第26話 狂い始めた歯車
人間は自分たちに理解できない出来事を恐れている。
だからこそ、人はみな科学で解明しようとするのだ。
そして、証明できなかったものを人はこういうのだ。
奇跡だと。
私たちは、家族みんなで出かけていた。
そしてそれは何事も終わらずに済むはずだった。
突如、世界が動きを止めた。
あたりの人々は石の如く動きをとめ、
世界は灰色の世界と化した。
「いったい何が起こったの?」
私は、自分たちに何が起こったのか、理解できていなかった。
周りを見渡すと私以外の人たちが、止まっていた。
空も雲も動物も人間もすべて。
私は重くなった体を動かし、
誰か残っていないか探した。
「誰か、いませんか?」
私が声をかけると、後ろから声がした。
「うぅ~いったい何が起こったの?」
声の人物は月奈だった。
「あれ?お姉ちゃん。
これはいったい何があったの?」
月奈は周りを見渡しながら、私に聞いてきた。
「ごめんね、私も何が起こったのか、わからないの」
「そう、お姉ちゃんにもわからないんだ。
お母さんたちも止まってる。」
月奈がそう言ってお母さんたちに軽く触った。
「なんで、私たちだけなんだろ?」
月奈が不安そうに聞いてきた。
月奈の言う通り今動けているのは私たちだけみたいだ。
理恵や雪奈も止まっているから向こうの世界の人物とか限定では無さそうだ。
「とりあえず、ここにいても何が起こったのかわからないから、
周りを探索してみようか…」
私たちは、何があっても対応できるように、手を繋いで行動した。
「お姉ちゃん、今度はいなくなったりしないよね?」
月奈は前みたいなことが起きないか心配そうにしていた。
だから私は、月奈も手を強く握ってこう言った。
「大丈夫、絶対に離れたりしないよ。
だから、月奈も私から離れていかないでね。」
私たちは小指を結び合って約束しあった。
「これから先、何があっても私たちは一緒だよ。」
私たちがそう言った時、突如、黒い影みたいな物が現れた。
「あれは一体なに?」
私がそう言うとその物体は私たちに向かって来た。
「やばい、こっちに来た!!」
私は月奈の手を急いで取ると、走って逃げた。
「お姉ちゃん!! あれは一体なんなの?
これからどうするの?」
月奈にそう言われ、細い路地に入って私は考えた。
「月奈、これから言うことをよく聞いて」
月奈にそう言うと月奈は真剣な顔をしてうなづいた。
「私はこれから、魔法を使ってあの変な生き物を追い払ってみる。
月奈は巻き込まれないように離れてて。」
「でも、離れすぎるともしもの時が困るから、
できるだけ手の届く場所にいてね。」
「それと、本当に危なくなったらなりふり構わず逃げてね。
大丈夫、どこにいてもお姉ちゃんがちゃんと見つけてあげるから。」
月奈にそう言うと月奈はうなづいてこう言った。
「わかった、お姉ちゃんの言う通りにする。
でも、気をつけてね。」
私たちはお互いに約束をして、
それぞれ、行動を開始した。
さて、26話いかがだったでしょうか?
今回からは少しこれからのための話に入っていきます。
なので次回からもよろしくお願いします。
もし、お時間あれば評価、ブクマの方もよろしくお願いします。
それと、ここ二日間は書きだめをするため更新はお休みさせてもらいます。
休んでばかりですいません
書きだめができたらまた更新を再開するのでよろしくお願いします
長文になりましたがこれからもどうぞよろしくお願いします。
作者 水月 鏡花