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陰キャ、魔法学園で恋に課金中。このガチャ壊れてませんかね?  作者: 崖淵


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第36話 恋愛の授業

毎週土曜日の夕方はレイラとデート。毎週日曜日の夕方はアンとデート。

なんでそんな事になっているの?そう聞いたらアンが、


「アキラはアタイたちとのデートは嬉しくない?これでもなかなかの美少女だと思ってるんだけど。」


ぶんぶんと首を振って激しく同意する僕。嬉し過ぎるけど、美少女とのデートは恐れ多いというかなんというか。多分…デートが怖いのかも、陰キャには荷が重いよ。


「アキラは彼女が欲しいのよね?違った?」


レイラにそう聞かれると、僕は生唾をごくりと飲んで、じっくりと頷いた。彼女欲しい、欲し過ぎる。するとレイラは


「まぁ…私はアキラがどうしてもって言うなら付き合ってもいいけど、このまま付き合っても、あんまり良い二人の未来は無いと思うな。」


「そうなの?」


レイラのようなステキなコが彼女にって期待と、やめた方がいいって言われた事に、思わずがっつくように反応してしまった。するとそれがおかしかったのかレイラに軽く笑われながら諭されてしまった。


「ああ、そうだ。

あ、ちなみに私は付き合ってもエッチ出来ないからな。私が王国騎士になれなかったら、知っての通り私は奴隷として売られる。その時私が処女かどうかが売却価格に大きく関わるらしくてさ、馬鹿らしい理由だけどスポンサー様の意向には逆らえないわけさ。」


「レイラも大変ねぇ。」


アンもレイラの事情は知っている。


「まぁそういう事だから、私とは付き合っても出来ないし、その上最終的に私が王国騎士になれなかったら、そのまま強制的に別れさせられる事になるわね。」


王国騎士になれなかったら別れさせられるのは、レイラが奴隷の身分だからダメなんであって、奴隷じゃなくなれば…


「…レイラはいくらなら買い戻せるんですか?」


「おおお!?そういう事を言っちゃう?アキラ、分かっているか?女の子に期待させるような事を言っちゃいけないんだぞ?アキラは本気か?本気にするけどいいのか?」


うっ…


「なんてな?アキラがそう思ってくれるだけで嬉しかったよ。」


「アキラ、アタシは良いぞ。レイラと違ってそういうしがらみが無いからな。ほら、アタシは彼女としてどうだ?」


「えっ、いや、そんな。」


アンは見た目の性格と違って、わりと防御力の高い服装をしている。だがレザーの上着の上からでも分かるナイスボディが発言力が高い。


「もしかして、あれか。アキラは童貞で、相手にも処女を求めちゃう処女厨か。それでアタシだとダメって事か?」


「ど、ど、ど、『童貞だろ、でしょ!』…はい。」


「で、どうなの。アタシはアキラにとってありなの?処女じゃないとダメか?この私のナイスボディをもってしても。」


アンはそのナイスなバストを持ち上げてみせつけてきた。


「えっ。いや、その…」


「はい、アキラ君。あんたの恋愛レベルはいくつ?」


アンはエアで眼鏡をクイっと上げると僕を指さしてきた。これは全国の男子生徒が憧れて止まない眼鏡クイっの美人女教師では!?


「ほらっ、ちゃんと答えなさい。」


と女教師アンがバンッと机をたたく。うわ、めっちゃ怖いけど、なんかドキドキするんですけど!?


「…レベル1です。まだ始まりの村も旅立っていません。」


僕は女教師アンに正座をさせられると項垂れて答えた。


「そうよね?アキラ君が本当に好きな人が出来た時に、その人はレベル1のアキラ君が渡り合える相手なのかしら?それが強敵だった時、あなたは勝てるのかしら?」


「…勝てません。」


「なら、アタシで経験を積むのも良いと思うのよね。どう思う?」


「…まぁ確かにそういう考え方もあるかとは思います。」


「でしょ?でもね、ここまで言っておきながら、アキラから付き合ってくださいって言われたらアタシは断るわ。」


「えっ、そうなの!?絶対に今OKする流れだったよね?なんで?僕とは遊びだったの!?」


「そりゃあアタシだってレベル1の勇者と付き合うのは嫌よ。」


「なんかレベル1の勇者って響き、心をなんか鋭利なものでぐさぐさと刺してくるものがあるね。」


「まぁ、いいじゃない。レベル1の勇者はアタシたちとデートをするのよ。」


「…なるほど。そこで経験値を積めと?」


「ええ、そうね。感謝しなさい?アタシたちのような美少女とデートしながら、恋愛の勉強ができるのだから。」


「やったー!って喜んでいいところ?」


「当然よ。」


こうして僕の週課に美少女とのデートが加わった。なんか開始する理由が微妙だなぁって思ったんだけど、でもやっぱりかわいい女の子とのデートはいいねって思うんだ。


「こうして僕の恋愛経験値は飛躍的に増えていくことになったんだ。」


―――ズビシッ!


「嘘を勝手にナレーションするのはやめなさい!」


痛っ。アンにチョップされた。すると今度はレイラに


「で、今日はどこに連れて行ってくれるの?」


「えっ?」


「アキラの恋愛の練習なんだから、アキラがリードしなくてどうするの?ああ、あとアタシたちは先生なんだから、授業料としてデート代はアキラ持ちだからねっ。」


「びええーん。」


訂正、やっぱりレベルアップは大変そうです。

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