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中卒の俺がいつの間にか精霊に!?  作者: 水月 鏡花
二章 精霊の神玉
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三十二話 海底探索にレッツゴー 中編

私たちは今、尾道と向島を挟んでいる海、瀬戸内海に来ていた。


「よし、何とかバレずにこれたね。みんなは準備おっけ?」


「はい、私は大丈夫です。いつでも行けますよ」


「私も大丈夫。とりあえずは雪奈ちゃんと一緒にいるね」


「……うん、私も月奈といる」


二人はそう言って手をつないでいた。私はうなづいてからみんなに魔法をかけるために魔法陣をみんなを包み込むように展開して唱えた。


「エンチャント 水中呼吸レスピレイション‼」


私がそう唱えると地面に展開していた魔法陣が光り始めて、私たちを包み込んだ。


「これで水中でも呼吸ができるようになったはずだよ」


私がみんなにそう伝えようとみんなの方向を見てみると、月奈がすでに海に顔を付けて確かめていた。

……やっぱり一番行動が早いのは月奈なんだね…… 月奈らしいや。


「おお~‼ すごい‼ 本当に海の中で呼吸ができるよ‼ まるで人魚にでもなったみたい」


月奈は普段では絶対に経験できないことを体験しているためかテンションがものすごく上がっていた。

もう大人だと思っていたけどまだ子供っぽいところは抜けないのかな?


「ふふ」


なんだかそう考えるとかわいいなって思ったのとおかしくなったのが相まって気づいたら笑っていた。


「お姉ちゃん? どうしたの?」


「いや? なんでもないよ。 ただうれしかったんだ」


「うん? 何が?」


「ふふ、月奈には秘密だよ~」


私が笑いながらそう言うと月奈は頬を膨らませてしまった。

昔から月奈ははぶてたり、気に入らないことがあったら頬を膨らませる癖があった。


私は一度死んでしまったからもう見れないと思ったけど、改めて見れてなんだか心の中がポカポカしていた。


「よし、それじゃあ、濡れないように円形のバリアを張るからこっちに来てね」


そうして私は最後の確認とみんなの体にバリアを張った。


「よし、準備完了だね‼ それじゃあ、海底探索にレッツゴー‼」


私たちはその言葉を合図に海に飛び込んだ。


海に入り、まず私の目に飛び込んできたのは優雅に泳ぐ魚たちだった…… それはまるで水中の中でダンスでも踊っているかのように群れ一体で泳ぎ、さまざまな魚がいた。


「うわぁ~ すごいや、まさかこんな光景が見れるなんて…… 全く想像してなかったよ」


「本当ですね、もう夜ですし、魚たちも寝ているだろうと思っていたのですが…… どうやら外れたみたいですね」


「でも本当にすごいね‼ まず、お姉ちゃんたちがいないと海の中に入れないし、海の中に入るとべたべたするからあんまり好きじゃなかったけど、海ってこんなにもきれいなんだね」


「……海、きれい、……びっくりした」


みんな圧巻の景色に圧倒されていた。でも本当にすごい景色だった。まさか自分の故郷の海がこんなにもすごい景色を持っているなんて夢にも思わなかったな。


じっくり観察しているとこの景色のすごさがよくわかる。


あらゆる種類の魚たち、ゆらゆらと風にあおられるように動く海草たち。月の光を反射してまるで星屑のようにきらめいている海の砂。 どれをとってもこれ以上にないくらい美しいものだった。


「でもなんで前見た時とはこんなにも景色が違うんだろ? お姉ちゃんがお兄ちゃんの時、一緒に泳いだけどこんなにきれいじゃなかったよ? ごみとかも流れてたしね。 でも今は全くない…… どうしてだろ?」


月奈の言う通り、私がまだ男だったころにみたこの海は、海は汚れ、ごみは流れて、魚たちの姿もあんまり見なかった。


私たちはきれいなところで泳いでたからいっぱい魚がいるところを見たことがあったけどこんなにはすごくはなかった。


「もしかしたらですけど、本当に何かがあるのかもしれないですね、海の者たちを守る何かが」


理恵は手を当てながらそう言っているけどでも足はもう海の底についてしまっている。これ以上探すとなっても深いところでこれだからあんまり見当たりそうにないんだけどな。


そう考えていると突然‼


キィ――――ン‼


頭の中に甲高い音が流れていった。その音の大きさに思わず私は耳をふさいで頭を抱えた。

ちらっとみんなのほうも見てみたけど同じように頭を抱えていた。


「うぅ~ いったい何が起きたの? ものすごい音が鳴ったけど……」


「わかりません、ですが何かが起こったのはたし、か、です……」


「うん? どうしたの理恵?」


理恵の話し声が途中で止まったから変に思って理恵のほうを振り返ってみると理恵の顔が青ざめていた……


「どうしたの‼ 顔が真っ青だよ‼」


私が理恵につかみかかってそう言うと、理恵がガバッと私の肩をつかんだ。


「やばいです‼ なんであの魚がここに…… 来ます‼」


理恵がそう叫ぶと突然、魚の群れがこっちに向かってきた‼


「なに‼ いったい何が起きてるの!?」


「月‼ 月奈と雪奈をつかみなさい‼」


もう何が何だかわからなかったけど理恵の言う通りに私の後ろにいた月奈と雪奈を抱いた。


その次の瞬間‼ 私たちの目の前に現れたのは絶対にありえないものだった‼


「あ、あれは‼ なんでこんなところにいるの‼」


そう、私たちの目の前に現れたのはとんでもない大きさのサメの大群だった。


「おかしいでしょ‼ なんでサメがいるの‼」


「お、お姉ちゃん、大丈夫?」


「……お母さん、震えてる」


私は抱いている二人にそう言われて自分の体を見てみると、手が、体が震えていた。

それは私があいつら、海のハンターと呼ばれるサメに恐怖していた印だった……


私は震える体を気合で止めて、理恵に指示を仰いだ。


「理恵‼ 私たちはどうしたらいいの‼」


「月は二人を絶対に離さないでください。 あれに襲われて離れてしまうとまずいです……」


私は理恵の言葉によりいっそう二人を強く抱きしめた。


そして、理恵は魔法の演唱を始めた。

しかし、サメたちは理恵が演唱を始めたと同時に群れ全体で円を描くように動き始めた。


「い、いったい、何をする気なの?」


私は理恵が助けてくれる…… そんな考えでいた。

そして、サメたちはそんな考えをあざ笑った。


サメたちは円を描くことでまるで竜巻のような渦を引き起こした。

まるでおもちゃで遊ぶように簡単に……


砂嵐のように巻き散る砂利に理恵の演唱が止まった。

そして、私の耳に、脳に残ったのは


「「いやぁぁぁぁ‼」」


叫ぶ私と月奈の声とバクッという音と、真っ赤な血だった……      


今日はここまでです……

理恵もといルーエはどうなってしまうのか……


そして現れる謎の城

そして、月もといルーナに芽生える新たな感情


次回 海底探索にレッツゴー 後編 現れる謎の城と月たちの行方


お楽しみに‼



なんてバカみたいな次回予告をした後に出る作者です

さてと今回の話は衝撃展開になってしまいました。


自分でもなぜこうなったのかわかりません。

おのれ‼ サメめ‼ ゆるさんぞ貴様ら‼


まあ次回予告した通り次回から展開が動くので楽しみにしていてください


今回も長文となりましたが以上作者でした


水月 鏡花


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