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陰キャ、魔法学園で恋に課金中。このガチャ壊れてませんかね?  作者: 崖淵


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第35話 外れたガチャ。

今週も土曜日は死者の墳墓でスケルトンを相手に戦闘経験を積みつつ生活費を稼いだ。昼過ぎに一度戻ってレイラとアンとの3人でランチを食べていた時だった。


「いやぁ。昨日のダンジョン演習は災難だったなぁ、アキラ。んー、まぁでもアキラは可だったからまだマシだったけど、アタシは不可で-1点だからなぁ。」


「ああ、第十階層の救難申請の件か。聞いたよ。Bクラスではまだ流石に誰も行ってない。第十階層のボスは強かったか?」


「強かったねぇ。テルキナだっていい剣士だと思うんだけど、ハイオークには終始押されていたよ。オークを単独で倒せて早めに前衛の2対1に持ち込まないと無理だと思うよ。もしくはアタシがオークとのソロを頑張って、最初からズレータとテルキナでハイオークに当たってもらっても良かったかもなぁ。」


「でもそれって、取り巻きのキャサリンがテルキナと一緒に戦いたくなって、僕らのオークを放置してハイオークに行きそうなフラグじゃないのかな?それって。」


「ありうる。」


「しかし、流石Aクラスだな。負けたとはいえ、もう第十階層に挑んでいるのか。私も挑みたいのだが、Bランクのランダムパーティーではなかなか難しいな。ところで、5週間経ったが、団体戦の大会メンバーは決まったか?」


「うちのクラスは、クミコとタクヤのところで1つ、テルキナのところで1つ、マリュウカのところで1つっていうのが大体決まってるから、必然的に僕は残り2つのうちのどちらかだね。アンはどこからか誘われている?」


「いや、今のところは無しだね。タクヤのところには斥候マウバレイがいるし、マリュウカのところにも斥候貴族様(笑)がいるから、そこからは呼ばれる事は無いな。テルキナのところからは可能性としてはあるけど、昨日の醜態を見てしまうと二の足を踏んでしまうな。で、アキラはアタシを誘ってくれないのか?」


「え、僕?」


「そうだよ。アキラは陰キャなんだから、待ってたって誰も誘ってくれないぞ?自分が一人ぼっちにならないために、自分からパーティーメンバーを見つけないと。」


「うえええええ。無理だよ、無理無理。」


「一人になりたくないなら、やるんだよ。ほら、まず私が入ってやるから、頑張ってメンバー集めな。」


「ううう…わかったよ。」


「あんまり選り好みせずに、パーティーバランスを考えて早めに声をかけていきなよ。アタシとアキラでもう中衛は十分だ。バランス考えてとりあえず誘ってみな。腐ってもAクラスメンバーなんだ。それで最低限のポイントは稼げるよ。」


そっかぁ。僕みたいな陰キャは今から準備しないとダメか…。後衛はマリュウカさんは派閥のボスだし、シズカさんもユズリハさんもクミコと組むだろうから後は…モブ土君をあたってみようかなぁ。

前衛多めがいいなぁ。ズレータはテルキナと仲がいいから難しいかなぁ。

ハンス バウアー君(槌戦士)とはこの前ダンジョン演習で組んだけど、仲良くなれなかったんだよなぁ。あとはモブ太(ヘタレ戦士)とモブ四郎ホームランバッターとかか。

そして、もう一人僕の脳裏に浮かぶ。消したい記憶。

入学直後にシズカさんにフラれた事は話したと思うんだけど、他にもいるんだよね、僕がフラれた人。

その女性ひとはマコト グリフィス。順位は9位の侍という珍しいジョブを持つ人だ。きれいな黒髪ストレートの女性で、普段は近寄りがたい程の雰囲気を持っている人でクラスでは孤高を貫いているタイプ。孤高っていいよね。ぼっちとほとんど同じ意味なのにその言葉から受け取れる意味合いが全然違うんだ。


ええっと、あれはいつだったかな。


あれは学園が始まって2週間経ったくらいだったかな。

ある放課後、僕は路地裏で捨て猫を抱っこしてるグリフィスさんを見たんだ。その表情は慈愛に満ち溢れていて美しくもかわいくて、普段の近寄りがたい雰囲気と全然真逆で、すごくいいなって思っちゃったんだよね。で、捨て猫にでもこんなに優しくするような彼女だったら、こんな僕にも優しくしてくれるんじゃないかって。…うん、今思うと我ながらキモいよね。


「好きです!付き合ってください!」


「絶対にイヤ。貴方のような人とは絶対にお断りです!っていうか貴方、先週シュテファンさんにフラれてましたよね?節操無さ過ぎるじゃないんですか?」


って断られたんだ。はい。その通りだと思います。

で、僕は気付いたら土下座していたんだ。多分、シズカさんにフラれた後にクミコにすっごい冷たい目で見られたのが思い浮かんだのかもしれない。


「すいません、このフラれた事は内緒にしていただけないでしょうか。」


「…いいですよ、別に。私も無かった事にしたいくらいですので。では。」


最後のセリフと同時に僕を虫けらでも見るような下げずんだ表情が、今でもずっと忘れられない心の傷なんだ。


~~~


「アキラ!聞いているのか?」


「はっ、ごめん。何?ちょっとぼーっとしてた。」


「これだから、アキラは…。良い?これからアキラは毎週土曜日の夕方は私とデート。毎週日曜日の夕方はアンとデートするのよ。」


「へ?で、で、で、デート!?僕が、誰と!?僕は何と戦えばいいの!?」


「アタシらとデートだって言ってるだろうが!つまんないデートだったら晒してやるからね。」


ええーっ!?なんでそうなるの?

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