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乙女ゲームの世界に転生したが、悪役令嬢がチート過ぎて諦めました。でも攻略開始です!  作者: ゆうき
第1章 魔法学校入学編(ここから学園モノが始まります)
5/13

花に集る害虫から守るのは主人公の役目です!美少女とのデートももちろん特権です!

物凄く長くなりそうでしたので、限が良いところで投稿させてもらいます。

初めてのお昼休みとなりましたので、ルビーちゃんとチェルシーちゃんと一緒に食堂へ向かう事になりました。


他の方も誘いたかったのですが、どうも女性ではなく男性が近寄ってきそうでしたから三人だけで食事を取りたいと思います。


折角美少女ときゃっはうふふな食事ができるというのに無粋な人たちが混じるだなんて食事がまずくなったらどうしてくれるのでしょうか?


確かにですね、私たちは可愛いですから下心満載で近寄りたいのは分かりますが、この二人を渡すわけには行かないのです。


だって、私が愛でたいですから!


「あのさ、ちょっといいか?」


「さあ、ルビナスさん、チェルシーさん学食に向かいましょう」


「いやよ、一人で行きなさいよ」


「ご一緒してよろしいのですか?」


「もちろんですよ、チェルシーさん」


「じゃあ、お二人でどうぞ」


「え?何言ってるの、ルビーちゃん。仲間外れにはしないから安心してね」


「良いわよ、仲間外れで!」


「またまたぁ。早くいかないと席がなくなりますよ。行きましょうか、チェルシーさん」


「え、ええ」


「ぐっ、なんて力してるのよ、この娘は!」


「俺たちも一緒に良いか?」


「えっと、私たちと食堂に行くという事ですか?」


「同じクラスになったし、交流を深めるという事で、どうかな?」


「そうそう、交流を深めたいんだ、僕たち」


「放しなさいよ、一緒に行くから!」


「やっぱりルビーちゃんは良い子ですね~」


「くっ」


「あの、リスティナさん、ルビナスさん、どうしますか?」


「え、何がですか?」


「俺たちも一緒に食堂に行くって事だよ、リスティナさん」


「はあ、行くだけでしたら良いですが、相席しませんよ?」


「え?なんで?」


「チェルシーさんは男爵令嬢ですから特に知り合いでもない男性と同席などと醜聞に係る事が許せる訳ないと思いますが」


「え、え、あれ?」


「あと、自己紹介で有りましたようにルビナスさんは名店マドリードのご令嬢ですからね、お付き合いは選ばないといけなません」


「僕たちがダメってことかな?」


「そうですね。少なくとも自己紹介の時間が有ったからとはいえ、初めてお誘いするのに名乗りもしない男性とは交流は持てないと思いますが。ルビナスさん、如何ですか?」


「そうですわね、どちらさまとも知れない方とお約束もなくというのはちょっと」


「そういう事です。次の授業が礼儀作法ですし、そこでもう一度お勉強した方が良いと思いますよ。それでは」


「ちょっと、リスティナさん?ああ、すみません、また機会がありましたら」


「「えと、はい」」


礼儀正しく誘われたら断りにくかったのですが、名乗りもしない男性にほいほいついていく訳がないのです。


チェルシーちゃんは男爵令嬢なのに優しい人ですから気にしていなかったようですが、ルビーちゃんはちょっとぷんぷんだったようですね。


あのお二人は確か名誉男爵、平民上がりの一代限りの下位爵位、騎士の子息さんたちだったと思いますが、礼儀作法をちゃんと習わなかったのでしょうか?


いくら相手が女性で平民が混じっているとはいえ男爵令嬢が居るのに名乗らないって、よっぽど礼儀知らずだと思います。


例えばこれがラビリオさんのように俗世と関係のない聖職者だったり、こちらよりも位の高い爵位持ちでしたら名乗る必要はないし、逆にこちらから名乗る必要がありましたけど。


恐らくあのお二人は私たちのやり取りを見ていて男爵令嬢と平民が仲良くしているから低い爵位の俺たちでも行ける、と思って近寄ってきたのだと思います。


平民である私がああいう態度に出られるのは仕方がないとしても、チェルシーちゃんが舐められるのは我慢できないのです。


「ルビナスさん、これは協力して当たらないと行けないですね」


「そうね、私自身も嫌だけど、ちょっと許せないわ」


「えーっと、何のお話ですか?」


「お友達を守るお話しなのです」


「そうですわ、チェルシーさん」


「わ、私も協力します!」


「はい、がんばりましょう」


「もちろん、ルビーちゃんとチェルシーちゃんは守りますよ!」


「ええっ!?私の事だったのですか!?」


「そのちゃん付けはやめなさいよ、あなた!」


「えー、だってルビーちゃんがきゃわいいから仕方ないのです!もちろんチェルシーちゃんもきゃわいいです!」


「か、可愛い」


「ぷりてぃな二人に近寄る虫は私が強制的に排除しちゃいますね!」


「あなたがやる気になると死人が出そうで怖いわ」


「ええ!?そこまでなのですか!?」


流石に殺人は犯しませんよ、いくら邪魔者とはいえ。


でも、二度と近寄れないように物理的なOHANASHIはさせて貰いますけどね。


可愛い美少女を守るためには多少の犠牲は仕方ないのです!


あ、食堂での食事はとても美味しかったので、お知らせしておきますね。


きゃわいいは最高のスパイスなのです!むはー!





さて、次の授業、礼儀作法の授業なのですが、これは正直辛いと言いますかなんと言えばよいのか分からないですが、特に語る事がない授業なのでした。


まるで道徳と国語の授業を受けているようなものなので、眠らないようにするのが大変でした、と言うのが一番の感想かもしれないのです。


ですからさらっと流して放課後の話をしましょう。


ホームルームで明日必要な物を聞いた後は解散となりましたので、私たち三人はこの後の行動について話し合う事になりました。


「さて、ルビナスさん、チェルシーさん放課後の事ですけど一度着替えてからいきますか?それともそのまま向かいますか?」


「ラビリオ様の予定を聞いた方が良くない?」


「そ、そうですね、ラビリオ様に合わせた方が」


「え?必要ないと思いますよ。それよりも一応着替えた方が良さそうですね。場所柄この格好ですと目立ち過ぎて変な人に絡まれるといけませんから」


「え?どこに行く予定なのですか?」


「下町ですよ、チェルシーさん。ルビナスさんが明日から始まる体育で着る様な衣服をお持ちでないという事でしたので、私がおすすめの店を紹介する事になってます」


「別に私はあの服で良いと思うのだけれど、リスティナがどうしてもダメだって言うから」


「ふふ、なんだかんだ言ってもやっぱり仲良しですね、ルビナスさんとリスティナさんは」


「はい、もちろんなのです!」


「あなたが強引なだけでしょ!まったく。ところでチェルシーさんも同じ目に合うと思うから覚悟した方が良いですわよ?」


「ええ!?」


もちろん、当然のようにチェルシーさんもコーディネートするのですよ!


などと話をしていましたらラビリオさんが近寄ってきました。


まったく、空気が読めない人ですね。


「さて放課後になったぞ。さあ、私の話を聞いてもらおうか!」


「あ、ラビリオさん。私たちは一度着替えてから出かけますので校門辺りでお待ちください」


「なに?まさか街へ出かけるのか?いや、そもそも私と話をするのだから学園内で良いだろう?」


「何をおっしゃっているのですか?私たちが出かける用事にラビリオさんが同席されるだけですよ?別に話をするならその時でも構いませんよね?」


「まて、何を言っているのだ、君は?」


「ところでラビリオさん。御子として婦女子にそのような言葉使いでよろしいのですか?礼儀作法の授業でも習ったと思いますが」


「・・・リスティナ。あなた、本当に怖いもの知らずね」


「くっ、いや、すまない。確かに不適切な言葉使いでしたね。ところで私はあなたと話がしたいと申したはずですが?」


「話なら今しているではありませんか。それに礼がされたいとの事でしたが、それは必要ない旨もちゃんとお伝えしたはずですよ?」


「社交辞令だ、それは!」


「あ、やっぱりそうだったのですね。リスティナさん、私たちは良いですから、ここは」


「いいえ、チェルシーさん。私は別に話すこともないのに譲歩したのです。そこを曲げるつもりはないのです。そもそもチェルシーちゃんとお出かけする方が大事なのです!」


「うわぁ、巻き込まれた私たちはどうすればいいのよ、これ!」


「うう、どうしましょう、お父さま!」


「やはり、君は僕を馬鹿にしているのか!」


「馬鹿になどしていませんよ?それよりもどうされるのですか?私たちは街に出かけるのです。同行されますか?」


「ああ、分かった!校門前だな!待っているからすぐに来るんだぞ!」


むぅ、やっぱり付いて来るのですか、お邪魔虫さんですね、ラビリオさんは。


さて、それよりもさっさと着替えてデートなのです、デート!


可愛い美少女と街を歩くという夢のような時間は少しでも長い方がよいですからね!


とても楽しみなのです!やっふー!





そういう事で私服に着替えて校門前までやってきました!


ルビーちゃんの私服は見たことがありましたが、今回も甘ロリぽい服装ではなくちょっと大人びたシャツにスカートという組み合わせです。


ルビーちゃんの見た目だと甘ロリ系の可愛い服が似合うのですが、少しでも背伸びしたいお年頃なのでしょう、まるで成人が着る様な出で立ちなのです。


ちゃんとクローゼットの中には甘ロリ系の服が入っているのに頑な着ようとしないのですよね、ルビーちゃんは。


でも、これはこれで背伸びしてる感が半端なく、それが逆に幼さを強調しているから余計に可愛さレベルがアップしちゃっているのです!


可愛い娘さんが何を着ても可愛いとはこのことですね!


「やっぱりルビーちゃんはきゃわいいのです!」


「ちょ、あなた、こんな往来でなんて事を叫ぶのよ!」


「あははははは」


「あ、もちろん、チェルシーちゃんも負ける劣らずきゃわいいですよ!」


「はう」


そのきゃわいいチェルシーちゃんですが清楚系の出で立ちでして、ワンピースにカーデガンを羽織り、ベレー帽をかぶったお嬢様スタイルなのです。


ルビーちゃんは自身の髪色に合わせてカラーコーディネートしているようですが、チェルシーちゃんは季節を取り入れたパステルカラーでまとめているのです。


その可愛いお嬢様スタイルで照れた表情がたまらなく可愛いからもう、本当にはぁはぁしちゃいます。


ああ、やっぱり可愛い美少女とのデートは最高なのです!


「やっふー!」


「おい、僕は無視なのか?」


「さて、歩きなれていないお二人には徒歩で下町へ向かうのは辛いでしょうから道馬車でも拾いましょうか」


「おい、聞いているのか、リスティナ!」


「あ、居たのですね、ラビリオさん。一応忠告しておきますが、裏通りには入らないでくださいね」


「どういう意味だ?」


「そのような如何にもお金を持っている神官です、という出で立ちですと浚われてしまいますよ?」


「いったいどんな場所に行くというのだ!?」


「王都の下町ですよ。表通りではそんな無茶する人はいませんが、裏に入れば色々な人がいますので」


「リスティナさん、私たちは大丈夫なのですか?」


「流石にそんなに危ないなら行きたくないわよ、私」


「チェルシーさんとルビナスさんは大丈夫なのです。私といれば手を出しませんよ」


「では、僕も安全ではないのか?」


「え?私が守るのはチェルシーさんとルビナスさんだけですよ?あ、ちょうど来ましたね、乗りましょう」


「・・・チェルシーさん、ルビナスさん。リスティナさんは一体どういう人物なのですか?」


「あははははは。その、とても個性的な女の子のようです、ラビリオ様」


「ラビリオ様、リスティナに係るのでしたら覚悟された方がよろしいと思いますわ」


「どういう意味だ!?」


「いきますよー」


あ、私の服装ですがいつもの冒険者スタイルな厚手のワンピースと小剣を身に着けております。


一応何があるかわかりませんし、今回はルビーちゃんとチェルシーちゃんを守らないといけないですからね!





そういえば王立グリンベルト魔法学園の立地場所ですが貴族街、中位貴族の方たちが住まう場所の真ん中にありまして、王城を除けば一番敷地面積が広い場所になります。


そこから下町まではそれなりに時間が掛かりまして、徒歩で向かうとなると女子供ではちょっとした冒険になるぐらいの距離なのです。


私だけでしたら身体強化の補助魔法を使って走ればすぐなのですが、今回はルビーちゃんとチェルシーちゃんが居るので久しぶりに馬車に乗ることになりました。


あ、ラビリオさんはどうでもよかったのですが、見たところ運動があまり得意ではなさそうですし、ゲームでも身体能力のステータスは高くありませんでしたから文句はないと思うのです。


そしてこの道馬車、辻馬車と呼んだ方が正確なのでしょうが、6人乗りのオープンタイプでして、ラビリオさんが一人で前、私たち女の子は三人ならんで後ろに座っております。


そう、可愛い美少女二人を両手の花状態であまり広くない馬車の中で過ごせているのです!


本当にデートって最高なのです!


「さて、もう良いだろう。話をしよう、リスティナさん」


「・・・むはー!」


「おい!」


「ちょっと、リスティナ」


「リスティナさん、ラビリオ様が呼んでいますよ」


「あ、はい、なんでしょう?」


「ふぅ、僕は未だかつてこれほど他人に相手にされなかったことはないと思う」


「そうなのですか、恵まれた環境だったのですね」


「君が特殊なだけだ、絶対!」


「私もそう思いますわ」


「否定できないです、リスティナさん」


「私は母に似てますからね、特別だと思いますよ。お母さんの可愛さは王都一なのです!あ、ルビーちゃんとチェルシーちゃんも同じぐらいきゃわいいですよ」


「特別とは言ってない、特殊と言ったのだ!」


「まさか、母親もこんななの?」


「性格まで同じだと思いたくないよ、私」


「偶に厳しいけど優しい母ですよ」


「そんな話をしたいんじゃない!」


「母を馬鹿にするのは許しませんよ、たとえ神が許しても!」


「ぬおっ!?違う、別に君の母を愚弄などしていない。そうじゃなく、君に話がだな」


「だから話はしていると思いますよ、何度も」


「ぐぬぅ、なぜ話が通じないのだ!?」


「その、ラビリオ様。具体的に用件を伝えた方がよろしいかと」


「チェルシーさんのおっしゃる通りですわ。リスティナにはそうしないと通じない、いえ、違いまわすわね、はぐらかされてしまいますわ」


あ、ルビーちゃんにはばれちゃってましたね。


だって、ラビリオさんと話を進めるとルートが進みますからね、できればどころか絶対に進めたくないのです。


ラビリオさんと宗教関連の事で口論になるとドSに攻めてきますし、しかも淡々と論じてくる感じで。


ここで精神のステータスが低いとMぽい感じの選択肢しか登場しないというルートに突入するある種バッドエンドに向かっちゃうのです。


あ、もちろんゲームの話ですから現実ではそうはならないと思いますが、私がそういう扉を開くことになっても嫌ですからね、できるだけその芽は摘みたかったのです。


ちなみに精神のステータスが高いと論破してしまってラビリオさんのプライドがズタズタになっていき、慰める選択肢が登場するという内容でした。


「なるほど、そうか。感謝しますよ、お二人とも。」


あ、リセットされちゃいましたね、回避ルートを。


さて、ここからが正念場になりそうなのです。


プライドの高い、意識高い系の人は本当に扱いが面倒なのです。


「歴史の授業での事ですよ、リスティナさん。なぜ私の回答の後にわざわざあのような回答をされたのですか?」


「あれは歴史の授業であって宗教の時間ではなかったからですよ、ラビリオさん」


「それはその通りですが、王権神授が回答で問題ないとマリアンヌ先生もおっしゃっていたはずです」


「ええ、ですから私はラビリオさんの回答でも間違いないと注釈したはずです」


「そこですよ。わざわざそれを言わずに歴史だと答えればよかったのでは?あれでは私を馬鹿にしている、いえ、十字聖教を貶めているように聞こえましたが?」


「なるほど、そう思われたのですか。ですが、それは思い違いですよ」


「思い違いですか。一体どういう意図があったのか、お教え頂きたいですね」


うわぁ、上から目線と言うか、ドヤ顔でSぽい笑み付きですよ、みなさん。


ラビリオさん、ちゃんと回りも見た方が良いですよ。


だって、ルビーちゃんもチェルシーちゃんも完全に引いてますよ、その表情に。


最初は私が盾突くような感じでいたから何してるんだあなたはと私に対して非難混じりの視線だったのに、気が付けばラビリオさんの幼児性、子供っぽいプライドが透けて見えて残念な人を見る目になってますよ。


さて、ここでゲームでしたら謝るか論破するかの選択肢が登場しているでしょうが、そんなものは見えませんし、とりあえず思ったことを言っておきましょうか。


「単純に意趣返しです、ラビリオさんに」


「どういう意味ですか?」


「あの時私に質問されていたのにラビリオさんが割り込んで来られましたからね。本当なら私も王権神授を創生の女神さまより与えられているからと答えるつもりでした」


「だったらそういえばよかったのでは?」


「まず勘違いされているのはラビリオさんです。あの場で私がそう答えたあと、マリアンヌ先生はどうするつもりだっと思いますか?」


「む?話をすり替えていませんか、あなたは?」


「いいえ、違います。そのご様子では気づいていないようですが、恐らくマリアンヌ先生はあのあとダンデライオン伯爵家嫡子であるダンさんに質問を振っていたと思いますよ」


「どうしてだ?」


「ここまで言ってもお解りにならないようですね。チェルシーさんならお解りではありませんか?」


「わ、私に振るの!?」


「チェルシーさん、解るなら答えてもらえますか?」


「えっと、その、ダン様は私たちのクラスでの最上位貴族位だからです」


「む?貴族階級がどうしてここで出てくるのですか?」


「神職であるラビリオ様には馴染みがないのかもしれませんが、貴族というのはプライド高いものです。特に自国に関する事であればその傾向は強くなります」


「その辺りは少し理解できますね。誇りを持っているということでしょう?」


「はい。ですから、きっかけは神が与えてくださった事かもしれませんが、私たちがこの国を作っているという自負があるのですよ」


「・・・なるほど。教皇の孫である私がああ答えてしまっては、創生の女神さまの恩恵のみでこの国が成り立っていると宣言しているようなものだったのですね」


やっと解っていただけたようですね、ラビリオさんにも。


貴族であるマリアンヌ先生としては私に女神さまのお蔭ですよと答えさせて、地位の高いダンさんに人、もしくは国民と答えてほしかったのだと思うのです。


ただ、歴史の先生としては歴史と回答してほしかったでしょうから私はああ答えただけですし、人が認めているからという答えは以後の授業で出すのではないでしょうか、あの場で話さなかったことを考えますと。


しかも平民である私がそれを言うと貴族さんたちに目を付けられちゃいますからね、下手な事は言えなかったのです。


それよりも自国の平民として女神さまの恩恵もあるけど、王侯貴族さんががんばったからですよ!という言い回しが平民である私にはベストだったのです。


「その、ラビリオ様には申し訳ありませんが、やはりどうしても国の面子もございますから、できましたら立てていただいた方が」


「いや、僕が浅慮でした、あの場では。教えて頂きありがとうございます、チェルシーさん」


「いえ、ラビリオ様に対して私ごときが失礼致しました」


「そのような事はありませんよ、チェルシーさん!」


あれ?なんでしょう、この感じ。


目の前の光景がゲームでのヒロインと攻略対象のやり取りに見えて、ラビリオルートにチェルシーちゃんが突入したかのような雰囲気になっているのです。


むむむむ、これは一大事なのです!


「ちょっと、リスティナ。これ、ラビリオ様が」


「そうですね、このままでは害虫がチェルシーちゃんについちゃいますね」


「が、害虫!?あなた今なんて言ったの!?」


「できましたらこれからも私に色々教えて」


「あ、チェルシーちゃん、見てください!あんなところに可愛いワンちゃんがいますよ!」


「え、え、ええ?」


「なんてベタな割り込み方してるのよ、あんたは」


ベタで結構なのです。


だって、ベタという事は誰でもやる常套手段ということですからね、ラビリオさんにも警告できたと思うのです。


絶対に私のチェルシーちゃんを渡しませんからね!


ルビーちゃんもですよ!むふー!


「なぜ、僕はリスティナさんに睨まれれているのでしょう?」


「深く考えては抜け出せなくなりますわよ、ラビリオ様」


「そ、そうですか」


「あははははは」

お読みくださってありがとうございました。


話の流れ的には前後編に分かれる様な感じになりましたが、後半部分はまだ書き切れておりません。

お待ちくださいねー。

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