回顧
第4話 回顧
今の俺が俺であるのはいろんな出会いがあったからだと確信している。居場所がないってのは寂しいもんで、逆に居場所があるのは甘える環境があるから気持ちに余裕を持てたりする。俺には暖かい家族やおじちゃん、友達、彼女たくさん居場所があったから今の自分がいるし、いろんな彼女と付き合うたびに考え方もたくさん変わった。残酷な話だが彼女とは結婚するまでの練習台だと思っている。いきなり女の子と結婚してもうまくいくはずないし、付き合って別れた後に自分の悪かったところを反省し、それを生かして次の女の子と付き合ってと、反省の繰り返しで最後は幸せな結婚生活を送れればいいなと思っている。中学なんてテキトーな付き合いばっかしてたけど、高校はいろんなタイプの女の子と付き合った。
高校での最初の子はクラスも違うし、部活も違うがテニス部で隣のコートにいたし、可愛いと評判があったので知っていた、部活の友達でクラスが同じやつがいて知り合うきっかけもあり、付き合うこととなった。
初めてのことがたくさんあった、中学でも何人かと付き合っていたが、キスをしたのも初めてだったし、なによりもてていたので高飛車だった。
俺の好奇心を嘲笑うかのような態度
学校での愚痴は聞くのだが、自分のことについては隠してばかり。おそらく暇つぶし程度で付き合っていたのだろう、子供っぽいという理由で別れを告げられた。そうして相手にはすぐに新しい彼氏ができていた。
悔しかった。なんで俺は好きなのに好きになってもらえないのか、好きと伝えることは重いのか。
そうして、自分は孤独に寂しくなって新しい恋を始めるのだった。
恋は駆け引きのシーソーゲームだと思っていた。自分が人気者になって他人からもてれば嫉妬なんかしたりして、連絡をあまりしなかったり素っ気なくすれば向こうが重くなってくれるんだって。
思った通り相手は好きになってくれた。俺以外を愛せないと言った。結婚を求められた。
喧嘩して別れようというと死ぬと言われたり、いわゆるメンヘラになってしまった。
しかし、愚かな俺は嫉妬させ、傷つけることが本当の好きではないと知った、これは俺という居場所に依存していて、執着心が生まれていたのだと。
こんな執着心の好きは大学へ行ったり環境が変わってしまえば、すっかりと自分のことなど忘れ、さらなる身近な居場所を見つけてしまえばそちらへいってしまうと気付いた俺は自分から告白しておいて、身勝手ながら別れを告げてしまった。
予想通りその彼女は大学へ行って環境が変わってから一度も連絡が来なかったので本当の好きではなかったのであろう
最低なのだこの俺という人間は。相手には本当の好きを求めているくせに、自分は相手の様子や変化を求めてばかり。
のくせに自分は相手を試したり、嫉妬なんかさせたりして相手を変えてしまっている。相手の性格や人生を…
そうして、相手の悪いところやいいところをみて、自分の悪いところを改善するために次の彼女で試したりして、また悪いところがあれば改善して、悪く言えば自分のための練習台としているのだ。
そう気づきながら、俺の恋愛は止まらない…