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陰キャ、魔法学園で恋に課金中。このガチャ壊れてませんかね?  作者: 崖淵


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第47話 週末特訓とデート

今は週末特訓中だ。

僕は、今アンと模擬戦をやっている。


「えいっ、とうっ!」


「ははっ、そんなの当たらないよ。」


僕はメイスをアンに叩き込もうと縦に横にと振るうけど、アンは軽々と身を翻し避けてしまう。そして僕との微妙な距離感を保ちながら、ちくちくとナイフを刺してくる。


「くっ。ちくしょー。そこだ、おりゃあ!」


傷自体は大したことないんだけど、それについイライラしてしまった僕は大振りしてしまい


「はい、ごちそうさま♪」


とそれをひょいと軽くよけたアンにバッチリと致命的な一撃(クリティカルヒット)をもらってしまい、僕は大地に沈んだ。


アンは正真正銘の盗賊タイプで、攻撃力に欠けるが素早さを生かして相手の隙をついてクリティカルヒットを叩き込むのが、得意なタイプだ。そんなアンにとっては、僕のような鈍重なタイプはクリティカルヒットを入れやすいカモのようで、よくやられている。回復魔法で粘る前に倒されてしまうんだ。


そして僕とアンの向こう側では、レイラとグリフィスさんとズレータが次々に入れ替わりで勝ち抜き模擬戦を行っている。


「はっ、レイラやるじゃないか。これでBクラスなんて信じられない」


――キン、カキン


白刃が飛び交い、その剣戟音が響きわたる。


「グリフィスもやるね。さすがAクラスの上位は伊達じゃないってことか!」


驚くことにレイラは、Aクラスにおいて接近戦では最上位のグリフィスさんとほぼ互角のようだ。すごい剣士だとは思っていたが、それほどとは。

グリフィスさんもズレータと戦えるならと思っていたみたいだが、嬉しい誤算のようで、先程から楽しそうに戦っている。

ズレータ?先週僕が個人戦で惨敗するくらいにはあいつも強いんだけど、二人には敵わないようで、まだ両者から一本もとれていない。とはいえ、ズレータとの戦いで消耗した勝者は、次は勝てないようで、ズレータもいい位置にはいるようだけど。

そんなズレータはたまにアンと僕の模擬戦にも入ってくれている。

もちろんズレータは、アンにも僕にも圧勝していき、満足げに再びレイラたちとの模擬戦に戻っていく。

僕も少しは強くなったと思うんだけど、まだまだ彼とは役者が違うようだ。



で、日曜日の午前中いっぱい模擬戦を行ってみんなでランチをした後、恒例の日曜日デートという名の僕の恋愛特訓な時間になるわけだが、その存在を知らなかったグリフィスとズレータの両名。もちろん、この僕の恋愛講習は自由参加だ。

ランチ後にみんなでコーヒーを楽しんでいたところに、アンがいたずらっぽくグリフィスに僕とデートしてみたら?とふると


「あ、アキラとなんかデートできるか!」って言っていそいそと立ち去っていった。


断られるのは折り込み済みだったけど、あんな風に断られるとは。冷たい目でクールに断られると思ったのに……。むしろあれは照れてる様子に見えたとみんなが言っていた。僕はそこまで自惚れていないけど、まぁちょっと違う反応だなぁと思ったのは確か。



それで今日は僕はレイラとデートの日だった。

今日は河原を散歩しながら、手を繋いでデートしたよ。デート先をどこにしたらいいのかっていつも頭を悩ませていたけど、どこか特別なところとかじゃなくて、こういうのでもいいんだね。

散歩しながら久しぶりにレイラといっぱい話をしたよ。

そういえば最近、レイラと一緒にいる時間ってずいぶん減った気がする。以前はレイラとくらいしか親しく話す人はいなかったし、放課後特訓も毎日のようにレイラとしていたわけで、丸々一週間僕の特訓に付き合ってくれていたようなものだ。

でも今はアンもいるし、今週からはグリフィスさんとズレータもいる。火~木の放課後はシズカさんと闇魔法の研鑽をしている。

だけど僕はレイラへの感謝の念を忘れてはいけないと思う。アンと話すようになったのもレイラのような美少女と話をするようになっていたから、話せた部分もあるだろうし。


だいぶ慣れたと思っていたけど、やっぱりレイラのような美少女と手を繋ぐとなると、緊張してすごい手汗が気になったけど、レイラは「気にしなくて良い」って言ってくれた。

まぁ緊張してなくてもずっと手を繋いでたら汗かくとは思うけど。


でも、レイラのすべすべの手、すごいよかったなぁ。


って言ったら、「そういうことは思ってもいいけど、口に出さない方がいい」って言われた。そうなの?って聞いたら、「内容は嬉しいんだけどね。アキラ、言い方がちょっと変態っぽいから、気をつけた方がいいよ?」だって。ええー?もう少しスマートに言わないといけないみたい。勉強になった!

でもその後は何も言わずにぎゅって手を握ってくれていた。なんか心がぽかぽかと温かかったなぁ。



ちなみに普段は散々「俺も女が欲しいぜ」って口癖のズレータが、「あまったアタシとデートするかい?」とアンがズレータに振ったら、顔を真っ赤にして「きょ、今日は遠慮しておく」といってピューっと逃げてしまったのは、めっちゃ面白かった。


あれ?ズレータって案外ウブなんだね。

今度冷やかしてやろ。

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