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腐女子のススメ  作者:
第一章
1/3

半腐女子

腐女子歴、十数年。


今私は、二次元と三次元の境にいます。










腐女子のススメ 1











腐女子: 男性同士の恋愛を扱った小説や漫 画などを好む女性のこと。「婦女子」(ふじょし)をもじった呼称である。

年齢の高い腐女子をさす派生語として貴腐人もある 。同様の趣味を持つ男性は、 腐男 子あるいは「父兄」をもじって 腐兄などと呼ばれる。


つまり、いわゆる世間一般から冷たい視線を受ける人種のことである。



最近は歴女といった、オタクとどう違うのかよくわからない人達も出てきたことで、なんとなく世間の人たちからの風当たりも弱くなっている気がする。しかし基本的に腐女子らは自らが腐女子であることを隠して生きている。だって周りの目が怖いんだもん。





「由紀、なにしてんのー?」


今話しかけてきたのは、大学で友達になった星屑。読み方は「きらら」。名字ではなく、名前である。名前なの。大事な事だから二回いいました。本名は、妙ヶ崎星屑というらしい。なんて読みにくい。最近の学校の先生も大変だ。

ちなみに私の名前は佐々木由紀。一般的だ。いや、正直星屑よりいいと思う。だって読み方は煌めいてるのに漢字で見てみると、宇宙に広がる星の屑だよ。私だったら嫌だ。というか正しく読んでもらえなさそう。



「由紀、講義始まるよ。帽子とらなきゃ」


「え、次中田先生だっけ。めんどー」


そういって、私は被っていたニット帽を外した。一旦帽子被ったら脱ぎたくないんだけどな、髪ぐしゃぐしゃになるし。



「そうだよ、寝ちゃだめだよー」


「左右に揺れて爆睡するあんたに言われたくないし!」


こいつ、星屑は、かなりだらしない。なんたって、ほぼ全ての授業を寝付くしているのだ。しかも教授の視線を気にすることなく、約45度まで左右に揺れながら爆睡するのだ。その上朝1限は基本的に寝坊して、遅刻か欠席。そのくせテストは点数をとる。単位落とせばいいのに。



「ひどいー!ゆきちゃーん!」


ひどいのは君だよ、教授の中で君なんて呼ばれてるか知ってる?寝腐れ妙ヶ崎だと。女子大生のあだ名じゃないよ。



「はい、授業始めまーす。そこの女子、帽子を取りなさい」


あ、また注意されてる。誰だろ。…って星屑が私のニット帽被ってた。あほかおまえは。









私は今大学一年生、ぴっちぴちの女子大生だ。あ、痛いな。ちなみにまあまあの国立大学の理学部。専攻は科学。理系なだけあって、学科というか学部内に女子は少ない。1学科40人の中で、女子は8人。だから無駄に仲がいいのだ。

そして大切なこと。私は半腐女子である。世間的に、ああ、オタクの一種ね、みたいな扱いを受ける女子だが、大学に入って少しずつ卒業し、半腐女子にいたる。半って、ただ単に半分なだけ。片足を沼ぞこにつっこんでる状態。


腐女子だったことは、大学でできた友達には伏せてある。やっぱり態度に示されることはなくとも、心の中で気持ち悪いと思われればへこむし。

だからベッドの下にある段ボールに入った、高校時代の教科書に紛れこませてある同人誌は絶対見せられない。次の日友達がよそよそしくなるとかほんと耐えられない、無理。

せっかく高校時代、同級生が遊んでいるのを尻目に勉強に励んだのだ。大学では女の子たちときゃいきゃい遊びたい。いや、変な意味でなく。




キーンコーンカーン


チャイムがなった。

大学に入って驚いたのは、チャイムが鳴ること。まさか大学でも鳴ると思っていなかったので、高校卒業の時、最後のチャイムにお別れを告げた自分が恥ずかしい。



「学食食べにいこ!」


授業が終わり、先生が教室を出た瞬間、星屑が駆け寄ってきた。ちなみにこの2限の授業は選択授業で、学科内で履修している女子は私達だけなのだ。決して他に友達がいないわけではない。



「いいよー。どこいく?アップル?」


「ピーチにしよ!3限ないし久々に遠出!」


学内は結構広くて、学内食堂が3つある。アップルユニオン、ピーチユニオン、トマトユニオンだ。なぜ果物が2つ並んで、最後に出来たのがトマトなのかは全く理解できない。



理学部棟から出て、駐輪場で折り畳み自転車の鍵を外している途中、ふと気づいた。ファイル忘れた。



「ごめん星屑、ファイル忘れたわ。先行っといてー。ついでに席もとっといて」


「わかった!じゃまたあとでね」


星屑と別れて自転車に鍵をかける。学内では自転車の盗難が多いのだ。田舎から出てきた私には信じられないことだが。


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