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黒い闇に病みながら・・・  作者: ゼーロウ高地の邪苦笑ゴブリン
1/1

本文最初記載。

たぶん面白くないです(笑)

よければどうぞ読んでください。訪問ありがとうございます。

Ep1-Stigma-スティグマ‐


「さっ・・・ご飯出来たよ~♪祥真くん。」


可愛い足音がする。だが、俺は今それどころではない。


愚か、聞く余裕さえも持てないのだ。

そう。俺は頑丈な拘束具で身動きが取れない。

なぜ、こうなったかは、ただ仲がいいだけで、恋愛感情なんてさらさらない女の子と一緒に歩いていただ

けなのに、魅有はかなり嫉妬したのだ。


「今日は許してあげる。でも・・・次、他の女の子と歩いていたら、どうなるかわからないからね・・・?」


などと、さっきまでキラキラと輝いていた、見事に吸い込まれそうな瞳は、瞬間に消え去り、漆黒の闇をまとった夜が、目のうちに存在した。

怖いてもんじゃない。行き過ぎな程に激しい嫉妬と、独占欲とが互いに強調しあい、表現し難いのだ。


それで、俺は拘束具をつけられた。

監視と誰の手にも触れないようにと。

それが続き三日になる。だが、暇ってわけじゃない。


魅有が四六時中付いてくれるから。

苦痛ではなにのだが・・・、やたら俺にべたべたくっついてくる。

俺は身動きが出来ないから、なすがままなのだけれど。


そして、もう夕食時。お腹空いたというと、俺の好きなものを作ってくれるらしい。

慌ただしい足音。

魅有は楽しそうに二人分のご飯を装っている。

拘束具がなければ、ただの幼馴染との夕食。


ふう・・・考えても無駄か。


魅有は、小学校からの幼馴染である。一人教室の隅で読書にふけっていた。

誰も立ち入ることが許されぬ雰囲気を纏ってたから、誰も彼女に話す者はいなかった。


読書してて楽しいのだろうか。俺はそう思いながら、魅有を半ば好奇心気味に見ていた。・・・もしかしたら彼女に一目惚れしたのかもしれない。


放課後。僕が先生に職員室に呼ばれて、帰りが遅くなってしまった。


ランドセルを取って、早々と帰ろう。

教室のドアを開ける。・・・?あれ、確かあの子・・・。

確か、いつも読書してる子だよな。何してるんだろう。


「ねえ、何してるの?」


その子は、いきなり話かけられたものだから、飛び上がった。


「ひうっ!?何ですか!?私に用件でも!?」


小学生なのに、流暢な敬語を使ってる。家系がいいのかな。


「あっ、いや。ただ一人で何してるのかなーってさ。」

「あっ、えと、何でもありません!」


すっと、何かを後ろに隠した。

その子・・・えと・・・。魅有さん?だったかな。・・・は、早々と何かをランドセルに直し、逃げるように、教室を出て行った。

なんだったんだろう。そういえば、初めて話しかけたな。


彼女はメガネを掛けていた。文学少女って感じだった。

僕はモヤモヤとした気持ちを無理に押し込み、教室を出た。


翌日。彼女はいつもと同じように、近寄りがたい雰囲気を出していた。

彼女と話してみたいが、なかなか話すきっかけがない。

さすがに邪魔するわけにもいかないし。


授業中に、どうにか話すきっかけを作る方法を考えていた。

なかなか思いつかないまま、いつの間にか、放課後。


僕は普段行かない図書室に、ふと行ってみたくなった。

何故だろうか。全くわからない。

足が勝手に動く感じがした。


図書室につき、一通り見渡すと、あっ・・・、あの子がいた。


その姿は、昔から図書室に住んでいるのではにいかと錯覚してしまう程に、マッチしていた。妖艶だった。


もしかしたら、この子を探すために?仲良くなりたいために?無意識?

相変わらず理由は不明瞭だった。


「あの時の・・・。えと・・・。」


「祥真です。よろしく。」

思わず僕はその子へ握手を求めていた。

いつもクラスで、見るのに初めてな感じだった。


「あっ、祥真くん?よろしくです。」

彼女は恐る恐る手を伸ばし握手した。

「君って本が好きなんだね。」

「あっはい!本を読むと、現実で起きないことが、起こるし、主人公になれるし、楽しいです。」


本の話をしてる彼女はとても楽しそうだ。

僕もつい、笑みがこぼれた。


「あの、祥真くんは本読みますか?」

「本?あまり読まないなー・・・。」

「そうですか・・・。」


かなり残念そうな顔をしている。おっと、彼女の悲しい顔は見たくないな。何とかしなきゃ。


「タメでいいよ。敬語だとさ。なんかよそよそしいというか・・・。」

「えっ?この前まで他人でしたよ?」

彼女がふふっと笑った。確かに。


「でも、仲良くなった印に・・・。」

だんだん言葉が小さくなる。


「わかった。タメで話すね。うーん・・・タメは慣れないなー・・・」

赤面しながら、タメで話す彼女はとても可愛かった。

初めて彼女の顔をまじまじと見た。


正直、彼女の美しさに、目を奪われた。

髪で前の方を隠しているが、前髪を上げたら、かなりの美少女なんじゃないだろうか?


そして、彼女と時を忘れ、何時間も話をした。


いつの間にか、もう、下校時刻になっていた。


彼女とは、帰る方向が違ったので、校門で別れた。

いつの間にやら降っていた雨の音を聞きながら、明日も逢えたらいいな・・・。


・・・その想いが、雨に静かにかき消されていった。


翌日。彼女は、相変わらず本を読んでいた。

何故だか、教室にいるときは、彼女に話かけづらい。


だから放課後に話そうと思った。

今日も自然と図書室に足が赴いた。


今日はいるだろうか?

扉を開ける。見渡す。・・・が、いない。


今日は珍しいな。仕方ないので、図書室を後にした。

と、思ったら、図書室から、少し歩いた所に彼女はいた。


渡り廊下から見える景色をぼんやり眺めていた。

遠く地平線に沈む夕日をただただ眺めている。


少し、躊躇った。今、話しかけていいのか。

だが、僕の思いとは、裏腹に、足は自然と動いていた。


「えと・・・魅有さん・・・?」

ふと、振り向いた姿は、とても優しく、けれど、とても儚い表情を浮かべていた。

僕は言葉を失う。あまりに美しく、そして、あまりにも悲しかったからだ。


「えっ?ああ!祥真くん?」

さっきの表情は、遠く沈みゆく夕日と共に、見えなくなり、代わりにいつもの可愛らしい笑顔が戻ってきた。


「何してたの?」


「あっ、いや。ただ夕日を見てただけ。沈みゆく世界の終りのね。」

彼女は意味深なことを言った。

僕は面食らってしまった。


「え・・・」


彼女は慌てて、我に返る。


「えっ・・・あっ、ごめん。何でもないよ。」

彼女は苦笑する。


その日から彼女は変わった。

初めて会ったときより、随分明るくなった。


教室でも話しかけられるようになった。

彼女が、かなりの変貌を遂げたので、クラスメイトも最初は戸惑いを露わにしていたが、段々とそれが、普通になっていった。


俺に対しても、かなり干渉してくるようになった。


俺がトイレに行こうとすると。


「祥真くんのこと心配だから。」

と・・・トイレまで付いてくる。

さすがに中までは来なかったが、トイレ付近で待っていることもしばしば。


俺が女の子と話をしていると。


「ダーメ。祥真くんは私がいれば十分。他の女と一緒なんて・・・汚れる。」


「えっ、何かいった・・・?」


「ううん。何でも。」

と、ごまかしを含む笑みを浮かべる。

果ては、俺の家によく遊びにくることだろうか。


土日は、ほとんど僕ん家によく遊びにくることだろうか。

まあ・・・、傍から見れば、美少女と、二人屋根の下。なんて・・・、シチュエーションを羨ましがると思うが、そんな現実は甘くなかった。


或る日の夕方。僕が外から帰ってくると、僕はある異変に気付く。


玄関のドアが開いていた。

確かに、僕はドアを閉めたはず・・・。何で・・・。


泥棒でも、入られたか、それとも・・・。


僕は高鳴る鼓動を何とか鎮め、玄関にあったバットを持ち、ゆっくりとリビングに向かう。

リビングで人影が見えた。今のうちに泥棒を捕まえよう。


そう決心し、リビングの扉をゆっくりと開ける。

・・・だが、予想外に、僕は相手を知っていた。


「魅有・・・?何しているんだ?」


俺は、何とか平常心を保ち、リビングの床にぺたんと座る魅有に問う。

だが、返事はない。長い沈黙の後にすっと魅有が、口を開く。


「ねえ・・・祥真くん。怒らないから・・・ね?ちゃんと答えて・・・?次の質問にね?」


俺はわけがわからなかった。


「ちょ、おま・・・」


「一番目、祥真くんと一緒に歩いてた子って誰・・・?」


・・・。俺は思わず、黙り込む。なぜなら、さっき俺と買い物に行った子だったからだ。何故知っている?


「だから、なんで・・・。」

「いいから!答えて!!」


魅有は、怒っているようで、聞く耳を持たない。

ここは、何を言っても無駄だろう。俺は正直に答えることにした。


「えっと、あの子は、僕の友達だ。友達に誕生日プレゼントをあげたいって。相談に乗ってあげたんだ。だから、買い物に付き合ってた。


だが、魅有は、俺の顔すら見ない。無効を向いたままなので、表情が窺えない。


「ふ~ん。それで、何もなかった・・・でいいんだよね?」

その質問を言い切った後、魅有は、俺のほうを向いた。


その瞳はどこまでも黒く、どこまでも深かった。


「えっと・・・その・・・。」


手には、くしゃくしゃの写真と、カッターナイフ。俺は殺されるんじゃないかという恐怖に襲われた。


「ちゃんと、答えて。私のこと、どう思うの?好き?大好き?嫌い?大嫌い?」

俺は真面目に答えることにする。


「好きだよ。初めて会った時からずっと。」

俺はこの時、後悔した。彼女の本当の恐ろしさを知らなかったからだ。


「えっ・・・、そっ・・・そうなんだ・・・。ふふっ嬉しいな!」

瞬間、魅有は、いつも通りに戻った。さっきの不快な圧迫感は何だったんだろう・・・。


「私も、好きだよ?祥真くんと同じくね?」

だが、この時俺は知らなかった。魅有の本当に【好き】という意味を。


魅有が、僕の胸元に飛び込んでくる。

とてもいい香りがする。柑橘系の爽やかな香りが鼻腔をくすぐる。


「あっそうだ。その手に持ってるのって・・・カッターと写真だよな?」


「えっ・・・?あはは。何でもないの。」

魅有は、苦笑いを浮かべる。


「そうか・・・。ならいいが。」


俺は、あまり追及するのはよくないと思い、これ以上聞くのをやめた。


「それと、何で僕ん家にいるんだ?鍵は閉めたと思うが。」

「ああ・・・。そうそう。実はね、合鍵作ったんだ。時々来てご飯とか作ってあげるね。」


にこっと人懐っこい笑顔になる。


いや、ちょっと待て・・・。いつの間にそんなものを・・・?


魅有は至って普通に言ってるが、下手すればストーカーじゃないのか?


「ちょっと待て。いくらなんでも合鍵は・・・」

と言い終わろうとする前に、魅有は立つ。


「いいの!いいのー!!あっ、お腹空いたでしょ?何か作るね。」

と、ごまかすようにその場を立ち去る。


初めてなんで長くなりました・・・。汗

読みにくかったらごめんなさい・・・。


本文最後記載。

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