第二十九話 昔の逸話と未知なる領域
尾道には、こんな逸話がある。
尾道にある千光寺山には通称、玉の岩といわれる場所がある。
そこには以前、光り輝く玉があったそうな。
その球は船乗りたちが海の航海で道に迷わないように道しるべとして使わていた。
しかし、その光り輝く玉を売ってお金にしようとある盗人たちが現れた。
その盗人たちは夜中にその光り輝く玉を袋に入れて盗んだ。
そして、船に乗せて尾道を出るだけまではうまくいった。
しかし、盗人たちが乗ってきた船は小舟で石を乗せたとき、船が耐え切れずに、
海の底に消えてしまったそうな。
そして、光り輝く玉を失った漁師や船乗りたちは夜に帰ってくる目印がなくなったために夜に海に出るのをやめたそうな。
光り輝く玉があった場所にはポンポンと音が鳴る岩が置かれた。
いつしか、地元の人にはポンポン岩として親しみを持たれるようになったそうな
そして、光り輝く玉は今でも海の底に沈んでいる…
「お姉ちゃん、この話はここで終わってるよ。でもこの話になにか前の生物が関係あるの?」
私にも実際関係があるかはわからなかったけど月奈に自分の考えを話した。
「うーん、関係があるかはわからないけど、理恵がここに来た時にかすかに精霊の気配を感じたらしいの。」
理恵に聞いたところ、精霊の気配がしたのは月奈だけじゃあないらしい。もしも本当に精霊の神玉がここにあるとして、
名前的にも精霊にとって大切なものらしいし、人目に付く場所にあれば気配を強く感じることができると思う。
それなのに薄くしか感じれなかったのは多分、どこか遠くにあるということだと思う、そしてこの町はそんなに大きくないから場所はある程度搾れる。
そして、ここの山々の標高はそんなに高くない、だから可能性があるのは、海の底に沈んでいるから少ししか気配を感じることしかできないとしたら…
すこし強引かもしれないけど、一応の可能性として月奈に話してみた。
「どれくらい理恵さんがその気配を感じたのかわからないけど、一つの可能性としてはおかしくないと思うよ」
月奈もどこか強引な考えだけどありえない話ではないと考えているらしい。
「でも、もし本当に海にあったとしてどうやって探しに行くの?」
「それは今考えてるとこ。でも魔法でどうにかできないかなって思ってる。」
魔法の中には一応普段では活動できないところでも活動できるようにする魔法もある。
その魔法を使えば海の中でも探索できると思う。
そのことを月奈に伝えた。
「へぇ、そんな魔法があるんだ。 探しに行くときは理恵さんたちも一緒に行かないとわからないけど大丈夫なの?」
「一応、私も精霊の気配を感じることができるけど、理恵みたいにはっきりと感じ取れるわけではないから一緒についてきてもらうと思ってるよ」
「それにこっちに来るときに不思議な球と一緒に来たからそれがいったい何なのかもしたいしね。」
確か、雪奈があの玉を持っていたはずだから本当に関係あるなら何個か精霊の神玉に関係するものがあるということになるから、さらにややこしくなる。
「理恵たちと海を探索して本当に海に何かあるとしたら気配が近くなると思うんだ。
だからいろいろ作戦を立ててみんなで海の底を探索しようと思うの、月奈は手伝ってくれる?」
月奈にそう言うと月奈は強くうなづいて
「もちろん、手伝うよ」と言ってくれた。
私たちは海の中の探索をどうやってするのか作戦を立てるために雪奈と理恵を呼んだ。
これから、私たちが探索するのは人間でも完全に踏み入れていない未知の領域、
もしかしたら、前みたいに危険みたいなことがあるかもしれない、それでも私はルティの約束を守るためために歩むのをやめない。