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「うわー、すごい偉そう」


居候二号、キギフィ・シロップ(仮名)は相変わらずの超絶美少女ぶりを発揮しながら(つまり空間にいるだけで美少女力ぢからをあたりに粒子のごとく振りまいているということである。なんというカリスマ!)、シモの話についてくる。そして筆者と読者が抱いていた疑問を、この偉そうな貴族様に率直にぶっつけてくれる。ありがたい(と筆者が感謝してどーする)。



「貴族なら、そういったところをひけらかさないようにしなければなりませんよ、セリゼちゃん」


家主、大家、そして世紀の天才工学者、ロン・K・フレアがやんわりとたしなめる。出来た人だ。


「ねえ、月読さん」


「寝てます」


すっとぼけた返答をするのは、居候三号にして、この町の新参、にして、東洋系魔術を究めた仙人である剣崎月読けんざき・つくよみ。そうか、仙人ともなれば、寝ながらにして返答が出来るのか、と感心してはいけない。適当ぶっこいているだけなのだから。


そのあたりのことを重々承知しているものだから、家主、


「寝ている人は寝てますって返答しないんですよ」

「ぐう」


あからさまな嘘イビキでお茶を濁す月読だった。多分、レルエリィが持ち込んだ話に付き合っていても仕方がないという、全うな判断を下したのか。だとすれば妥当な判断だが、ただ単に眠たいだけという説も否定できない。


変な奴ら。


だがどうせ、このほうき星町に集ってくる連中は、皆どこかに後ろめたい過去や傷なり、あるいは世間では尊敬されつつも疎まれる(信じてほしい、世の中にはそのような事例がいくつもあるのだ)類の才能なり、を持ち合わせた人間どもの寄り集まりなので、この程度の変さで音をあげていてはついていけないぞ若人共(誰に言っているのだ?)。

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