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序章
はじめまして。
このページを開いてくださってありがとうございます。
なるべく楽しい物語を目指して登場人物たちにはがんばってもらいますので応援よろしくお願いします。
「なあ、また空見てんのかよ。好きだな、蒼羅」
隣を歩く友人が突然口を開いた。それでやっと、蒼羅は前ではなく上を見て歩いていたことを認識した。
最近、こういう指摘を受けることが多くなった気がする。
「ああ、きれいだな、と……」
今日のような晴天の日ばかりなら納得がいくが、空一面が雲に覆われた日まで見上げているとなると自分でもどうしたものか分からない。
「ソラだけに、ってか」
友人は口の端を吊り上げてにっと笑った。