一話
突然、村が襲われました。鉄の箱に乗った耳短族たちです。
ブゥ~ブンブン、ブゥ~~~~~ブゥ~~~~パン!パンパラ~パンパン♪
鉄の化け物は、
聞いたことの無い鳴声を発し。
その背中に乗っている耳短族は、
鉄の魔法杖から、雷を発し。
エルフの戦士達を・・・殺しました。
パン!パン!パン!パン!
『おら、おら、爆走団豪乱土!参上!女と金を寄越しやがれ!!!』
『金はやる!女はやらない!失せろ!』
『はあ?じゃあ、村を消毒しちゃうぞ!火炎放射器隊!家を燃やせ!女をあぶり出せ!』
『馬鹿、止めろ!森で火炎魔法は禁忌だ!』
『ヒャッハー』
ボオオオオオオーーーーーーー!
『ルフィール様!火の周りが早いです!』
『チィ、火事になるなら言えよ!ずらかるぞ!』
パン!
見たこともない。金槌に似た魔法具をお父様に向け。お父様は、額から血を流し。死にました・・・・
その後、女達は、火事に紛れて、何とか貴国まで逃げて来られました。
もう、森はありません。
どうか、悪魔を、金髪混じりの黒髪と黒目の悪魔の討伐に、この森人も参加させて下さい!
私たちは魔法をよく使えます!
「どうか!耳短族の王よ!」
必死のエルフの姫の言上を、王は、静かに首を振りながら、残念そうに言う。
「エリーザ殿・・・それは、軍事チートと呼ばれる化け物だ。誰も勝てない。
既に、我国一番の騎士、エドモンドも見えない鉄ツブテで・・・ルフィールに討ち取られた。
我国一番の冒険者、疾風の双剣使いゾロも頭目ルフィールと一騎打ちして、負けたのだ・・・我国は、金を渡して、和睦する流れだ」
「そ・・そんな。でも、でも、貴国は、勇者召喚を行い。戦う準備をされていると聞きました!勇者様ならその悪魔を倒せるのではないですか?」
「・・・それは無理なのだ。勇者召喚は女神様の意思に基づいて、異世界から勇者を召喚する。来られたのは・・・余よりも老齢な方なのだ・・」
☆城中庭
中庭では、杖を持っている一人の老人が、老メイドと話をしていた。
この国に異世界召喚された勇者、吉田米太郎である。
「儂はのう。今年でな。70歳じゃ。まさか、70歳で異世界召喚されるとは思わなかったぞ。孫と話をしたくてのう。アニメをみていたのじゃ」
「まあ、まあ、勇者様、コンブ紅茶でものみなされ」
「スマホでのう、活躍しようとおもったがのう。持って来てなくてのう。いつもなくすから、ヒモをつけて、居間においておったのじゃ」
「まあ、まあ、大変ですわね」
その時、この国の姫が、米太郎を呼びに来た。
「おじいちゃ~~~~ん。・・・違う、勇者様、お食事でございますわ~」
「あれ、さっき、食べた・・・いや、アンリ婆さんとの話が面白くてのう」
・・・
「お味は如何ですか?」
「オーガニックじゃのう。美味しいのじゃ!」
「まあ、それは良かったですわ」
・・・私は第一王女フレデリカ、今、この国は建国以来の危機を迎えていますの。
異世界人が転移してきましたの。軍事チートですわ。
我国の一番の騎士、私の婚約者を倒し、我国一番の冒険者も簡単に討ち取ったのですわ・・・
見えない鉄ツブテを放ち。馬よりも早い鉄の箱の背中に乗って、手がつけられませんの。
そして、勇者召喚をしましたのよ。そしたら、コメタロウ様がいらっしゃったわ。
ご老人よ。魔法も使えませんと分って
皆は落胆しましたの。
でも、お呼びしたのは私たち。せめて、客人として歓待しようと決めましたの。
「ところでの~アニメでやっていたのじゃが、儂は、どうして呼ばれたのかのう~魔王やドラゴンを倒すためじゃないのかのう?」
「いえ、コメタロウ様がいらっしゃるだけで、民は安心しますわ。どうか、客人としていつまでもいらっしゃって下さいませ」
「そうかのう~、儂はただの爺さんじゃがのう」
「・・・そんなことございませんわ」
その時、メイドが王女を呼びに来た。
トントン
「陛下がお呼びでございます」
☆王宮謁見の間
謁見の間には、爆走団豪乱土の使者が二人来ていた。手には銃を持っている。
「フレデリカよ・・すまぬ。嫁に行ってくれ・・」
・・・ええ、分っていましたわ。ルフィール・・・様ですわね。私の婚約者エドモンドを殺した憎い敵・・・グスン。
「陛下・・畏まりましたわ」
「グヒヒヒヒィ、ええ女だ。ルフィール様も喜ぶでしょう。これで、爆走団が、この国を守ってやる」
「私が、嫁げば、暴虐を止めてくれると言うのですか?」
「いや、ルフィール様が王子になり。やがて、この国の王になる。
ここに逃げ込んだエルフも寄越してもらおう。それと取りあえず小遣いに、大金貨10000枚を寄越しな」
「何と、話が違う!暴虐をしないとの約束では?」
「俺たちが持っているこのじゅうって奴は、ここにいるお前らを皆殺しに出来るぜ・・・」
その時、米太郎が、いつのまにか、謁見の間に入っていた。
使者は爺さんなので、脅威に思わない。無視をするが、
構わずに、米太郎は話しかけた。
「あの~儂の孫はどこにいったのかのう~」
「はあ、知るか。もう、あっちに行け」
「何じゃとー今、モウロクジジと言ったか!」
米太郎は杖、仕込み杖から、サヤを抜き。手首を返すだけの動作で、使者の首を切断した。
パスン!
コロン。
「ヒィ、何だ、お前、ジュウ、え、」
パスン!
次は、もう一人の使者の右腕を斬った。
「ギャアアアアア、俺たちに何かしたら、こっちは軍事チートがついているぞ・・・・うわ、血が、血が」
「フン、止血の方法も知らんのかのう。主には少ししゃべってもらうからのう」
米太郎は、右腕の根元を押さえ、メイドに布を持って来るように言いつける。
「ギャア、イタい、イタい!」
「緊縛止血じゃ。少し、黙っておれ」
・・・お、お終いだ。勇者殿が少々強くたって、あの軍事チートに勝てる道理がない。
王は膝を付いた。
「これで、戦じゃのう」
「勇者殿、なんていうことをしたのだ・・」
「儂の言うことを良く聞くのじゃ。攻略法はあるのじゃ。鉄の箱は、飛べないのだ!」
「「「何と」」」
「あの、飛龍の助走より早く走れるのに?!」
「それに、鉄の箱は、燃えるのじゃ!」
「「「何と」」」
「鉄なのにか?!」
「そうじゃ。例外もあるがのう・・それに、もう一つ、おまけで、鉄のツブテを防ぐ方法があるのじゃ!」
「「「何と!」」」
「我国の鎧を簡単に通したのに?」
王は決断した。このままルフィールの言うことを聞いていたら、国は滅びると薄々分っていた。
「話だけでも、いや、もう、勇者殿の言う通りにするぞ!勇者殿を将軍に任じる!」
「「「オオオオオーーーーー」」」
この時、始めて、ルフィールに国が襲われて以来、城に活気が沸いた。
「軍議じゃ。それに、城中の空の麦袋と、働き手を集めるのじゃ!男も女もじゃ」
最後までお読み頂き有難うございました。