ふりだし
目の前にいるのは人間...ではないな。
ロボット...?なんだこれ...?
でも一つ確信をもって言えること。
それは、
『コレは、「お姉ちゃん」じゃない。』
全身の力がふわあっと抜けて脱力した。
私の研究は失敗...
そう、失敗したのだ。
『あああああっ...』
受け止めきれない現実が目の前にある。
「ハカセ?ドウカシマシタカ?」
うるさい。
もう!と腹を立てながら私は近くにあるベッドに倒れこんだ。
『はぁ...。』
さっきとは別のため息。
人間は〈落胆〉するとこうなるんだと
私の全身が表現している。
言語学者に今の私を見せたいくらいだ。
...何が間違っていたんだろう。
私の「お姉ちゃん」には何が足りなかった?
完璧な〈人間〉にしたはずなのに。
完璧なお姉ちゃん。
私の完璧な...。
完璧?
ふと目の前の物体を見る。
目の前の物体は不思議そうな顔でこちらを見ていた。
...。
私は泣きまねをした。
そいつは「ダイジョウブデスカ」と声をかけてきた。
私はそいつに怒った真似をした。
そいつは「スミマセン」と言った。
私はそいつに向かって変顔をした。
そいつは...
「ハカセ?ドウカシマシタカ?」
やっぱりだ。
こいつは完璧すぎるんだ。
完璧すぎて、
心が、ない。
泣いたら、心配。
怒られたら、謝罪。
分からないときは、質問。
なぜ私が泣いているのか、
なぜ怒っているのか、
理由によっては反応が変わることもあるだろう。
しかし...
私はまた泣きまねをした。
今度はそいつに怒るように泣いてやった。
睨み、恨みをこめた。
...つもり。
「ダイジョウブデスカ」
...うん。
だよねぇ~~~~...。
こいつは完璧すぎて完璧じゃなかった。
はぁ。
やりなおしだ。
ヒガンバナです。
どんどんコメディー化していきます。




