第28話 助けたいものと守りたいもの 後編
ルティがいなくなって、月が目を覚ました。
「お姉ちゃん、ルティさんはいなくなっちゃたんだね。」
月奈は顔を伏せてそう言った。
「うん、ルティは私を助けてくれた人なんだ。ルティがいなかったら、私はみんなに会えなかった。」
私は月奈に今の思いを話した。
「だからこそ、ルティの約束を果たしたいんだ。」
私が月奈にそう言うと月奈はうなづいてこういった。
「うん、私の中にもルティさんの思いが流れてきてるよ。」
「そして、ルティさんはその助ける力を私にくれた。
だから私はこの力を使ってお姉ちゃんの助けになりたい。」
月奈がこぶしを握りながらそう言ってくれた。
「うん、ありがとう。月奈」
私がそういうと頭の中で一つの魔法の使い方が浮かんだ。
その魔法は月奈の協力がないと完成しない魔法だった。
「月奈、今私が使える魔法の中であの生物に打ち勝つ魔法があるの。
でも、それを放つには月奈の協力が必要なの。」
私が月奈にそう言うと月奈はうなづいてくれた。
「お姉ちゃんの魔法があれば、あの生物をどうにかできるんだね?
なら私は、お姉ちゃんの言うとおりにするよ。」
「月奈、これから何が起きてもびっくりしないでね。」
私はそう言って月奈の手を握った。
これは、ルティが最後に結界をはってあの生物を止めてくれている、
今が最後のチャンス、失敗するわけにはいけない。
私はそう自分に言い聞かせて魔法を唱えた。
「我は、ノクティス。月と夜を司る精霊、
聖なる夜を脅かすものを打ち滅ぼすものなり」
私がそう唱えると私たちの手が赤く光りだした。
そして、長い演唱を終えてその魔法の名前を叫んだ。
「ウルティムム・ユーディキウム」
唱え終えた魔法は朱き光となって謎の生物に一直線に飛んで行った。
魔法が当たると生物は叫びながら塵と化し消えてしまった。
「お姉ちゃん、やったんだね‼」
月奈がそう言って喜んでいる。
「うん、これで終わったよ。月奈もありがとう」
私がそういうと、周りも色を取り戻していき、時間も再び動き出した。
「本当に、元に戻った。」
私の体は限界だったらしく、その場に座り込んでしまった。
私は、歩けなかったので月奈の肩を借りながら、みんなのところまで戻った。
みんなは私たちに何があったのか聞いてきたからあった出来事を話した。
話した途端、理恵と雪奈とお母さんに抱きしめられて、お父さんに頭をさすられた。
そして、私たちは荷物を持って家に帰ったのであった。
私たちには、これからもいろいろな事が起こると思うけど、
しっかり頑張るからルティも見ていてね。
本当に私を救ってくれて、みんなと会わせてくれてありがとう。
これからも、主人公の世界を救うための物語は続いていく。
これにてこの小説も完結です。
なんてことは言いません‼
これからもこの作品は続きますのでよろしくお願いします。
何で最終回ぽくしたかはここで一区切りつけたかっただけですので
ご了承ください。
作者 水月 鏡花