第4話 暴風と炎 2
山道に入り長い間歩いた一行が大きな谷に入って頃にはすっかりあたりは夜の帳が落ちていた。
谷を抜ける風が寒くなり始めた為、荷物の中からゼロスがマントを取り出してくれた。
マントを貰ったフィーネとソウがそれを身につけると風の冷たさを凌いでくれて助かった。
しばらくしてゼロスとフレイヤは回りに気を配りながら谷の途中だが、少し岩陰に隠れた場所をみつけたのでそこで食事をしようと言い出した。
長い時間歩き通しだったので、ソウは「やっとだ」……と心の中で呟いて密かに嬉しくなった。
なんだか小さい子供の頃に行った学校のキャンプみたいだった。
丸い円になって思い思いの木や岩に腰掛けて向かいあって座る。
目立たないように隠して火を起こす。そして持ってきた取っ手のついた調理道具で湯を沸かし食料も火にかけて焼き始める。ソウにはまたそれが昔味わった思い出の物みたいで楽しくなっていた。
小さい頃は楽しかった。しかし、今は友達も居なくて学校でも話す相手も居ない。
ふいに学校での現実の自分の事が惨めで思い出さなければ良かったと後悔した。
しかし、今は何の巡り会わせか目の前には美しいお姫様のフィーネと、これまた美人の騎士のフレイヤと一緒に夜の森で食事をしている。
ソウは周りを見ながらなんだか嬉しくて独りでに口元が緩んでいた。
「おい、勇者よ。何を喜んでいる?そんなにこのトビウサギの肉が旨かったか?俺も大好物だが……」
そう言ってゼロスがソウのニヤついた顔を覗き込んで笑った。
知らずに笑っていた為、思わず「えっ?」と言ってソウは誤魔化してゼロスの言葉に頷いてみせる。
「あ、あとこの大男のゼロスさんも居たっけ……」と、一人事を言ってまた下を向いて笑いを誤魔化す。
「フィーネ様にはこのような粗末な食事で申し訳ないですが、どうかお許し下さい」
ソウの返事もそこそこに聞きながらゼロスはフィーネに頭を下げる。
王国の皇女でもあるフィーネに夜営させている事にフレイヤも同じく頭を下げて非礼を詫びる仕草をした。
「何を言ってるのですか?コレは私からお願いした事。どうかフレイヤ様も頭を上げて下さい。それに……」
フレイヤの方に手を伸ばして頭を起こそうとすると、「私もこのお肉、大好きになりました。……ニコッ」っと笑うのであった。
ドッと笑いの上がる火を囲んだパーティ。
それが、物凄くソウには楽しかった。
笑い声を上げたゼロスが「行けません!行けません!森で話すのは危険ですから……」と笑いながら皆を制止するのに身を起こした時、重い音をさせた物にソウの眼が行った。
それは、ゼロスの腰ベルトに着けた大きな『ハンマー(鎚)』だった。
武器みたいな物?
「お、眼が高いな、コレが気になったか、勇者よ?」
ソウがそれを見てる事に気付いたゼロスが得意げに話しかけてきた。すると返事を聞く暇も無くゼロスがその巨大なハンマーを手にして立ち上がったのだ。
それを見たフライヤの眼が「また始まったのか」と嫌気の差したような笑い顔になる。
「これは彼の団長のレーヴァテインも鍛えたと言われるスヴェライによって鍛えられた魔法のハンマー『イラ』。ソウルの力を纏ったその力は、何者もなぎ倒し、一度投じれば我が手に必ず戻ってくる、この世に二つと無い武器なのだ!このイラを巡って幾度決闘を申し込まれようとも、未だ無敗。このゼロス様の命の次に大切な武器なのだっ! ガハハハのハーッ!!」
『聞いてない!』――――そう言いながら手であっちいけのポーズをするフレイヤが笑う。
意のままに戻ってくる魔法のハンマー??―――― そんな凄い物を持ってるなんてやはり凄い人なんだ――――ソウはゼロスを見つめて尊敬の眼差しを送ると、さらにゼロスは得意げに大声を上げて笑う。
「あ、違った、『団長の次』でしたよ……。間違えましたよ、団長ーっ!」そう言ってゼロスはまた大声を張り上げて笑う。
『!』
しかし、次の瞬間、ゼロスが顔を上げた方向から黒い影が落下してくるのが見えた!!
敵!。
身を逸らしたゼロスの背があった場所へ向けて黒い長剣が鋭いスピードで地面へ突き刺さった。
「ゼロス!!」
フレイヤも直ぐ様立ち上がってレーヴァテインを抜く。
立ち上がったゼロスの身体を追うように落下してきた敵が剣を横に薙いで来たが、ゼロスはそれを片手で地面に自分の剣を突きたてて止めた。まるで風のような動きだった。巨熊のようなゼロスだがその動きは豹のような身のこなしだった。
しかし、その襲ってきた敵の顔を見たゼロスが不機嫌な声をあげた。
「こいつらが言っていた不信な戦士のようです、団長! ……どうにも剣が重い訳だ、ちぃーっ!!」
「やはりそうかっ!」――――フレイヤは周りを見回し声を上げる「ソウ、フィーネ様を頼む!」
見上げるフレイヤの傍にも二人の敵が屋根にしていた岩山を降りてくるのが見えた。
フィーネを連れて岩山を背にフレイヤの傍に駆け寄る。
剣を構えて岩山を離れるフレイヤを追って先に駆け下りて来た影が宙に飛んだ。
振り下ろして来た剣を受けてレーヴァテインに火花が散る。
「なるほど……」ゼロスの言っていた通り重い剣を振り下ろす相当な使い手なのがフレイヤにも分かる。
と、そこへ後を追って岩山を降りてきた影が飛び上がった瞬間、ゼロスが腰に下げていたハンマー・イラを宙に浮かんだ影に向けて投げていた。自分の敵と対峙してるにも関わらず、素早い動きでソウの目には何が起こったのか一瞬分からなかった。
ズン!
重い空気を裂く音が宙を舞う影に向かったが、寸での所で影が一瞬身を翻して避けた。
その影が地面に体制をくづして落下してきた。
2人目が剣を構えてフレイヤに向き直った。
イラが夜空に弧を描いてゼロスの手に戻ってきた。
ソウは2人を相手にするフレイヤを見て手の中に自分の剣をイメージした。
『リバース』――――そう、それが自分の中に浮かんだ剣の名であった。
ゆっくりと敵の影がソウを振り返ってきた。
「ソウ様!?」……フィーネがソウの腕をつかんで、小さく叫んでいた。
それは、まさしく『死』であった。
黒い甲冑を付け、黒いマントから伸びている手に鎧を着けているが、顔が冷たく暗い生気のない顔にしか見えなかった。そこに何の温度も感じない、そう、まるで『死体』のよう。あるのは冷たい冷気のような寒気だけだった。目の傍から頬にかけて大きな傷があり血がこびりついているが、その痛みを感じてるようには見えなかった。
その『死人』のような敵が剣を構えてソウを正面に見据えて剣を構えたのである。
「団長の居る場所に向かう途中、近くの村で何か死人のような戦士を見たという噂を聞いたんだ。黒い馬にまたがり昼なのに影のように走る風のような戦士を……。俺はそれを聞いて思い出していた。かつて1000年前に『不死の王』に使えていたグラズヴォルという『魂無き戦士』を……。戦場で死んだ勇敢な戦士を『不死の王』は、その邪悪な魔力で自分の配下にしていたと。『死を恐れる必要も無くなったその戦士は何者よりも強い』と、まさにこいつらがそうだろうな。誰かが、それを解き放ったと思ったのだが、まさかこんなに早く見つかるとはなっ!」
敵の剣を受けながらゼロスがソウ達に声を上げた。
ソウの手が青白いソウルフレイムの光を出し始めたのを見て、フレイヤが叫んでいた。
「まだ早いっ、ソウ、走れるかっ!?」
「はい!」
フレイヤが剣をあわせる相手の腹を蹴り飛ばし、ソウの前に立った敵の背にぶつけた。
それを合図にソウとフィーネを連れて走り出すフレイヤ。
「ゼロスッ!!」
「承知!」
声を上げて走り出したフレイヤを、体勢を立て直した2人のグラズヴォルも立ち上がって追おうとした瞬間、ゼロスが手にした『イラ』を一振りした。
ゴオゥーーーーッ!
いきなり轟音が鳴り響いたかと思うと、2人のグラズヴォルが宙へ吹き飛ばされていた。――――暴風である。
ゼロスの手にした『イラ』の一振りが、まさに『暴風』を生み出して敵を立っていられないほど闇夜の中空へ吹き飛ばしてしまったのである。これがゼロスの『イラ』の力のもう一つの力であった。ゼロスのソウルフレイムの力を暴風に変えて敵を蹴散らす。その力は山をも吹き飛ばすと言われている。
暴風のハンマーを構えるゼロスに残ったグラズヴォルも剣を振るがそれを剣ではらい斬り付けると、避けた敵の一瞬をついてゼロスもフレイヤの後を追って走り出すのであった。
走り出したゼロスの目に先を走るソウやフレイヤの後姿が見えてきた。沢山の木々の間を縫って右に左にフレイヤが先頭を走る。
「この先に河がある筈だ、そこまで走りきるぞっ!」
フレイヤの声を聞いて、ソウもフィーネの顔を見て頷く。
間もなく、先頭のフレイヤの向こうに河の流れる音が聞こえてきた。
河の流れが見えるほどに近づいて来て、いきなり木々の間に視界が広がった。
「着いたぞ!」
そう言って、フレイヤが後ろのソウ達を振り返ろうとした時だった。
ブンッ! ――――となってフレイヤの頭数ミリの所を槍状の刃が振り下ろされた。
寸での所でそれを避けると、その後を追うようにフレイヤの顔目掛けてするどい鉄球が飛んできた。
キン!
その攻撃をレーヴァテインの剣でなぎ払うと、直ぐ様開けた場所にフレイヤは走りこむのであった。
そこに刃の輝きが月明かりに光る斧のついた槍を持った黒い戦士と、鎖のついた鉄球を構える戦士が待ち構えていたのである。
黒い魂無き戦士=グラズヴォルが2人立っていた。
どのような経路を走ってくればこの場所に追いつけるのか、フレイヤはその不気味さに嫌気が差した。
「!!」
飛び出そうとしたソウは必死の思いで森に中に踏みとどまった。フィーネを連れて出れば危なかった。
しかし、すぐ後ろにはゼロスが迫っていたのを忘れていた。
「……っと、おい、何止まってるんだ!? ウワーッ!」
ゼロスは追ってきた敵の攻撃を受け止めながら、ソウの背中にぶつかってきた。
その反動で三人ともフレイヤの立つ開けた川原の草地に出てきてしまった。
「な?なに、ここにも居たのか?!」
ゼロスの驚いた声が敵三人に挟まれた草地に響いた時だった。
フレイヤの前に立った新たに現れた2人のグラズヴォルがそれをきっかけにフレイヤに向かって動いたのである。
長い槍の切っ先を物凄い速さで突いて来て、それを払う剣を斧状の刃で受けて振り下ろしてくる。
そうかと思うと、別の一人が棘の着いた鉄球を振り回しフレイヤの隙をついて投げ込んでくる。
戦闘になれた戦士の連携であった。
そして、窮地のフレイヤを唯一助けられそうな人間のゼロスもまた後ろから追ってきたグラズヴォルと剣をあわせていた。
「このままじゃフレイヤさんが……」
どうすれば窮地を脱出できるかとそこまで考えた時、何かの音が自分達に迫ってるのに気付いた。
ゴゴゴォ……ッ!
何かの燃える音。いや、燃え盛る炎が物凄い音をたてて自分達に迫ってる音だった。
戦闘を続ける全員が顔を上げた。
それは直ぐに分かった。
それは、河の対岸をうねるように炎が河のようになってこちらに向かって来てるのであった。
この窮地にさらに新たな敵が現れたのだ。どうすればここを無事に脱出できるのか?!
「!」
それをフライヤとゼロスが認めたとき、一瞬の隙をついて片方のグラズヴォルの鉄球がフレイヤの足を絡めとりフレイヤの動きを止めた。
フレイヤが体勢を崩した。
ソウもそれを見た。
「来るぞ、剣を抜けるかっ!? ソウ!」―――― ソウは自分に問いかけていた。
敵の一人が勝機と見るやフレイヤに向かって一気に距離をつめた。
フレイヤは剣を振り上げ鎖を断ち切ろうとしたが間に合わなかった。
ソウの手にソウルフレイムの光がリバースの剣の形に変形して剣がその姿を現し始めた。
槍を振り上げるもう一人のグラズヴォル。
しかし、そのグラズヴォルの距離までもソウはまだ届いていなかった。
「フレイヤさんーーーーっ!」
バシィィィィーーーーーッ!!
振り下ろされた槍の先がフライヤの足のあった場所を通過した時、ソウの叫び声とともにソウの身体がフレイヤの目の前で敵の眼前に現れていた。
槍の先が見事に切断されていた。
一瞬何事か分からなくなった敵に、ゼロスがフィーネを連れて走りこんできた。
ソウの青白く光る剣を見て慌てて距離をとって下がる敵。
確かに自分より遠い場所に居た筈なのに、ソウは振り下ろす槍よりも早くグラズヴォルの前に姿を現したのである。
ゼロスを追って迫ってきたもう一人のグラズヴォルが剣を大きく振りかぶって走り出した。
「お前ら、そこを動くなよーーーっ!」
どこから聞こえて来たのか、闇夜に甲高い女性の声が聞こえてきた。
ドゥーーッ!
剣を振り上げて走りこんで来たグラズヴォルがソウの前に迫った時であった。
いきなり大地を割って巨大な帯状の壁のように噴出し、剣を振り上げたグラズヴォルとフレイヤを鎖の鉄球で絡め取っていたもう一人のグラズヴォルを同時に吹き飛ばしたのであった。
2人のグラズヴォルは炎の海で身体を焼かれ火達磨になって行く。
「ウワーッ!!!!」
「キャーッ!!!!」
それの火の粉と吹き飛ぶ礫を浴びて、ソウとフィーネも同時に叫び声を上げた。
しかし、その突如噴出した炎の壁に足の自由を取り戻したフレイヤもやっとゼロスに助け起こされたのである。
ドン!
しかし、勢い余った剣を振り上げた一人はそれでもフレイヤに向けて、炎の中からまだ走り出したのであった。
身体はすでに全身火達磨であったがまだ向かって来ていた。
慌てて自分の足で立ち上がりフレイヤが剣を構えようとした時であった。
斬!
そのレーヴァテインを構えるフレイヤの前で、剣を構えたグラズヴォルの前を走り抜けたものがあった。
ソウである。
ソウのリバースが目にも留まらぬ速さで、グラズヴォルの炎に包まれた身体を一刀両断したのであった。
剣を構えたまま、そこで動かなくなったグラズヴォルが立っていた。
そこで、一瞬の間を置いてグラズヴォルの姿が青白い光に包まれて天に昇り始めた。
「ムゥ、これが……ですかい、団長の言ってた?」
「そうだ! 凄いだろ?」
ゼロスがあっけに盗られた様子でフレイヤに尋ねると、その横で満足げにフレイヤは天に昇るグラズヴォルの『魂無き戦士』の魂を見ていた。
「やっと安息の日を迎えて、天に行けるのだろうな……」
消え行くその光に包まれる戦士の魂を前にして、フレイヤも思わず口にしていた。
「ギャーッ! キキキ……」
その向こうで残ったグラズヴォルが声を上げてハッと我に返るフレイヤ達……。
「おい、思えら早くしろっ、グズグズしてるとそこの奴らがまた仲間を連れてくるぞっ!」
またさっきの同じ声が聞こえてきた。
今度は、直ぐ近くの後ろからだった。
サッと振り返るとそこが夜だというのに妙に熱く、さらに明るかった。
それもその筈、そこに炎の塊がトカゲのような姿をしてソウを見下ろしてるのであった。それも人の言葉を喋ってるのである!?
「ウワーッ、フレイヤさん助けてーーーッ!」
思わずフレイヤに飛びつくソウを見て、トカゲの上に何かがまた笑い声を上げた。
「そいつはなんだ、今さっきは敵を一人始末したと思ったら今度はフレイヤに助けてくるとは、なんてだらしない男だ?」
すると、炎のトカゲの頭の上から紫のマントに小さな身体の少女がひょこっと顔を出してソウを笑ったのだ。
ソウの現代では小学生かと思えるような年齢と見える少女がそこに居た。
炎を跳ね返すような朱の髪を真ん中からぺたっと分けた髪型をして、大きな目でこっちを見下ろしている。
「アグニだ。口は悪いが、王国一の炎のソウル使いだ……悪く思わんでくれ。ソウ」
「何が口は悪いだ!? ……が説明は後だ、早く乗れいっ、あやつらは私の炎でも消せないのでな、死にたくなかったら急げ!」
アグニと呼ばれた少女がフレイヤを見下ろして少し笑ったように見えた。
炎を超えて敵が追ってこようとしてるのが見えた。
上ろうとしたが、こちらを見た炎のトカゲはどう見ても近寄るだけで燃えそうに熱かった。
「しかし、コレどうやって上るんですか、もの凄んごい熱いんですけど……?」
「ああ、それは無理だ、このサラマンダーに乗れるのは炎の私クラスのソウル使いだけだ!見りゃ分かるだろ?!お前達はあの船だ!!私が船を押し流すから早く乗れ!!」
ソウがふと脇の河を見ると、もう他のフレイヤ達は河に止めた小船に乗り込む所だった。慌ててこのサラマンダーとかいう炎のトカゲに手を着かなくて良かったとソウは本気で胸を撫で下ろした。
「早く来い、ソウーーー!」
「ソウ様、急いでくださいーーー!」
小船に先に乗り込んだフレイヤとフィーネが手を振って声をあげる。
その様子を見ながらアグニがニヤリと笑う。「こいつらどうなってるんだ……?」
ドウッ!
再び炎の中を抜けて迫ってこようとグラズヴォルが飛び出してきた。
慌ててソウが走り出した。
しかし、もう一度アグニが炎の壁を地面から噴出させて、足止めした。
ここまでして、ソウを乗せた船がやっと岸を離れた。
船が安全な場所になるまでアグニはグラズヴォルの動きを見ていたが、炎の中でグラズヴォルの動きはもう無いに等しかった。
恐らくはもう次の岸か船を襲える場所を特定に動き出したかも知れなかったが、アグニも河の上に進み出していた。
とにかく、今は船の安全を守ることが大事だと、そうアグニの動きが言ってるようであった。
アグニが背に乗る炎のサラマンダーがゆらりと河の上に出ると、音も無く船を押しながら下流へと進んで行くのであった。
闇の中をゆるゆると炎の揺らめきだけが、遠く進んで行くのが見えているのであった……。