ダンジョン発見!?
サクサク進んでいきます。
ここから暫くはダンジョン編、って感じですね。
次回は簡易的なキャラ紹介の予定です。
俺が八歳になった頃。ある日突然それは見つかった。
その日は猟師のおっちゃんと近くの山で狩りをしていてたのだが、ふと妙な魔力の流れを感知した。
意識を集中させてみればすぐに異常に気づけた。どういう原理なのか、大気中の魔力が何処かへと吸い込まれるようにして消えているのだ。
しかも、その魔力が吸い込まれる先は穴のような形をしており、今まで感じたことがない魔力の塊みたいな不思議な何かだった。
危険かもしれないので猟師のおっちゃんには一旦麓まで降りてもらい、一人で先行して確認しに行く。
そこで見つけた物は知識としては知っていたが実際に見たことのない代物で、咄嗟に鑑定スキルで見た結果はこのようになっていた。
【名称】名無しのダンジョン(建設中)
【形式】洞窟型・草原型
【難度】F〜Bランク(予定)
【階層】五階層(予定)
【転移陣】各階層ごと
【宝箱】有り
【出現モンスター】
ゴブリン種 スライム種 オーク種
ゴースト種 オーガ種 ????種
【完成予定時刻】
95:13:43後
「なんだこれ?意味が分からん」
発生中とかならまだ分かるが、建設中ってなると意味が変わってくるんだが?
つまり、誰かの意思の元にダンジョンが作られてるってことになってしまう。自然発生しているという世間一般の定説があっさり覆されることになる。
あと難度の間違えてるんじゃないかと思ったが、よく見ればゴブリンは討伐ランクFの魔物でオーガキングが確かBだった記憶があるから、それに則った適切なランク帯だと言えるだろう。それにしても幅広過ぎだけど。
ダンジョンは資源を無限に生み出す宝庫とも言えるが、同時にスタンピードの危険性も存在する。
内部の魔物を間引けるだけの人物が居なければ、ダンジョンによって誤差はあるが大体は三年〜十年の間に魔物が飽和して外に溢れ出してきてしまう。
その昔に都市が一つ壊滅するほどの大規模なスタンピードが起きたこともある。管理できないダンジョンというのはメリットよりもデメリットの方が強くなってしまう、かなり取り扱いが難しい代物なのだ。
しかも、今の俺の実力でBランクが倒せるかと言うと、正直なところ無理だと思う。
それどころかCランクでさえ怪しいところだ。最近やっとアベル兄さんと互角に戦えるようになったが、元Cランク冒険者の父さんには勝ったことがない。
もちろん魔法を使わない近接戦闘での話なので、魔法だけならBランクにだって通用するだろう。元々高かったステータスが更に上がっているため、魔力に限定すればAランク冒険者並みの能力はあるはずだから。
今更だが説明すると、この世界ではG〜Sまでのランクが存在する。
このランクの基準として、同ランク帯の魔物を三匹相手にして勝てるかで判断されるのだ。割とガッツリ戦闘能力を要求される生業だな。
例として、Fランク冒険者がEランク冒険者になるためには、ランクアップ試験でEランク魔物の複数討伐依頼を達成しなければならないという、言葉にすれば簡単だが本当に実力がなければ厳しいだろう。
強いて言えば、パーティーとして受ければ同様の依頼を複数人で受けてパーティー単位でのランクアップをすることも可能なので、こっちの方が割合的には圧倒的に多い。
ソロ冒険者なんて自分の実力を見誤った馬鹿か、何らかの理由で他人と協力できないタイプか、常識では測れない戦闘能力の持ち主かのいずれかだ。
ステータス的な目安で言えば、ランクが一つ上がる度に倍以上の戦闘能力が必要になると思われる。
残念ながら村の周辺にはGランク魔物ばかりで比較対象が少ないのだが、二回だけFランク魔物と遭遇した時に鑑定したステータスを見る限りでは、そのように推察できる。
具体的な能力値まで割り出すのはまだ難しいが、取り敢えず二つ以上の能力値が25以上あればGランク魔物に囲まれても対処はできる。これは実際に自分が体感しているから間違いはないだろう。
俺の総合的な能力的にはCランクに一歩届かないという評価になるところなのだが、ここでややこしいのは魔法を使えることだ。
まず前提として魔法使いというのは稀少である。魔力操作ができるかどうかで魔法の才能の有無は変わるが、冒険者全体で見ても魔法使いの割合は二割くらいしか居ないと言われているらしい。
基本的に魔法の評価は非常に高い。遠距離から一方的に魔力の続く限り攻撃可能で、魔法スキルのレベルが上がっていけば範囲魔法だって使えるようになる。接敵する前に敵の数を減らせるというのは、途轍もなく大きなアドバンテージだ。
そのため魔法使いはランクが上がりやすいらしい。
魔力だけが高くて他の能力値が低ければパーティー結成は必須になるけれど、ある程度の自衛能力があると判断されるとあっという間だという話だった。
俺の場合は強力な称号や父さんのお陰で魔法以外も鍛えられているため、推定ランクを測るのは難しいだろう。
まあ、自分の認識としてはDの上位〜Cの下位くらいだと思ってるってことだな。
何はともあれ、危険だが少しだけでもダンジョン内を調査してくる必要がある。
五階層になる予定らしいので、まずは一階層の魔物がFランク魔物のゴブリンなのかを確認したい。段階的に上がっていくなら最高の狩場になるかもしれないのだ。
鍛錬によっても強くなることはできるが、やはりレベルアップが最も確実で手っ取り早い。
俺が冒険者養成学校に行く二年後までの間に、可能であればこのダンジョンを攻略するくらいには強くなっておきたいからな。
「よしっ、行くぞ……!」
俺は入念に装備を確認して、覚悟を決める。
緊張から生唾を飲み込みながらも、慎重な足取りでダンジョンの中へと突入して行くのであった。
【名前】マルス/平民
【種族】人間
【性別】男
【年齢】34歳
【状態】健康
【職業】Cランク冒険者
【ステータス】
レベル:48
HP:820/820
MP:190/190
筋力:435
耐久:410
敏捷:304
器用:359
魔力:95
抵抗:180
幸運:25
【スキル】
威圧Lv32 挑発Lv35 大喝Lv28
直感Lv15 気配感知Lv24 危険感知Lv31
気配遮断Lv18
身体強化Lv35 精神集中Lv11
剣術Lv51 棒術Lv34 体術Lv44
盾術Lv55 投擲Lv20
強撃Lv35 鉄壁Lv41 不動Lv39
再生Lv21 根性Lv32
強靭Lv44 剛力Lv39 頑健Lv48
俊敏Lv25 技巧Lv30 魔坊Lv12
農業Lv27 掃除Lv3 料理Lv5
採取Lv12 解体Lv15
礼儀作法Lv4 会話術Lv22
【称号】
剣の達人 盾の達人