童貞事実と童貞意識
この回は実験的に文体をへんてこにしてます。
また、新人賞についての記載がありますが、これは某電撃大賞に、無謀にも投稿した経歴があってのことで、この作品。
●童貞事実と童貞意識
「童貞は死ねっ!」
と書店「懐中水時計」店主・レルエリィ・ヒルトハミットは言った。どーんと。
電撃大賞のキャッチコピーに「おもしろいこと、あなたから」とある。まあ確かに面白いことは面白い発言ではあるが、嫌な意味でのドキドキとハラハラ(要するに読者の反感)しか伝達出来そうになくて、作者、こっちも嫌な意味でドキドキしている。
大体にしてラノベ新人賞の募集要項には、「十代の読者を対象にした広義のエンターテイメント」と明記されているが、さすがにこの出オチ感溢れまくりの発言から話を進めるのは、果たしていかがなものか。一次審査で落ちるんじゃあるまいか。
いつものフレアの家に上がりこんで(要するに仕事サボって)、大好物のサイダーを飲みながら、この家の家主及び居候どもに語りかけるレルエリィである。まったくいい身分である。
「いきなり死ねとか言われても何さ、所詮非モテの戯言恨み言としか思えんもんでしょうが」
居候一号、ユーイルトット家第十四代公爵、セリゼ・ユーイルトットが冷静に突っ込む。貴族なのに居候とはこれ如何。
ここから才能のある作家ならば、いくらでも話を発展させていくところだろうが、生憎さまである、筆者にはそこまでの力量はないので、ただ単に「終の棲家を探していたところをフレアに拾われた」と記述するに留める。筆者よ、お前に自尊心とか文芸的野心みたいなものはないのか(こっちもツッコミ)。
セリゼは続ける。
「第一あーた、もう童貞とか非モテとかいうレベルの位置にいないでしょが。それを何さ、今更童貞ウザい論議をはじめたところで、どうしようもなかろうよ。まあ、話は聞こう。何と言っても貴族は襟度が広くなくてはならん。人の上に立つ人間とはそういうものだ」
さりげなく上から目線に移行しているところがセリゼクオリティである。生まれながらの貴族様は違う。というか、ただ単にお前性格悪いだけちゃうんか、というご指摘は実に正しい。
正確には性格が悪いわけでは(ややこしいな!)ないのだが、ナチュラルにしてると偉ぶるというか、もともと持った力がなまじっか強力だからこのような傲岸不遜気味な態度になるというか。あれ、フォローになってないぞ?
まあ、ともかく、こうやってお悩み相談を(それも出オチ爆発の)一応は聞いてあげているところあたりから、セリゼのある種の人の良さを垣間見てくれたら幸いである。