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「BACK SIDE ENDLESS FIRE.」  作者: 高橋。
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4.

田所のこと、腹が減ったとかくらいの頃合いでのそのそと起きるだろう事を信じ、リビングの田所のパソコンを立ち上げ、シランチョウ、知らん超、知らん顔と、頭に訳もなく浮かべ、紫蘭町ととりあえず決め、5-12-5とネットの地図で検索してみた。こちら律岸市から隣県の浜の方の町だった。ピンポイントで出て来たので、他に、シラン、姿乱、紫蘭としとく事にし、明日にでも田所の容態が安定していたら出向いて何の事なのか、やたらと強い勘があり確かめてみたいという強い想いが湧き、17年前に故郷を離れ失踪という形をとった自分は17年前のある日の夜以前の記憶が頭から完全に消えてしまっており、自分に何か重要な事柄を含むことが田所の狂気状態に舞い降り、田所が発したのだと思ってしまう。自分の勘は記憶を失くした以降からの話しになるが、良く当たり、危機を回避、ちょとしたことにせよ、良く働き、自分が今こうして当たり前に生活出来ている根であることに間違いは無い。紫蘭町、現在無職とさせて貰っている暇に、自分の勘のみを頼りに、何らかの自分の極端に記憶が消失した今迄触れないでいた、触れようにも頭は唯、白紙、その白紙から色が溢れ出そうとしている切っ掛けの始まりのような予感があり、自宅アパートも全焼し、物理的にではあるが全て無くなり、そんなタイミングで亡き母からの手紙、まだ母からの手紙は開かないで、とりあえず紫蘭町に向かうことに決め、田所を眺めた。いびきは相変わらずだが、寝顔がやたら穏やかで安心した。腹が減ってる事に気付き、冷蔵庫を開けてみると焼きそば用の蒸し麺があり、あった4分の1くらいのキャベツを全部ザク切りにして、フライパンをして食べた。気付けば、まともな食事をしたのは3日振り位で急に食欲に火がつき、冷蔵庫内のかまぼこ、サラミ、薩摩揚げ、ロースハムなど火を通さないで食べれるものは殆ど食べてしまっていた。焼酎をと思ったが、暫くはいいと思い、自室に戻り、また母からの手紙を眺めた。封筒裏の母の字を見ても、記憶が消えてしまってからの少しの母との思い出もこれというものも無く懐かしいとは思えず、読んでも全く響くことの無い自分が居るように感じ、開かないでいた。きっと母が自身の余命を知ってからの手紙であることは角鳥の少しの話しで容易に想像がつく。記憶がもし蘇ることがあったり、読まなければならない時は必ず自分に来るような気がする。その時に読めばいいのだと思った。夜になった。布団に横になり、眼を瞑りまた林の炎上を頭に呼び起こす。快く、いつの間にか眠りに落ちていた。


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