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乙女ゲームの世界に転生したが、悪役令嬢がチート過ぎて諦めました。でも攻略開始です!  作者: ゆうき
第2章 入学後の激闘編(平民の分際でぇええ!な方たちとの闘いです)
12/13

気付いたらいつの間にかそうなっているという事は多々ありますよね。

遅くなりましたが投稿します。

お邪魔虫さんの芸人化計画が順調に進んで段々私たちに話しかけてくる貴族の子息さんたちが減ってきた頃、今度は貴族令嬢さんたちが近寄ってくるようになりました。


彼女たちが近寄ってくる理由も平民なのに生意気だ、貴族としての心構えがなんちゃらと子息さんたちと変わらないものでした。


虫よけさんであるラビリオさんも令嬢たち相手では効果も薄く、いや、ある意味効果的なのですがその隙に子息さんたちが寄ってくるので役に立ちません。


可愛いチェルシーちゃんの為なのですからもう少し頑張って欲しいところですが、期待するほうが間違ってますよね。


あ、ラビリオさんを非難しているわけではなく、善意も多少ある行動なのですから感謝もちゃんとしているのです。


でも、チェルシーちゃんは渡しませんよ、絶対に!


それはそうとして現在ラビリオさんは子息さんたちと口論中でして、その隙を狙ったかのように令嬢さんたちがこちらにやってきました。


「チェルシーさん、ちょっとよろしいかしら?」


「何でしょうか?」


「ここでは何ですから別の場所で」


「休憩時間が長いといってもそれほどではありませんから移動は難しいと思いますが」


「でしたら放課後にでもどうでしょう?」


「それは構いませんが、私だけでよろしいのですか?」


「そちらの従者も連れてきてくださる?」


「私は従者を学園に連れてきていませんよ」


「居らっしゃるではありませんか、そちらに平民の二人が」


今回はチェルシーちゃんに話しかけたので様子見をしていたのですが、私とルビーちゃんを従者扱い、いえ呼ばわりしてきましたね。


何と言いますか、流石少女といっても女性です。


こういった嫌味を言わせたら男性なんて比にならないほどの口撃力ですね!


私はまったく気にならないのですが、言われたチェルシーちゃんと従者呼ばわりされたルビーちゃんは激おこプンプン状態になってますね。


それはそれでとてもきゃわいいので愛でていたいのですが、ここは私が治めるべきなのです。


「チェルシーちゃんとルビーちゃんは怒った顔もぷりちぃなのですよ!むはー!」


「こんなときに何いいだすのよ、リスティナ!」


「え、え、え、何を」


「そんな二人とお友達になれて私は幸せなのですよ!やっふー!」


「は、恥ずかしいこと言わないでよ!」


「あわわわわわ」


「これはこのまま堪能するしか」


「させないわよ!」


「ま、また抱き着くのですか!?」


「むー、ルビーちゃんが反抗期なのですよ。姉としてがっかりなのです」


「誰が姉なのよ!はぁ、もう、訳わからないわ」


「・・・あ、あなたたちね。よくも私を無視してくれましたわね?」


「あ、まだ居たのですか?もう用事は済んだのでは?」


「リスティナちゃん、流石にそれは」


「何ですって、平民の癖に!生意気なのよ、あなたは!」


「口調が乱れてますよ」


「くっ、平民のあなたに言われたくありませんわ」


「そうですか。それで要件は以上ですか?」


「本当に生意気ね。ええ、放課後に話があるだけよ。ちゃんと来なさい」


「お断りします」


「なっ!?」


「私たちでお茶会をする予定でしたからそれを取りやめるつもりはありません」


「あなたの都合なんて知りませんわ。私に合わせなさい」


「お断りします。私にはあなたに合わせる用事がありませんので」


「何ですって!平民は私たち貴族に合わせるのが当たり前ですわよ!」


「私たちだけではなくヤグル男爵令嬢であるチェルシーさんもご一緒なのですが、それでもそういうのですか?」


「うっ、でも、チェルシーさんは了承して」


「してませんよ。ですよね、チェルシーちゃん?」


「え、あれ?そうなのかな?」


「確かに了承はしてなかったわね」


「うん、そう言われたらしてないかな」


「なっ、チェルシーさん、あなたは平民の言い分を」


「二人は私の友達ですから。ところで、ジェニファーさんは私たちと仲良くしたい、というお誘いなのですか?」


「違いますわ。ちゃんと貴族と平民の分別について説明を」


「それでしたら私たちもちゃんと弁えてますよ。ただ、ここは学園なのですから貴賤ない関係で問題ありませんから私たちはこういう関係なだけです」


「そ、それはただの詭弁ですわ!」


「要件がそれでしたら話すことはありませんので放課後の件はお断りさせて頂きますね」


「くっ、覚えておきなさい」


私が何とかしようとしたのですが結局チェルシーちゃんが解決しちゃいましたね。


ルビーちゃんもそうですがチェルシーちゃんもずいぶん成長しているようでお姉ちゃんとして鼻が高いのです。


「ふぅ、子息たちだけじゃなく令息も絡んでくるとわね。流石に面倒だわ」


「私たちのことはそっとしておいてくれればよいのですが」


「気に入らないというだけじゃなさそうね。ラビリオさまがいるのに来るんだから」


「そうですね。どうしたらよいのでしょう?」


「難しいところよね。リスティナはどう思う?」


「ルビーちゃんもチェルシーちゃんもきゃわいいのです!」


「そういう話じゃないわよ!」


「わ、私は可愛くなんて」


「チェルシーちゃんの可愛さを否定するなんて、例えチェルシーちゃんでも許さないのですよ!」


「え、あ、ごめんなさい」


「チェルシーが謝る必要ないわよ!」


「じゃあ、ルビーちゃんが謝ってくれるのですか?」


「何でそうなるのよ!?」


ルビーちゃんの叫び声と授業開始前を知らせる予鈴が鳴ったのはほぼ同時で、話し合いは取りあえず終了です。


確かにルビーちゃんが言うように面倒な話ですよね、これに関しては。


相手が男の子たちだったら物理的なお話か魔法でちょいちょいっと片付くのですが、女の子相手だとそういう訳にもいかないのです。


前世を含めて今まで私はこういった経験がないので対処法が分からないのですよ。


本当にどうしましょうね?




「よう、大変そうだな」


「あ、ダンさま」


結局答えが出ないまま昼休みになったのですがさて次はどんな人が近寄ってくるのかと少し身構えたのですが、なんとダンさんでした。


現れたのがダンさんだったと判って安心したのかほっとした表情を見せたチェルシーちゃんとルビーちゃんに気付き私はちょっと悔しくなりました。


だって私だけだと不安だったという裏返しですからね、それって。


あとは私も身構えたという事は子息さんたちがやってくることに少しは脅威に感じていたという事です。


むぅ、これはちょっとではなくかなり悔しい事ですね。


「チェルシー嬢とルビナス嬢の表情は分かるが、なんでリスティナ嬢は不服そうなんだ?」


「あ、あなたね、こんな時にまで」


「違うのです。ダンさんが男の子にしてはマシな人だと感じたことが悔しかっただけなのです」


「ダンさまを相手にしてマシって」


「うふふ、リスティナちゃんの拗ねた姿も可愛いですね」


「可愛いのは当たり前なのです。だって、私はお母さんに似てますから!」


「復活早やっ!?」


「うふふ」


「ふふ」


「ふーん、面白い関係性だな」


「あ、ダンさま申し訳ございません」


「いや、気にするなよチェルシー嬢。それよりどうだ、一緒に食事でも」


「む?ダンさんはミレディさんという素敵な婚約者がありながらチェルシーちゃんを」


「ちげえよ!?」


「あわわわわわ、私」


「ダンさん、まさかあなたも!」


「おい、チェルシー嬢」


「ごめんなさい、私まだそういうのは」


「だから違うって言ってんだろ!」


「なんだか見たことのあるやり取りだわ」


「傍から見るとこういう感じなのか」


「あ、ラビリオさまいらっしゃったのですね」


「君まで僕をそういう扱いなのか、ルビナスさん!?」


「ん?ラビリオか、どうしたんだ?」


「あ、ラビリオさま」


「ぼ、僕は影が薄いのか、もしかして?」


皆さん気が付いていなかったようですが、ダンさんが近寄ってきてしばらくしてからラビリオさんも近くに来てましたよ。


ですからダンさんもああいう感じに持って行ったのですが、ダンさんのインパクトが強すぎたようです。


ラビリオさん、どんまい。


「ちっ、リスティナ嬢と絡むと厄介だな、ミレディとは別方向で」


「ダンさまは理解されているようですね。ところで食事を私たちと取って大丈夫なのですか?」


「あー、そう言われると厄介な事になりそうな気がしてきたな」


「婚約者がいらっしゃるのですから他の女性と食事を共にするのは」


「だがそんな事を考えてたら何もできないからな、行くぞ。ラビリオも来いよ」


「君は強引ですね。僕もご一緒しますけど」


ダンさんはどういう理由でかは分かりませんが、私たちを食事に誘うために近寄ってきたようですね。


ラビリオさんがそうするのは先日からでしたので分かるのですが、どういった風の吹き回しなのでしょうか?


流石にダンさん相手だと断る訳にはいきませんし、ルビーちゃんとチェルシーちゃんに頷いて付いていきました。


強力な虫よけが二枚も付いてますから二人も安心して昼食を取れるでしょうし、ここは感謝しておきましょう。


でも、チェルシーちゃんは渡さないのですよ!




そしてやってきたのは食堂なのですが、私が初めて入るエリア、貴族での上位の者だけが利用できるスペースでした。


上位貴族の方はこの魔法学校の中でも一割にも満たない人数しかいないのですが、スペースの広さは食堂の二十%ぐらいの割合です。


しかも各テーブルには専用の給仕さんが付くようでして正直別世界過ぎてコメントに困る場所でした。


あまりきょろきょろすると失礼に当たりますから視線だけで確認しましたが、最上級生は誰もいないようでして二年生の方が数名、あとは新入生だけのようです。


そして上級生を押しのけて一番奥のテーブルに居るのは第二王子であるシャルル殿下と婚約者のローズお姉さまという組み合わせ。


天上の美であるローズお姉さまが居るだけでも輝いて見えるのですが、さらにオプションとしてシャルル殿下も付いてますのでもう目立ってしまって仕方がありません。


ローズお姉さまとはスペースに入った瞬間に目が合ったのですが、合わさったのはほぼ一瞬の事でダンさんに視線を移して口元を扇子で隠してしまいました。


おそらくなぜ私がダンさんと一緒にいるのか不思議に思ったのでしょう。


その前に私がここに居る理由がそれで察したのか、兎も角久しぶりに生のローズお姉さまを見れて気分上々なのですよ!


不機嫌だった私も一瞬でご機嫌になったのですからロザリアミンは最高級栄養剤なのですね!やっふー!


「ダンさん、ありがとうございます」


「いや、いきなり礼を言われても訳が分からん」


「私ではここにこれませんから」


「いつもは中庭で食ってるんだがな。あいつらが鬱陶しいからこっちにしただけだ」


「ミレディさまはよろしかったのですか、ダンさま?」


「あー、それは後で考えるから取り敢えず食おう」


ミレディお姉さまに何も言わずに来たようですね、大丈夫なのでしょうか?


ミレディお姉さまは普段は貴族の令嬢として恥ずかしくない淑女然として方なのですが、ダンさんが絡むと猪突猛進に戻っちゃいますからね。


これは確実に近々ミレディお姉さまが私たちに絡んでくる事になりそうなのです。


ルビーちゃんやチェルシーちゃんは顔を青くしてますが、私は増々機嫌が良くなりました。


だって中々交流の持てないミレディお姉さまと会える機会がやってくるという事ですからね!


そう考えるとダンさんと少しは交流を持つのは悪い事ではない気がしてきました。


あまりやりすぎるとダンルートに突入する恐れがありますから適度に用法を守っていく必要はありますけどね!


なお、ここに来てもラビリオさんの空気感は半端ありません。


それを感じたのかラビリオさんが存在をアピールし始めました。


「チェルシーさんとルビナスさんは気分が悪いのですか?」


「そういう訳では」


「ええ、平気ですわラビリオさま。ちょっと今後の事を考えましたら」


「彼らの事ですか。ダンさん、この国の貴族ではあれが当たり前なのですか?」


「あれを基準にされたくはないが大抵のやつはあんなもんだぜ。特に俺たちぐらいの年代は顕著だな」


「僕がお会いした方たちはそのような事がなかったのですが」


「そりゃ御子であるラビリオに会う同年代のやつらなんて中位以上の貴族だからなぁ。レオみたいな例外は居るけどその辺は弁えてるぜ」


「なぜそのような差が生まれるのですか?」


「あー、その辺は俺もよくわからん。チェルシー嬢は知ってるか?」


「え?わ、私ですか?あ、申し訳ございません、ダンさま」


「口調は気にするなよ、同じクラスの仲じゃないか。俺、そういうの一切気にしないぜ」


「ありがとうございます。それでは私の分かる範囲でしたら」


「是非教えてくださいチェルシーさん」


ダンさんがいろんな意味で気にしない人だというのは分かっていましたからこの流れは予想できていたのですが、あまりラビリオさんに情報を与えたくないのです。


ルビーちゃんにはある程度予測としてラビリオさんに貴族と平民の確執的な事を教えた場合の展開は言ってあるのですが、チェルシーちゃんにはまだ言ってなかったのですよね。


でも仮にチェルシーちゃんにその辺りを話したとしてもラビリオさんに対して嘘を付かないでしょうし、情報操作的な事もしないでしょうね。


なにせチェルシーちゃんは可愛いだけでなく優しいのです。


慈愛の妹天使チェルシーちゃんは嘘付かない!なのですから!


「貴族の義務を理解しているかしていないか、の差だと思います」


「貴族の義務、ですか?」


「はい。貴族という特権を与えられた者、またはその眷属は王家からこの国を、そして国民を豊かにし養う義務が与えられているのです」


「親が子を育てるようなものですか」


「そうですね、自身の領地の民を子と称される方もいますので。そして国民は自身の生活の為、そして国の為に働き奉仕する事が義務付けられています」


「義務ですか。そのあたりが理解しにくいところですが、子は親の為に働くという考えなら理解できます」


「ラビリオさまは聖職者ですから馴染みがないでしょうね。でも、この国では国法として定められています」


「国という体裁を整えるためですか?」


「その通りです。ですが、ほとんどの方はその義務を表面上だけしか理解していないのです。例えば貴族の方は民を養ってやっている、民は貴族に奉仕する、それが当たり前というように」


「確かにそうとも言えますが国法に定められた法とは少し違いますね。それであのような事になっているのですか」


チェルシーちゃんはしっかり教育を受けていたようですね。


ほとんどの人は国法をきっちり説明されたことなど一度もなく、ただ概要だけ小さな頃からそれとなく聞かされるだけです。


私が生まれ育った村だと両親や近所の大人たちから貴族さまには逆らうな、ここに住まわせてもらっているんだから、といった具合です。


私の場合は母から国法をしっかり教え込まれましたし、前世の常識が残っているのでしっかりと意味を理解できています。


でも、そういう環境に育った人たちは国法を後で教えられても表面上だけを理解して根本的なところは理解できませんからね。


国は民が居て初めて成り立つ、なんて言葉を聞いたことがありますが正にそれです。


だから王侯貴族は民を守り、民は国に奉仕する、という両者の相互関係があって初めて国家が成り立つのですから両者はお互いに尊敬しあわないとダメって事なのです。


まあ、こんな事は表向きと行動で示していれば心の内で何を思おうが国は回りますから、この考え方を理解して実践できるかどうかなのですけどね。


さてさて、ラビリオさんもなぜ貴族の子息さんや令嬢さんたちがあんな行動にでるのか解ったと思いますが、その解決策は見つからないと気付くでしょうか?


時間を掛ければ解決できるのですが短期間にそれを成すのは洗脳レベルで相手の考えを変える必要があります。


魔法を使えばできない事もないですがそれは犯罪行為ですからね、ラビリオさんはその方法は取らないでしょう。


ですがラビリオさんなら神の教えで!とか言いそうな気もしますので、ここは牽制だけしておきましょう。


「あの人たちにちゃんと理解してもらうには時間が掛かります。なので考え方を変えてもらうのは難しいですよ」


「む、ですがちゃんと話せば」


「例えばラビリオさんに明日から十字聖教から宗派替えして下さい、と言って聞いてくれるのです?」


「宗教と一緒にされても・・・いえ、そうですね、リスティナさんの言う通りです。そうなってくると根本的な解決策はないのですか」


「ラビリオは難しく考えすぎなんだよ」


「何か案があるのですか?」


「簡単じゃねえか。勝負して勝てばいい」


「うわっ、思った通りの脳筋発言なのです!」


「ちょ、あなた何言ってるのよ、ダンさま相手に!」


「脳筋ってなんだ、リスティナ嬢?」


「脳味噌が筋肉って事なのです」


「分かるような分からないような?ルビナス嬢、解説してくれ」


「私はリスティナの通訳扱いですか!?」


「え!?違ったのか?」


「なぜか驚かれてる!あ、ごほん。私はそのそういう役割ではありませんわ。ですが解説しますと、物事を単純明快に捉える思考をされている、という意味ですわ、ダンさま」


「おお、なるほど。深く考えるより体を動かせってやつか!それで脳味噌筋肉を略して脳筋か、言いえて妙だな!」


「懐が深すぎるわ、ダンさま」


「ぼそっと言うならしっかりと、単純な人、って言いましょうね、ルビーちゃん」


「ちょ、私を巻き込まないでよ!」


「あははははは」


しかし流石ダンさんなのですよ、予想通りに勝負しようぜ!と言い出しましたね。


それはそれで有かもしれませんが、果たしてそれをあの人たちが素直に応じてくれるでしょうか?


また勝利したからと言って関わらないようになるでしょうか?


正直難しいと言わざるを得ないですね。


「勝負ですか。ではどのような勝負を?この間のように体育の授業で行いますか?」


なぜかラビリオさんは乗り気ですね、勝負する事に。


下手に宗教絡みで動かれるよりは良い事なのですが、ラビリオさんが動くと騒動が余計大きくなるのですがどうしましょうか。


「あいつら体力無いから受けないんじゃないか?てか、ラビリオは勝てる自信があるのか?」


「む、そう言われると困りますね。では、何か催しでも」


「あ、あの。ダンさま、ラビリオさま?」


「なんだ?」


「なんでしょう?」


「なぜ私たちの為に色々してくれるのですか?」


あ、チェルシーちゃんがヒロインの台詞を言い出しちゃいましたね。


誰のルートに突入してもこの台詞が出てくる選択肢でこの台詞を選択した場合、高確率でイベント進行フラグになっちゃうのですが。


薄々感じていたのですが、乙女ゲーム上での主人公は私でしたがこの世界での主人公はチェルシーちゃんぽい気がするのです。


だってラビリオルートに突入しかけてますし、ダンルートも見え始めてますから。


チェルシーちゃんがヒロイン級に可愛い美少女というのは納得なのですが、これはちょっとピンチなのですよ。


だって私の可愛い妹が馬の骨さんたちに群がれるかもしれないという事なのですから。


お姉ちゃんとしてここは阻止しなくてはなりませんね!


「それは当たり前なのです!」


「いきなりどうしたのよ、リスティナ?」


「ルビーちゃん、これは世界の真理なのですよ」


「いや、本当にいきなり何言い出すのよ、あなた?」


「リスティナちゃん?」


「なあ、ラビリオ。リスティナ嬢っていつもこうなのか?」


「唐突に何かを言い出すという意味ではその通りですね」


「最強に可愛い美少女であるチェルシーちゃんを無償の奉仕で助けるのは男の子だったら当たり前なのですよ。ですからダンさんもラビリオさんもキリキリ働くのです!」


「かわ、かわいい」


「うわっ、いつも以上にぶっ飛んだ事を言い出したわ、この娘!」


「も、もちろんお助けするつもりですが」


「まあ、面白そうだからな、別にいいぜ」


「しかも了承された!?」


「ええ!?」


「ここにチェルシーちゃんを守るぞ同盟の締結なのですよ!やっふー!」


攻略対象というステータスを持った強力なキャラクターであるダンさんとラビリオさんを盾にしてこの戦いを勝ち抜くのですよ!


と、なぜか気が付くと私は二人を絡ませておりました。


そんな気は一切なかったのですが、なぜでしょう?


それと解決策は結局でませんでした。


でも楽しい食事会になったし、ローズお姉さまを生で見れたから問題ありませんね!






なお、その日の夜自室に戻ると黒薔薇の印で封された便箋が届いておりまして、ローズお姉さまからお言葉を頂きました。


そして手紙に書かれていたないようですが。


「関わりが探られないようにもっと大人しくしなさい」


というお叱りの文章でした。


流石にちょっと反省です。


それはそれとして、ローズお姉さまからの初めてのお手紙ですからもちろんこれは大切に保管させていただきます。


宝物ゲットなのですよ!やっふー!

お読みくださってありがとうございました。


見直しが終わってませんがこれ以上遅くなっても申し訳ないので投稿だけは先にさせていただきました。

後日見直して誤字等は訂正いれます。

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