1/1
普通に疲れた君へ
俺が彼女とはじめて話したのは、中学生の時。
日々の人間関係に悩んでいた時。場所は図書室。
「疲れてるねー」
突然話しかけたことを警戒して、
「...だれ」と言ったら、
「えー!?クラスメイトじゃんかー」
想像以上に大きな声に振り返ると、クラスの問題児、常磐陽菜が立っていた。
「ああ、常磐さんか。別に、勉強が捗らないだけ。」
「ふーん?宵城くんさ、良くも悪くも空気読むよねー」
褒め言葉と受け取ってもいいのか、分からないのは反応に困る。
「もっと、自由に生きなよ」
さも平然かのように隣に座ってきたのだが、近くで見ると思っているより整った顔立ちだ。
「常磐さんは、自由すぎるよ...。」
あまりの距離の近さに呆れた声を出る。
「ええ、そうかな?というよりは――型にはまって生きるのって、つまんないじゃん?」
なにを言っているのかさっぱり分からない。
その気持ちが顔に出たらしく、
「やっぱ優等生くんは分からないか〜 でもさ、1回くらい羽目外してもいいと思うよ。その方が、人生楽しいよ。」
と言って「それじゃあね〜」とどこかに行った。




