ミッション1 危険の始まり
なにもない、ただの山道。
枯れ葉が落ちたその道は歩くだけでクシュと独特の音を立てる。
今回はただの調査任務だがこの町はいつらか違う感じがした。
「やっぱり、なんか変じゃない?この村。」
と言ったのはシータという女性。そのあとに、
「あぁ、何かありそうだな、シータ。」
と続いたのはジョン。これにシータが文句を言う。
「だから、名前で呼ばないで。コードネームで任務中はコードネームで呼んでよ。」
「あぁ、悪かったな、スリー。」
任務中は教団が定めるハンドネームで呼び合う。その方が早く指示が出せるし、ハンドサインでも、
指示が通る。つまり、スリーなら指3本を立てる。
そこで、まったく話さなかった、イール、コードネーム、ワンが口を開いた。
「おい、静かにしろ。厳重警戒中だ。それに名前で呼び合ってもいい。
実は今回各自で動いてもらいたいんだ。」
今回はリーダーに抜擢され気合いをいれてのぞんでいた。
「だってよ、シータ。」
「分かったわ。」
そう言って銃を腰から抜き出す。と、ここでイールがストップをかけた。
まったく集中していなかったジョンが聞き返す。
「どうした?」
「トラップだ。」
そう言って下に落ちていた、石を木と木の間に投げた。見事に木の間を通過した石は
赤いレーダーに当たる。刹那、大きな爆音とともに火が飛び出し、目がくらむ。
それを3人は反射的に腕で覆いかぶせてしまった。
「くっ」
と、声を漏らしたのはシータだ。
爆音が止まると、そのあたりは焦げて真っ黒になっていた。
「これだけ、高価なトラップはいたずらではないな」
「えぇ。この村は何かの組織が関わっているとみて間違いないでしょうね。」
そのまま少し歩くと小さな小屋が見える。
「じゃ、ここで別行動だ。」
そう言って、1人1人に無線を配る。
「範囲は?」
と聞いたのは、ジョン。これに、イールは
「半径10kmだ。」
「了解」
「じゃ、ジョンはこの小屋を調べてくれ。オレと、シータは先を目指す。
何か、あったら連絡しろ。それと、おおざっぱでいい。
適当に棚などを探して安全でなければ、すぐに戻ってこい。」
「オッケーです。」
先ほどとは違い3人は真剣な顔つきに戻っていた。
「じゃ、散だ。」
そう言うと、ジョンは小屋を目指し、イールとシータは村を目指すのだった。