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第1話 新たなる試練


王都は、戦火から立ち直りつつあった。


瓦礫の山は整理され、

街路には新たな石畳が敷かれる。


市民の笑顔が少しずつ戻り、

騎士団は秩序の維持に奔走していた。


バルトは、広場に立ち、

遠くの城壁を見つめる。


「ここからが、本当の戦いだ」

静かに、だが確固たる声。


ミレーヌが彼の隣に立つ。


「団長、世界は守れたけど…

これから何が起こるか

わからないわ」


バルトは剣を軽く握り直す。


「だからこそ、俺たちが

先に立つ」


ギレンは書物を抱えながら近づく。


「神が消えた後、

世界のバランスは人の意思次第だ。

だが、混乱を狙う者も必ず現れる」


ランドが剣を肩にかける。


「それって、魔物とか?」

眉をひそめるアラン。


「いや、魔物より恐ろしいかも

しれないな」

マークが暗く答える。


王都の門外では、

異常な気配が漂い始めていた。


霧が薄く立ち込め、

空気が微かに震える。


「…何かが来る」

バルトは剣を抜き、

戦闘態勢を取る。


ミレーヌも光の力を

盾に変え、彼の後ろに立つ。


遠くの霧の中に、

黒い影がうごめく。


「奴らだ…」

ギレンの声に、

全員の背筋が凍る。


一体の巨大な影が

ゆっくりと形を取る。


人型だが、

全身を黒い霧で覆われ、

赤い光が瞳のように輝く。


ランドが息を呑む。


「前に戦った神の使徒…

いや、それより強そうだ」


アランが剣を構える。


「まずい、距離を取るぞ」


影は一歩、前に出るだけで

地面の石畳を砕き、

衝撃波を生み出す。


バルトは剣を天に掲げ、

光を纏わせる。


「俺たちは、負けない」

剣から放たれる光が

霧を切り裂く。


ミレーヌも光の盾を

最大出力で展開。


「団長、私も戦う!」

声に決意が宿る。


影が手を伸ばす。

空間を歪め、

光をねじ曲げる。


バルトは踏み込む。

剣を振るい、光の刃で

霧と影を斬り裂く。


ランドとアランが左右から攻め、

マークは魔法で援護する。


ギレンは安全圏から

古代文字を唱え、

バルトの剣に追加の力を送る。


影は一撃で二人を吹き飛ばす。

しかし、バルトの剣の光は

それを阻止した。


「まだ、俺たちは負けない!」

バルトの声に全員が奮起する。


ミレーヌは光を集中させ、

盾で攻撃を防ぎつつ

敵の隙を作る。


影が怒りの声を上げ、

霧を巻き上げる。

全員の視界が遮られる。


「見えない…!」

アランが叫ぶ。


だが、バルトは動じない。

剣の感覚で敵の存在を

捉える。


「俺が先に斬る!」

突進、剣閃、光の衝撃。


影の体に切り込みを入れるも、

すぐに再生して形を戻す。


「再生能力…か」

ランドが呟く。


「単純な力比べじゃ

勝てない」

ギレンが解析を始める。


「狙うのは意志だ。

力の源ではなく、

意思を揺さぶれ」


バルトは剣を握り直し、

影の動きを読んで

真っ直ぐに進む。


ミレーヌが光の盾を

全力で敵に向ける。

光が影を包み込み、

揺さぶる。


影が苦しみ、形を崩す。

その隙を見逃さず、

バルトの剣が突き刺さる。


「これが…

俺たちの意思だ!」


衝撃波が広がり、

霧と影を吹き飛ばす。


影は後退、

黒い霧が解けていく。


全員が息を整える。

汗と埃にまみれた顔に、

微かな笑みが浮かぶ。


「危なかった…」

ミレーヌが小さく息を吐く。


バルトは剣を天に掲げ、

決意を示す。


「これからも、俺たちの意思で

世界を守る」


ギレン、ランド、アラン、マークも

頷き、力を合わせて戦う覚悟を固める。


王都の街はまだ壊れたまま。

だが、人々の意思と希望が

確実に息づき始めていた。


新たな脅威に立ち向かうため、

騎士団と聖女は

再び歩みを進める。


暗雲の先に、

新しい未来が

光を帯びて見えていた。


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