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陰キャ、魔法学園で恋に課金中。このガチャ壊れてませんかね?  作者: 崖淵


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第32話 ダンジョン演習前半(第五週)

金曜日を迎えた。ダンジョン演習の日だ。

今週も|学園による無作為な抽選の《作者がダイス振った》結果、今日の僕のパーティーは


第5位:ウィリアム テルキナ(剣士、男性)

いけすかないイケメン。貴族。クミコを狙っている。クミコと仲がいい(と思っている)アキラが嫌い。


第11位:シズカ シュテファン(魔法使い、女性)

クミコと仲良し。入学直後に告白するも玉砕。現在は闇魔法研究中の相棒。


第13位:ズレータ(斧戦士、男性)

テルキナと仲が良い戦士。ダンジョン演習第二週で一緒にそこで仲良くなった。


第15位:アン・ボニー(女盗賊、女性)

ダンジョン演習第三週で一緒に。第四週末でアキラとレイラと一緒に自主特訓。


第20位:キャサリン・バークリー(槍士、女性)

テルキナの取り巻き。高飛車な貴族。


いけすかないが攻防のバランスレベルが高い剣士テルキナ、パワフルな斧戦士ズレータ、高飛車だが槍士としては確かなキャサリン、そして偵察や罠への対応が出来る女盗賊アン、確かな後方火力魔法使いシズカさん。そして回復職ヒーラーの僕。すごいバランスが良かった。良過ぎたと言えるかもしれない。第5階層はもちろん、その後も順調に進んだ。


キャサリンはテルキナ伯爵家の子飼いの男爵家らしくすっごいテルキナべったりで、高飛車でこちらを明らかに見下してくる嫌な奴ではあったが、腕は確かだった。槍の攻撃範囲を生かし、間合いが狭めなテルキナとズレータとの位置関係を工夫していた。個人の技術も良いけど、連携も上手いと思う。でもね、


「どけっ、平民!」

「平民風情がテルキナ様のお手を煩わせるな!」


とかは割と日常茶飯事で


通りすがりに足を引っかけてきたり、どさくさに紛れて槍の柄で足払いをかけたりとか、やる事が結構いちいちセコイんだよね。で、転んだら罵倒される…と。まぁそれに引っ掛かって転ぶ僕も大概だとは思うんだけど。でもね、特に槍の柄で転ばせて来る時って、すっごい細かく動かして絶妙な槍捌きで転ばせて来るとか無駄に技術力が高いんだよね。本っ当に無駄な技術だと思うけど。

で、僕が転んだところを


「あん?何もないところで何転んでるんだ?テルキナ様に迷惑かけるな!」


とか言ってくるの。でもね、この人その時に歓喜に震えてそうなのを我慢してそうなんだよね。高みから見下ろして罵倒するのが好きなドSの人なのかな?


ちなみにテルキナは意外にもそれを見て興味無さそうにしてる。シズカさんはそれを見て一度怒ってくれたので、それ以来キャサリンはシズカさんが見てない隙を狙ってやってる。後衛のシズカさん、中衛の僕、前衛のキャサリンって配置で、シズカさんが気付かないタイミングってすごい難しいと思うんだけど…これも無駄な技術だよね。いやぁ、むしろ感心するよ。


僕?一回抗議したけど、すごい勢いで罵倒されて黙っちゃった。

無駄に技術高い槍捌き避ける練習だと思って我慢するよ。


それとね、この前のマリュウカの取り巻きのバルガスさん――そういえばあの人も女貴族槍士だったね――いたじゃない?ちなみにこの学園って平民の方が多いんだよね。で、『平民風情が!』って貴族から罵倒されるのって、平民が貴族より順位が劣る場合だけっぽいんだよね。正直それもどうかと思うんだけど…まぁその貴族に認められたって事になるのかも?だから、僕がキャサリンさんより順位が上になれば自然と罵倒される事は無くなると思うんだ。

だから僕は頑張るよ。


で、話はダンジョンの話に戻るんだけど、このパーティーはバランスが良過ぎてとんとん拍子に進んじゃったんだよね。まだ第九階層とか僕行った事なかったのに、そこも通過して第十階層、通称ボス部屋前まで到達してしまった。


「もちろん行くよな?」


「え、テルキナ君行った事あるの?」


「うるせえ、お前に聞いてねえ」


と僕を放置して他のパーティーメンバーの同意を取り付けようとしているテルキナ。はぁ。それはちょっとダメなんじゃないかな。


「それすら答えてくれないなら、作戦も立てられませんし僕は行きません。テコでも動きません。」


って言ってやった。この場合、テルキナは僕を置いて5人で行くんだろうか。その場合、僕は団体行動を乱したって事になっちゃうのかな、とか考えていたら案の定キャサリンさんに


「平民風情がテルキナ様に向かって無礼な!黙って従っていればいいのだ!」


と言われた。ただシズカさんが


「…それでしたら私も反対しますね。確かに作戦立てれませんし。」


こう反対してくれたのでテルキナも二人抜けられたら困るのか折れた。


「ちっ。1回だけある、様子見程度な。これでいいか?」


第四階層と第五階層で大きな差がある以上に、第十階層のボス部屋はそれまでの敵の強さと大きな違いがあるんだ。一年終了時にはAクラスなら突破していたいところだけど、僕とか初見だし、まだ行かないと思ってたからボスの事を調べて無かったからなぁ。と、僕は消極的反対。

テルキナ、キャサリンは積極的に行きたいらしい。ズレータもまぁ別に行っても良いかなって感じ。アンはちょっと考えて僕の方をちらっと見て賛成に。なんで僕の方を見てそうなった?シズカさんは僕の方を見てどっちでもいいかなぁって感じだったけど、この時点で賛成系4人なのでボス戦に挑む事が決定。ちなみに現時点でのクリア者はこの中ではシズカさんだけだ。クミコら三人組とイケメン三人組で何度かクリア済らしい。


「結局行くんじゃねえかよ。うだうだ言いやがって、相変わらずウゼえ奴だな。」


はぁ、仕方ない。やると決めたのならば僕も覚悟を決めるか。

でも入る前に作戦会議の時間作ってね。僕、本当にこのボス部屋の予習してないから。

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