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陰キャ、魔法学園で恋に課金中。このガチャ壊れてませんかね?  作者: 崖淵


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第41話 vsグリフィス

グリフィスさんの団体戦参加の件?一応暫定でうちのパーティーって事になったよ。

その代わり、結局このダンジョン演習はすっごい微妙な空気の中で、僕がパーティリーダーをやる事になりました、はい。


グリフィスさんとブリギッテさんが前衛。

僕とアンが中衛。

マリュウカとモブ風さんが後衛。


ちょっと後ろよりだけど、バランスは悪くない構成。

まぁ、そんなこんなであまり無理せず9層までで探索して終了にした。

10層のボス部屋に行こうかという話も出たけど、乗り気の人があまりいなかったこともあり、9層で敵を狩り終了となった。


今日思ったのは、マリュウカの魔法の威力というか殲滅力の高さとグリフィスさんの前衛力の高さかなぁ。


開始前のゴタゴタを考えれば、9層まで無事辿り着いてみんな稼げて良かったね。

しかし、今日はそれだけでは終わらなかった。

グリフィスさんが僕を引き留めたのだ。


「アキラ、私はまだお前を認めていない。消去法でお前のチームに入らざるを得ないのかもしれないが、正直不本意だ。だから私を納得させる何かを見せてみろ。流石に侍の私に僧侶のお前が勝てとは言わない。何か光るものを見せてくれればひとまず納得してやる。」


ということで、何の罰ゲームか僕はグリフィスさんと模擬戦をする事に。うちのチーム内の話ということで、他の人には帰ってもらった。もしかしたらグリフィスさんがキレて、フラれた事を話さないとも限らないし。なので、残ったアンが立ち会いをする事に。わざわざ演習場まで行く必要も無いとの事で、場所はダンジョン入り口近くの人気の無い空き地。ぴゅーと夕暮れの中で秋風と枯れ葉が舞う。


僕はメイスと盾を持って構えた。グリフィスさんは、クリーム色の着物をラフに着こなしている。侍のスタイルなのか盾を持たず一刀のみの装備だ。そして両手は腕組みしたままこちらを睥睨しており、その刀はまだ鞘に納まったままだ。


「始めるぞ。そうだな、初手はお前に譲ってやろう。」


ありがたいと僕は正直そう思った。ダンジョン演習で見たグリフィスさんの動きはキレキレだった。今まで最上位陣の剣士を何人も見てきたが、全く引けを取らない動きだった。

先手をとられてそのまま押し切られて、良いところ無しという展開も十分あり得たからね。


さて、譲ってもらった初手は大事にしたい。どうやって動こうか。

補助魔法を盛りに盛ってから殴りかかる?

でもその補助魔法を初手と取られて、攻撃する前にやられちゃうの嫌だなぁ。それはカッコ悪過ぎる。

夕焼けをバックに仁王立ちするグリフィスさんとカッコ悪いというワードにあるシーンがフラッシュバックする。

夕暮れの路地裏、子猫を抱くグリフィスさんに対して土下座をする僕。

あれはカッコ悪過ぎた。あんな思いは二度と嫌だ。


ん…?

これはもしや。グリフィスさんにならいけるかもしれない…。


湧き上がる、黒い衝動。渦巻く闇の魔力。

そうだ、僕がフラれたのはシズカさんだけではない。

高まれ!昂れ!そうだ、来い!僕の破れた恋心っ!


僕の右手に、黒い魔力が集まる。狂える闇の魔力が渦巻いていく!

高まる僕の魔法力にグリフィスさんが目を見開く。だがもう遅いぞ。

くらえ、グリフィス!

ここで会ったが百年目!逆恨みの波動!


「僕をフッた事を後悔するがいい!

傷心の衝撃ハートブレイク・インパクト!!!」


黒い衝撃がグリフィスさんに向けて一直線に駆け抜ける。

グリフィスさんの魔法防御はまるで無かったかのようにその衝撃は突き抜けた。慌ててグリフィスさんは刀で斬りつけるも僕の暗い衝撃はそれをものともせずにグリフィスさんを襲い、弾けた。

辺り一帯を衝撃波が走る!


それが収まると、アンは急いでグリフィスさんの元に駆け寄り叫んだ。


「アキラ、やり過ぎだ!早く回復魔法を!」


見ると、グリフィスさんが大量に血を流して倒れている。

はっ、僕は何を!?いや、その前にまず回復魔法だ。


グリフィスさんに近寄り回復魔法を唱える。くそっ、やはり闇魔法のダメージに対しては回復魔法の効きが悪いな。それでも何度か回復魔法を唱えると傷口は塞った。するとほどなくしてグリフィスさんが薄っすらと目を開けた。

それに対してアンがまだ休んでおけと伝えるが、それを押しとどめてグリフィスさんは僕に話し掛けてきた。


「アキラ、見事だ。私はお前のパーティーの一員になろう。だがな…」


そこでグリフィスさんは一息つくように言葉を切った。


「お前をフッた事に1ミリの後悔も無い。」


そういうと力尽きたのか、またグリフィスさんは意識を失った。

デスヨネー。





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