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二話

 ☆王国西の外れの洞窟。


 凡そ、150名近くの盗賊がいた。この国を襲っていた爆走団、豪乱土ごうらんどだ。

 その中心に、金髪の染料がとけかかっている一人の黒目の男がいた。

 日本では、職業不詳、田中龍飛伊留タナカルフィール32歳である。


「ああ、もう、爆発しそうだぜ!早く降伏の返事来いよ!初夜は、王城についたその日だ。大広間で俺のテクを見せてやるよ。そしたら、お前らにも女を別けてやる!」


「「「ヘイ」」」


 ・・・俺は、俺は田中龍飛伊留、異世界転移って奴をしたのさ。日本で武器の密輸していたからか?この世界では、武器を通販で買える能力がついた。

 全くもって、無敵だぜ。これをチートって言うんだっけ?

 だから、セコセコぼうけんしゃで金を稼ぐなんてことしないで、国をとっちまえばいいのさ。仲間を集めて、戦争を仕掛けたのよ。


 でもよ。武器はこの国の金貨で買えるが・・武器は高い。そりゃ密輸したものよりも安いがよ。

 だから、いつも金欠よ。

 150人に銃を配るだけで限界になった。ジープやハマーも高かったぜ。装甲車ってのも買ったぜ。

 これで安心よ。


 俺は世紀末爆走覇者になって、この世界の王になるぜ。手始めに、この小さな国だ!


「おい、使者は帰ってこないな。あの国の姫と結婚して、俺が王になるハズだろ?皆、俺の力を見せつけたから、ビビってんじゃねえ?」


「「「その通りです!」」」


 しかし、数日経っても使者は帰ってこない。


「チィ、奴らにも銃を持たせたから、やられはしないけどもよ」


 その時、冒険者がやって来た。


「あのルフィール様はこちらで?」


「あん?俺だが?!」


「あの私は冒険者でして、陛下より、書状を送るように、依頼を受けました・・」


「寄越せ!」


 ・・・何々?城の者で反対する者がいるから説得中である。使者は客人として待たせてある。特に、姫は自害すると言っている。姫さえ説得できれば、反対派を押さえられる。待たせたお詫びにエルフの美女も進呈する。しばらく、待って欲しいだと?

 エルフか・・・


「おい、どれくらいだ!」


「ヒィ、ここから、私の足では、王城まで、3日かかります。ですから、一週間待ってもらえば完璧だと思います」


「まあ、いい。姫が無傷で入るならな」



 ☆一週間後


「そろそろ行くか。おう、今日から、俺が王だ。トム、サム!お前らが将軍やれ。宰相は、トーマス、お前は商店員だったな?」


「「ヘイ!」」

「はい、陛下、私は元商会員です」


「へ、気が早く・・ないか。今日から俺を陛下と呼べ!」


「「「ヘイ!」」」


 田中龍飛伊留は軽装甲車に乗り。その他の者達は、軍用ジープ、ハマー等に分乗し。

 王城に向かった。

 正午近くについたが。


「何だ!出迎えがないじゃないか?城壁に兵を配置しやがって、どうなってやがる!」


 その時、拡声魔法で、老人の声が響いた。


【ごめんチャイ、チャイ、やっぱ、戦う事に決めたのじゃ!許してチョンマゲ~~】


 日本語が一部混じっているが、田中龍飛伊留は馬鹿にされていると理解した。


「野郎ども、攻撃だ!夕飯は城で食うぞ!姫とエルフ以外は好きにしていい!」


「「「オオオオオオ!」」」


 田中龍飛伊留は攻撃と言いつつも、部下を前に出し。後方で、軽装甲車から顔を出し。双眼鏡で戦況を見守る構えだ。


 盗賊達は銃を撃つが。


「撃て!ここからでも鉄ツブテは届くぞ!」


 パン!パン!・・・・


 ・・・・


 城壁上の兵に当たるが、一向に倒れる気配がない。


「あれ、もしかして、人形?!」


「しまった。弾を無駄にしたぜ!ええい。突撃だ!城に入って白兵戦だ!」



 ☆10日前王城


「奴らの使う銃は、M16じゃ。これは一つ金貨一枚(10万円)、弾は、一発中銅貨一枚(100円)でな。連射で撃つとしたら、一秒間に10発で大銅貨じゃ。150人が撃てば、一秒間に、金貨一枚と銀貨五枚じゃ。

 コスパ悪いのじゃ。それに、銃は分解して整備しなければ、余裕でさびるのじゃ。だから、そう、多く兵器と弾は持っていないじゃろ。捕虜の話では、いつも銃が壊れて召喚しているそうじゃ」


「しかし、いくら、沢山、持っていないと言っても、あの鉄の箱は・・・」


「大丈夫じゃ!」


 ・・・・


 ガチャ、ドタン!


 いきなり、先頭を走っている車が消えた。

 落とし穴が掘ってあるのだ。


 ・・・・


「本当だ。あんな穴を、跳び越えて行けない・・・」

 遠くから観戦していた穴を掘った農民が納得する。


 ☆


「よけろ!」


 と将軍に任じられたトム、サムは配下の車に指示を出す。

 車両は二手に分かれて、草原に入る。


 パン!パシュ、プシュ~~~~


 車が止まった。パンクしたのだ。


 草むらの中には車両止めが設置されてあった。


 ☆


「しかし、こんな低い馬防柵で車とやらは止まるのですか?」


「大丈夫じゃ。車はジャンプできないのじゃ。車輪が最も弱いところだ。パンクするのじゃ」


 ・・・・


「これが、パンクか?」


 また、パンクするように、鉄の刃が仕込まれている車両止めを作った鍛冶職人は納得する。


 ・・・

 生き残った車は止まり。


「止まれ~ここから、歩いて、行くぞ!」

「「「オオオオオ~」」」


 しかし、その前に、草で隠してあるが、陣地があると確認出来た。

 土嚢が積んである。1.2メートルくらいだ。

 魔導師たちの上半身が見えている。


 魔導師達は、


「「「ファイヤーボール!」」」


 止まった車にファイヤーボールに放つ。


 車は着火した。


 ボオオオオオオオーーーー


「本当に、火がつきやがった!」

「ああ、魔導師を前衛にする意味がわかったぞ!」


 米太郎の発言が頭の中に浮かぶ上がる。



『車は燃えるのじゃ。鉄じゃが、燃える血が流れておるのじゃ』


「良し、土嚢の後ろに隠れるぞ!」


 ・・・・


「撃て!」


 パン!パン!パン!


 プス、プス、プス


 銃声が響くが、弾は貫通しない。


『いいかのう、使者が持って来た銃は、口径5.56ミリ弾じゃ。普通土をぎっちり詰めた土嚢二個分で弾は貫通しないとされているのじゃ。余裕を見て、3つ横に重ねて、壁を作るのじゃ』


「「ああ、私たちの裁縫が、役にたったわ!」」


 城の中で見ていたフレデリカ、メイドたちは、涙を流す。


 しかし、これで済むほど甘くはない。

 ここで、田中が指示を出す。


「トーマス!火炎放射器隊を出せ!」

「陛下、御意でございまする!火炎放射器隊前へ!」


 五人の火炎放射器を背負った男たちが前線に現われた。


「ヒヒヒヒ、火であぶり出してやる。草原ごと焼き払えば、あのうっとうしい魔導師どもを焼き殺してやるわ!」


「「「発射!」」」


 ボオオオオオオオーーーーー


 炎が、壕を襲うが、


「エリーゼ殿、今です!プティングです!」

「はい!暴風の精霊よ。我に力を貸したまえ!」


 いきなり、突風が吹いた。

 すると、炎は止まった。


「「「何故だ!」」」



 ☆回想


「いいかのう。火炎放射器と呼んでいるものは、本当は、携帯放射器というのじゃ・・あれはのう。儂が新隊員のときにのう水入りのタンクを背負わされてほふく前進したのじゃ、と~てもキツくてのう、~~~ゴホン、まあ、ええわ。

 あのタンクの中には、ナパーム、ゲル化したガソリンが入っていてのう。火を付けて、飛ばしているだけじゃ」


「あの、イメージ出来ません」


「そうじゃのう。プティングみたいなブヨブヨの液体が入っているのじゃ」

 燃えるプティングを風で吹き飛ばすイメージじゃ」


「しかし、勇者様、私の魔力では数分がやっとです」


「おお、数分か。3分最大出力で暴風をぶつければ、合格じゃ。携帯放射器はのう。実は、量は少ないのじゃ。2,3回引き金を引けばお終いなのじゃ」


 ・・・・


 火炎放射器の炎の勢いは止まり。やがて、彼らの方に向かって来た。


「「「ヒィ」」」


『そしてのう。携帯放射器はのう。威力はあんまりないのじゃ、タンクはとってもはナイーブなのじゃ。簡単に壊れるのじゃ。ここだけの秘密じゃ』


 そして、火がついたナパームが、彼らの服に火がつき。火炎放射器のタンクにも燃えるプティングと表現したナパームがついた。


 そして、


 ボン!と引火し。彼らは火だるまになった。


 ボオオオオオオオオオーーーーー!


「「「ギャアアアアアアアアア」」」




最後までお読み頂き有難うございました。

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