉は三つ集めないと復活しないらしいし、もしかしたら月の神玉が頂上にあるのかもしれないね。


でもそうなると私たちは向こうの世界に帰らないといけなくなる…… つまり、月奈とまたお別れになるのかな……


「セラさん、私たちは精霊の神玉を探しているんです…… それでサラに話を聞いたんですけど分かれてしまった神玉を三つ集めないといけないらしくて……」


「つまり、皆さんにはこの海神の神玉が必要なんですね? それならどうぞもっていってください」


セラさんはあっさりと許可を出してくれた。


「で、でもセラさんはこれが無いと力が制御できないんじゃ……」


「いえ、なんだか石化が解除されてから力を制御できるようになっていたんです‼ だから持っていっても大丈夫ですよ?」


「本当ですか‼ ありがとうございます‼ それと、サラ、理恵の事なんだけど……」


「大丈夫よ、今、魚たちを呼んで運んできてもらってるから」


サラがそういうとドアがバンッと音が立てて開いて理恵が入ってきた。


「月‼ 月奈と雪奈も大丈夫ですか‼」


「「理恵‼」」


ああ、理恵だ…… 本当に良かった…… そう思うと自然と涙が出てきた。


「ああ、理恵、理恵‼」


私は思わず理恵に抱き着いた。


理恵の体は少し濡れていたがとっても暖かかった……


「月、私は約束しましたよ…… あなたと一緒にいるって」


「うん、うん‼」


私が理恵に抱き着いていると、向こう側でサラとセラと月奈と雪奈の四人で円になって話していた。

ここからは何をしゃべっているのか聞こえないけど多分、これからのことだよね……多分。


「でも本当に良かったよ。これからもよろしくね。理恵」


「はい、私のご主人は月、あなたなんですからね。それに月は一人で突っ込む癖があるからしんぱいですしね」


「……そんなに子供じゃないし」


私は頬を膨らませて理恵にそう言うと理恵は笑顔で私の頭をなでてきた。

絶対子供扱いしてる……


「おーい? そろそろ終わった?」


しばらくなでられていると月奈がこっちに来た。


「……終わったよ、月奈たちはみんなで何をしゃべっていたの?」


「ああ~ ちょっとした世間話とこれからどうすればいいかをアドバイスをもらったよ。それと理恵もお帰り、最初はびっくりしたけど帰ってきて嬉しいよ」


「はい、月奈たちにも心配かけましたね」


「うん、でもちゃんと約束守ったから許してあげる」


「……お母さん、海神の神玉をもらってきたよ…… それと精霊界の行き方を聞いてきた……」


「え? ということは向こうの世界にいけるの?」


「うん、太陽の神玉と海神の神玉を使ったら向こうの世界につなげれるみたい」


「そうなんだ…… それじゃあ、月奈やお父さんたちともお別れ?」


それなら悲しいけど仕方ないよね。月奈にも無理させるわけにもいけないからね


「私なら大丈夫だよ‼ セラさんが神機を作ってくれたんだ~ 私は昔から剣術を習ってたから刀にしてもらったけどほら‼」


月奈はそう言って一つの刀を私に渡してきた。

鞘から抜いてみるととてもきれいな刀身でわずかだけどセラさんとサラの魔力を感じた。


「すごいね、これなら確かに大丈夫そうだね。それに月奈は武術だと私よりもはるかに強いもんね。でもお父さんたちに許可はもらわないと」


「ええ~ うう~ 許可してくれる気がしないよ~」


「でもこればっかりはしっかりしとかないと、じゃないとお父さんたちを悲しませちゃうし」


私がそういうとあんまり納得はしてないけど一応わかってくれた。


「それじゃあ、二人にもいろいろ教えてもらったり月奈の刀をもらったりといろいろお世話になりました。本当にありがとうございました」


「いいのよ。私もいろいろしちゃったみたいだし、それの償いと考えてくれたらいいわよ」


「サラの言う通りこっちもいろいろ迷惑かけちゃったみたいだし、あんまり気にしないで? それとすべてがおわったらもう一度遊びに来て? そのときはおもてなしさせてもらうから」


私たちは二人にお礼を言って海底神殿を後にした……




「行っちゃったわね……」


「本当ね。でも面白い子ばっかりだったわね」


「それにしてもサラは気が付いた?」


「ええ、あの子もそうだけどあの方がいるなんてね、それに理恵っていう子もとんでもない存在だったわ」


「そうね、でもあの方がいたってことは世代は交代したのかな? でも先代も多分生きているんでしょうね。でも大変な時期に交代しちゃったみたいね。 世界はあの子たちにかかってるのね」


「そうね、私たちも来るべき時に備えとかないといけないわね。それにしてもセラはもう大丈夫なの? 急に力を制御できるようになったみたいだし、神玉も渡していたし」


「大丈夫だよ。それにあの方は精霊たちにも聖霊にも好かれている…… あの方がいるだけで私の力が強化されたもの。でもあの方はあいつらにも好かれているみたい……あの方は光と闇を司っているからしょうがないんだけどね。今回はそれがとても強いみたい」


「でも、あの子がもうそばにいたわよ? それにほかの子たちもそれぞれ守る手段を持っていたし、だから案外どうにかなるんじゃない?」


「そうね、でもあの方に呼ばれたときにいつでも行けれるようにしないとね。というわけでお姉ちゃん、すこし訓練手伝ってね?」


「別にいいけど、あなた私よりも武術強いじゃない……」


海底のそこでは二つの影が重なっていた……

そして魚たちはそのふたつの影をいつまでも見守っていた


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