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必然

ものすごく短編になりました。誤字・脱字等をあまり確認できていないので優しい目で見てもらえると嬉しいです。

プロローグを見てもらっている前提で書いておりますので、見ていない方はよく理解できない点が多いと思います。

私はオカルトライター、もといホラー作家を仕事にしている一般人である。

今は、とある"噂"の存在を確かめるために、ある山の、激安キャビンで1年ほど生活している。


「もう暗くなってきたし戻るか…」

私は微睡む意識をなんとか引き戻そうとしながら、黄昏時の道を歩く。


ぽつり


ふと雨粒が1滴落ちてきたのがわかった。

「雨かな。」

私は呟くと、バッグにある折り畳み傘を取り出そうとする。

「おかしいな。」

折り畳み傘がどこを探してもないことに気がつくと、私は急いで来た道に踵を返した。

私がキャビンに着く頃には、雨は土砂降りになり、周囲はすっかり夜の帳に包まれていた。

「びっしょびしょだし…」

全身ずぶ濡れになった私は、玄関前で少し服を絞ると、ドアノブに手をかけた。

ギィィ

ここのキャビンは立て付けが悪く、よく扉を開閉するときに嫌な音が鳴る。

私は立ててある傘をみてため息をつくと、下駄箱の上に鍵を置いた。

そして、鍵を閉めようともう一度ドアノブに手をかけた時だった。


「ん?」

思わず声が漏れた。

外に、不自然に1箇所だけ明るくなっている場所があるのが見えた。

耳を澄ますと、微かではあるがハム音のようなものが聞こえてくる。

今の時刻は、とっくに21時を回っている。こんな時間に、わざわざこんなところに人が来るとは思えない。

私は無意識のうちに、そばにあった懐中電灯をとっていた。

果たして、私の好奇心に勝るものはこの世に存在するのだろうか。

私は自分自身の好奇心に負け、明かりに向けて歩を進める。

だんだんと耳を澄まさなくても聞こえてくるようになるハム音に、少し嫌気がさしてきた。そろそろ明かりが何から出ているのか見えそうだ。

私は恐る恐るでもあるが、少しわくわくしながら見た。


―――あった。やっと、見つけた。


私はその瞬間に、その場にへたりこんだ。思考は霧に包まれたようにして私の頭の中を曇らせ、まるで、頭の中が真っ白なキャンバスになったように、何も考えることができなかった。


プルルルル


ふとスマホから着信音が鳴り、私は我に返った。電話は―――私の編集者からだ。

「は、はい。もしもし。」

「楠さん。明日で契約の日ですが、今日の進捗はいかがですか。」

そう言われて思い出した。私は、1年の期間の間、ここのキャビンに住んで噂の調査をするという契約を編集者と結んでいた。

だが今まで、これといった成果をあげられずに、1年ほど私の連載は止まっていた。

「もう明日なんですね。」

私がつぶやくと、編集者は少し物悲しそうに答えた。

「はい。」

彼女の声は、どこか寂しげで重みを帯びていた。


「ありましたよ。」

私は静かに、でも力強く言った。

「え?」

編集者はもう一度聞き返す。

「噂の電話、見つけました。」

私が言うと、少しの間沈黙が流れた。先に沈黙を破ったのは、私ではない。

「ほんとですか?!え、ほんと?!」

彼女の声は、信じられないという感情がそのまま形になったようだった。

「楠さん、やりましたね!これでやっと記事が出せますね!」


私はその後、彼女とこれからの予定を少し話し、電話を切った。


「ふぁー…」

私はベッドに横たわると、体の力がふわっと抜け、大きなあくびが自然と口をついて出た。

1年かかってやっと見つけた、小さいけれど大きな手がかり。なぜ今日、私の目の前に、あれが現れたのかは分からない。だが、なぜか私は近いうちに、またあれと遭遇できると確信している。

なんの根拠もない、ただの予感である。

今日は大きな収穫があった。また明日から、記事を書き始めよう。

そう思いながら、私はそっと眠りの中へ身を委ねた。


更新がものすごく遅くなりました。次回は2ヶ月以内には更新できるようにしようと思います。

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