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陰キャ、魔法学園で恋に課金中。このガチャ壊れてませんかね?  作者: 崖淵


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第45話 死者の墳墓のその先

シズカさんが不機嫌に帰った翌日、彼女はいつもの冷静な姿に戻っていた。

そこからはいつもどおり二人で闇魔法の研究にいそしんだ。あれは何だったんだろう?


毎週金曜日のダンジョン演習は無難にこなして、今日は土曜日。みんなと死者の墳墓に来ている。


今までは僕とレイラが前衛を張って、アンが遊撃しながら骸骨がたまに落とす宝石や魔石を回収していた。

いや、倒してるのはほとんどレイラだけどね。僕は壁役って感じだ。


でも今週からは、そこにグリフィスさんとズレータが加わったんだ。

これで前衛に厚みが出たし、グリフィスさんの刀はさておき、ズレータの斧は粉砕力があって骸骨にはめっぽう強い武器だ。そして前衛の破壊力が増したので、どうせなら今まで戦っていた狩場じゃなくて、もっと先に進もうという話になった。


奥に進みながら、僕は全員の武器に祝福ブレスの魔法をかけていく。そして近寄る骸骨戦士に刀を一振りするグリフィスさん。


「は?なんだ、この手応え。刀は骸骨とは相性が悪いはずだが。」


あっさりと骨を粉々にした祝福ブレスの効果に驚くグリフィスさん。続いてズレータも斧を一閃させると


「なんじゃ、こりゃ?斧戦士が来てくれて嬉しいとか言われて内心喜んでたけど、これ斧とか関係あるのか?武器なんかなんでもよくねえか?」


二人とも祝福ブレスの魔法の効果に驚いているようだ。それを見てレイラとアンがうんうんと頷いている。二人ともいい女だよね。僕がこうして褒められるのを喜んでくれている。

とはいえ、こういう時くらいしか僧侶職の出番がないからね。それに「僧侶職ならこれくらい誰でもできるよ」って言ったら、全員から微妙な目で見られた。

僧侶職ならみんなこれくらいできるよ。……多分。


「この前の私を一撃で倒した魔法といい、アキラは実力を上手く隠し過ぎだろ。もしかしてあの下手な告白も、自分の爪を隠す作戦なのか?」


とぶつぶつグリフィスさんが呟いているのが聞こえる。あ、それは素です。下手な告白でスイマセン。


とりあえず前衛が強力な3人になって、これまで以上に前線力が上がったので、今日はもっともっと奥まで進もうということになった。このあたりまで来ると、骸骨もかなり強くて僕やアンなんかは1対1だと防戦一方で時間稼ぎしかできない。

レイラやグリフィスさんも武器の相性の悪さで、僕の祝福ブレスの効果があっても一撃とはいかない。でも剣技の高さを生かして、戦闘自体はまったく危なげはないけどね。ズレータの斧が振り下ろされるたび、骸骨の体がまるで粘土細工のように砕け散った。その威力に思わず「おお、すご……」と息を呑む。するとレイラが


「アキラ、このメンバーならもう少し先に行けるんじゃないか?」


「え?でもこの先は、骨の王がいるボスエリアだよ?」


「この5人ならいけるんじゃないか?ダメだったら逃げよう。その判断はアキラに任せる。」


と続けてレイラが言うと、皆も基本的に賛成のようだ。


「骨の王は稀に真紅の大粒な宝石を落とすらしいのよ。もしそれが手に入ったら私に頂戴ね。」


アンは骨の王のお宝に期待しているようだ。でも、そんなに甘くないと思うけどなぁ。


「わかったよ。じゃあ、先に進もう。」


少しずつ強くなるスケルトン戦士を、前衛3人を中心に薙ぎ払いながら前に進んでいくと、やがて巨大な黒曜石でできているようなひときわ立派な墓石が見えてきた。その手前に黒曜石の墓の石室に進むかのような、地下に向かっていく階段があった。ところどころにたいまつが掲げられた階段を降りていくと、立派な銀製の扉がぴったりと閉じられていた場所に辿り着いた。

この扉を開ければ骨の王がいるボス部屋だ。

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